「隣の部署のの黒野さんかっこいいよね」
「わかる〜」
「あんまり人と喋らないけどそこがクールでかっこいいんだよね〜」
「プライベートとか誰にも話さないらしいよ」
「会社の誰も黒野さんの家知らないんだって」
「休日出勤はおろか平日でも定時で帰っちゃうんだって」
「なにそれ〜」
会社の給湯室でそう噂されてるのは先輩の黒野うるみやさん。
仕事は誰よりもできて、その上男の俺でも惚れるほどのイケメン。モテる以外ありえない。
青「また噂されてますねw」
橙「別に好きで噂されてるわけじゃないし」
必要以上に人と関わらない人というのは普通煙たがられる存在だけどうるみやさんの場合はかっこよさを増進させるスパイスに過ぎない。
実際顔がいいし、仕事もできるし、身長も高いからその性格を咎めるものは俺含め誰もいない。
「すまん黒野くん」
「クライアントから1週間後の納期を短くしてくれないかと言われていてな…」
「どうにかならないか?」
橙「大丈夫です」
橙「どのくらい縮まりますかね」
「3日で仕上げてくれないか…?」
「無理なお願いというのはわかっているんだが_」
青(3日?!)
青(流石のうるみやさんでも無理でしょ…)
橙「わかりました」
橙「二日以内に提出するので確認お願いします」
「ありがとう黒野くん!」
青「うるみやさん大丈夫ですか?」
橙「大丈夫」
橙「なんとかする」
カタカタ
お昼時にも関わらず、パソコンとにらめっこするうるみやさん。
納期を1週間から3日に縮めるなんてクライアント側のミスのはずなのにそれに対して真面目に向き合う彼が眩しく見える。
青「カロリーメイト買ってきたんですが食べます?」
橙「!」
橙「ありがと」
青「もう定時ですけど大丈夫ですか?」
橙「うわ」
橙「終わんないから持ち帰るわ」
橙「すみません」
橙「お先失礼します」
「お疲れ様で〜す」
いつも定時で帰る先輩。
帰社した後は何をしてるんだろう?
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