テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
永玖side
「今回のアルバムなんですけど、1曲、メンバー5人で作詞してみるのはどうでしょう?」
スタッフさんの提案に、
俺たちは顔を見合わせた。
颯「え、5人で?」
颯「おもしろそうじゃん!」
颯斗がすぐに反応する。
玲「いいね、やってみようよ」
玲も賛成して、あっという間に決まった。
俺は以前、哲汰と作詞したこともあるし、
ひとりで作詞作曲することもあったから、
なんとかなると思っていた。
……このときは。
永「で、何から考える?」
数日後、集まった俺たちは
早速頭を悩ませていた。
直「やっぱSWAGに向けた曲がいいよね」
直弥が言う。
颯「感謝とか、これからも一緒に進んでいこうとか」
颯斗が続けた。
哲「でも、それ全部入れたらまとまんなくない?」
哲汰の言葉に、全員が黙った。
永「……確かに」
俺も思わず頷く。
それぞれ伝えたいことがある。
どれも大切だから、簡単には削れない。
永「なんかパズルみたいだね、これ」
俺が言うと、直弥が笑った。
直「わかる。ピースはいっぱいあるのに、全然ハマんない(笑)」
永「俺、こういうの得意だと思ってたんだけどな……」
哲「永玖、最初めっちゃ余裕だったじゃん!」
哲汰にツッコまれて、思わず笑ってしまう。
永「いや、だってひとりで書くのと全然違うんだって!」
颯「なんとかなるんじゃなかったの?(笑)」
永「……なんとかならないかもしれない」
颯「諦めんなよ!(笑)」
颯斗の声が響いて、またみんなで笑った。
その後も意見を出し合ったけど、
結局まとまらない。
気づけば、全員が頭を抱えていた。
玲「次までにそれぞれ考えてこよう!」
玲の言葉に、みんなが頷いた。
帰りの車で、俺はスマホのメモを開いた。
SWAGに伝えたいこと。これまでのこと。
これからのこと。
考えれば考えるほど、言葉が浮かんでくる。
ひとりで作るのとは違う難しさがあるけど、
5人だからこそ生まれるものもある気がした。
永「…まぁ…なんとかなるでしょ」
そう呟いて、俺はメモに言葉を書き足した。
この曲がどんなふうに完成するのか、
まだ想像もつかなかった。
ただ、5人で作るこの曲が、
SWAGに届く日が楽しみだった。
このときはまだ、それが俺たちにとって、
特別な曲になるなんて思ってもいなかった。
33
#BL
きなこもち
85
コメント
1件
永玖くんの「なんとかなると思ってた」から「なんとかならないかも」への変わり方がすごくリアルで、思わず笑いました😂 5人それぞれ伝えたいことがあって、削れなくて、パズルみたいって言う感覚、すごくわかります。最後の「なんとかなるでしょ」でまた前向きになる終わり方が永玖くんらしくて好きです。この曲がどうなるのか、続きが気になります!