テラーノベル
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このお話は完全フィクションです。実在する方とは一切関係ありません。
ご本人様にご迷惑がかかるような行為は絶対におやめください。
また拡散行為もおやめください。
こちらはBL表現を含んだknhb作品です。
18歳未満の方は閲覧禁止となっています。
マフィアknt×シャンティhbです。
貞操観念や倫理観は皆無です。
喘ぎ声、暴力表現など過激なものが含まれます。
約25,000字あります。殆どヤッてるだけです。雲雀がとても可哀想なので苦手な人は注意してください。
こちらフォロワー限定で公開したボスと薬屋の完成版です。序盤はほぼ同じですが変えた部分もあるので通して読むことをオススメします。
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カツカツと乾いた音が廊下で反響して自分の耳へ入ってくる。歩みを進める度に劣化で剥がれたコンクリートの破片が靴の裏を不安定にさせていた。不規則に点滅する蛍光灯を頼りに薄暗い地下を知った足取りで進めば突き当たりの部屋の前で立ち止まる。
少し立て付けの悪い歪んだ扉を肩で押しながらそこを開ければ硝煙の匂いが立ち込めていた。
後ろ手に扉を閉めるとぴちゃりと液体を踏んだ感覚に自分の足元を見た。
暗くて分からないが水に比べて粘度があるそれはきっと赤黒い色をしているだろう。
「遅い」
血だらけの部屋、冷たくなった肉塊が積み重なった上で腰掛けていた男は雲雀に鋭く言い放った。
「ごめーん、おめかししてた♡」
俺は首を傾げてお得意の人懐っこい笑顔を見せてあげる。しかし目の前の男は笑ってくれなかった。
「次遅れたらその気色悪い猫撫で声が一生出なくなると思え」
腰を上げた男は血溜まりを派手に踏みしめ跳ね返る血が靴を汚すのも気にしないまま俺の前へ姿を現した。
錦糸のように柔らかい黄金の毛先が乾いた血で固まっている。その血飛沫が顔から白いYシャツまで飛んでいるのを見て俺がいなかった間の惨劇が容易に想像できた。
「片しとけ、始末はお前の好きにしろ」
「へーい」
「…それと」
そこまで言うと男は俺を横切り出口へと足先を向けた。そして扉に手をかけたまま俺を振り向くことなくはっきりとした声で俺を呼び止めた。
「夜、俺の部屋に来い」
それだけ言い残しどこかへ消えてしまった彼の背中を見届けるように何も無い扉を見詰める。
「今日は長なりそうやなぁ」
大きく溜息をつきながら俺は重い肉塊に着せられたシャツの胸ぐらを掴んで仕事を始めた。
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俺は夜にだけ活発になる中華街で薬屋をしていた。毎晩誰かの叫び声やら笑い声が響くお祭りのようなこの街は人の目を気にせず自分という個性をさらけ出して暮らせる最高の場所だ。
普通の家系とはかけ離れた異質な俺にとってこの中華街はまさに天国。そして俺が作る甘いビー玉の形をした薬も皆に大好評だった。だから俺はここから離れることは一生無いだろうとこの店に根っこを生やして毎日優雅に煙管を吸っては吐いてを繰り返した。
しかしある日、自宅の二階の窓から見通しの悪い街を眺めていた時、目を引く黄金色の髪を靡かせる男に出会った。薄汚れた布切れを巻いた周りの人間とは違う。シワひとつ無い黒いコートを纏ったそいつに俺は持っていた煙管を落とす程夢中になった。
慌てて一階へ降りて店の入口を吹き飛ばす勢いで表に出ればその男は丁度俺の店の前を通り過ぎたところだった。
「旦那!」
夜行性の街には似合わない弾んだような大声をあげれば男はゆっくりと振り向いてくれた。
「ちょと寄ってかない?」
俺は店前に置いてあったCLOSEの看板を裏返してOPENの文字に入れ替える。
「……結構」
しかし男は俺に背を向けこの場から逃げるようにコートの裾を靡かせた。
「旦那この街に来るの初めてだろ?」
俺は遠退く背中に続けて声をかける。その言葉に動きを止めた男は律儀に俺の方を向いてくれた。
「だったら何だ?」
「この街は知らない奴が歩くにはちょと危ないからさ匿ってやるついでに色々教えてあげようと思って、それに」
狙い通り食いついてくれた男に内心ニヤつきながら俺は腕を組み余裕を見せる。
「あんた堅気のもんじゃないだろ?そんな浮いた格好で歩いてたらすぐ絡まれるぞ」
俺の推測は間違いない。図星をつかれた動揺と俺への探究心を煽れば誘いに乗る確率はうんと上がる。
さてどう出る?
