三ノ宮街の魔力持ち

『三ノ宮街の魔力持ち』

―この世界には男しか存在しない。いや、男しか存在しなくなった世界。

163万年ほど前におきた「魔女狩り」。その時代には女性がまだいた。

だが女性ばかりが魔力を大量に持っているため、魔力を特に多く持っている女性を

「魔女」といい、城の監獄へ追放した。だが魔女にするラインがだんだん下がっていき、

魔力を持っている女性すべてを城に追放するように法律で定められてしまい、

女性が全員追放され子供でも女がいたら何もしていなくても追放となり、

その理不尽が限界に達し、とうとう女性がいなくなってしまった。

だが男性でも魔力を持っている者がいる。それでも女性ほど強くはなく、

持っていない者のほうが多いため、あまり知られていない。

男性が魔力を持つ基準はかなり高く、魔力は、たがいを愛し、信じ合ったものたちのなかでも魔力を持つ器に相応しい者で

なければ持つことは出来ない。

この世界の中でもかなり魔力を持っている人が少ない島国がある。その島国の名前は、

紗桜。その中でも一番魔力持ちが多い街がある。それがここ、「紗桜の三ノ宮街」。

ここには6人の魔力持ちがいる。

―空鈴―（クーリン）15歳、雷の属性魔力持ち。

―廃李―（ハイリー）33歳、水の属性魔力持ち。

―胡拝―（ウーハイ）250歳、火の属性魔力持ち。

―蘭淡―（ランタン）97歳、風の属性魔力持ち。

―呉乱―（ウーラン）2160歳、凶の属性魔力持ち。

―悠然―（ヨウラン）1050歳、堕の属性魔力持ち。

永恒的愛を誓った3組の日常とは？―