まだ夜には程遠い。ちらほらとしか行き交う人がいない大通りから外れた通路で暫しの沈黙の末、男は1歩俺に歩み寄った。
「お邪魔するよ」
具合の悪そうな顔色をして俺の誘いに乗った男にお客用の笑顔を見せて店の扉を開けた。
「いらっしゃい」
俺は彼を急かすようにその背中を押して店に招き入れた。
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重厚な木製の扉を数回ノックする。しかしいつまで経っても返事が帰ってこなかった。
「ボース、命令通り来たぞー」
扉の隙間に入れ込むように大袈裟な挨拶をかます。しかしそれでも返事は無かった。
勝手に入るのも気が引ける。為す術が無くなり扉の前で立ち尽くすが早くも辛抱できなくなった俺は勝手にドアノブを捻った。
すると意外にも鍵がかかっておらずすんなりと部屋に入れてしまう。
「失礼しまーす」
恐る恐る声を出しながら部屋の中へ進むと奏斗は壁際にある2人掛けのソファで横になっていた。
「寝てる?」
またしても返事がない。仕方なく奏斗に近寄ると規則的な寝息が聞こえてきた。
俺は仰向きに眠る奏斗の上へわざと反動をつけて勢いよく股がった。
するとううっと振り絞るような呻き声とソファの軋む音が鳴る。
「ボスが呼んだくせに寝るとか酷くね?」
部屋の明かりに目をしばたたいた奏斗は俺を隈が深い目で睨んだ。
「お前が遅いんだよ」
文句を零す奏斗を無視して俺は脱いだ上着をソファの背もたれにかける。
「お疲れなボスに喜んで欲しくていっぱい準備したのになぁ」
そして俺はポケットから包装紙に包まれた飴玉を1つ取り出して奏斗の前に掲げる。それを怪訝そうな顔で見る奏斗を見下しながら中身を取り出して口に咥えた。
そのまま奏斗の唇目掛けて上体を倒す。逃げないように頭を両手で支えて自分の方に引き寄せれば素直に口を開いてくれた。
カツンと歯に飴玉が当たる音が奏斗の口の中で鳴る。追い討ちをかけるように舌で押してあげれば奏斗の舌が伸びてきて俺の歯をなぞりながら甘く溶けだした飴玉を唾液ごと攫って行った。
濡れぼそったそこに優しくキスを落として離れるとガリッと飴玉が奏斗の鋭い歯によって砕かれた。
「あー舐めた方が美味しいのに」
折角丁寧に口で食べさせてあげたのにこうなるなら手で放り込めば良かったと落胆していると大きな手が俺の頭を覆い力強く引き寄せられた。
「んんっ!?」
合わさった口元から砕かれた飴玉の欠片が入ってくる。鋭いそれが奏斗の唾液と共に流し込まれれば砂糖の甘さが口に広がり堪能するように受け入れる。
何度も押し付けられる奏斗の厚い舌の感触に意識が遠退いていく。途端ピリッとした痛みと共に鉄の臭いが鼻を突き抜けた。
痛みに驚いた俺は肩を叩く。すると奏斗は長い舌を名残惜しそうに伸ばしながら俺から離れた。
「切れた」
飴玉の破片で傷ついた舌を庇いながら話すと奏斗は僅かに開いた口元から指を差し込んできた。
「へっと、あにふんの」
人差し指と中指が俺の舌を掴んで引っ張ってくる。その指が俺の舌を撫でる度に傷口を抉り痛みに視界が潤んだ。しかしその痛みが段々と痺れに変わり熱となって俺の脳を焼く。
「あっ…へぁ、はぁ」
気が付けば奏斗の指の動きに合わせて自分も舌を巻き付けていた。
痛い、気持ちいい。チグハグな感情が快感となって体を馬鹿にする。麻薬のような酩酊感に腰が揺れ奏斗に体を擦り付ける。しかし奏斗は傷口から手を離し俺を押しのけながら体を起こした。
「俺より効いてそうだな」
奏斗は破いた時に投げ棄てた薬入りの飴玉の袋を俺に掲げて嘲笑ってくる。
自分で仕掛けた筈なのに逆手に取られてしまったのが悔しいがそれより腹の奥で渦巻き出した熱を逃がしたくて奏斗の太腿に自分の緩く持ち上がった陰茎を擦り付けた。
「んっ、ふぅ、ねぇ…触ってよ」
腰を揺らして誘っても気づかないフリをしている奏斗の手を取って自分の陰茎に触れさせた。
それでもピクリとも動かない奏斗に体は疼くばかりで荒くなった息が止められなくなる。
なんで、なんで触ってくんないの?
俺は軽く添えているだけの手を上から握りしめ快感を促すように何度もそこへ腰を振った。
「そのまま自分でやってみせろ」
興奮しきった俺とは違い落ち着いている奏斗は冷たくそう言い放った。
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「何でこんな昼間にマフィアのボスが一人で中華街を歩いてるわけ?」
来客用の湯呑みに急須で淹れたお茶を注ぎ差し出す。名を風楽奏斗と名乗った男は隣町でマフィアのボスとして名を轟かせているらしい。
生涯なかなか聞くことのないだろう派手な自己紹介に薬屋と飴屋をここでやっていると自分もお返しすれば奏斗は大人しく案内した椅子に腰掛けた。
「人を探してる」
「へー、どんな?」
「分からない」
「分からないって、それじゃあ見つかんねぇだろ。何?言いたくないとか?」
人の事情にズカズカと足を踏み入れる。俺の特技でもあるそれに奏斗は鬱陶しそうに足を組み直した。
「本当に分からない。顔も声も性別も。ただ僕と同じぐらいの歳なのは分かる」
「歳だけって、お前ボスの割に結構適当だな」
呆れた俺に不服そうに眉を顰めた奏斗は湯呑みを手にして1口飲んだ。
「警戒しないんだ」
上下に動く喉仏を目で追いかけて聞くと動揺することなく湯呑から口を離した。
「仕事柄毒には慣れてるからな、少しでも違和感を感じたら吐き出してたさ」
「ふーん」
「お前は何でこんな辺鄙なところで店を構えてるんだ?」
辺鄙なところがこの極楽な中華街を示しているなら些か不服だが夜という世間一般では真逆とされる時間に人が増えるここは確かに辺鄙かもしれない。
「俺が気に入ってんだよ。こう見えて大盛況やし」
決して綺麗とは言い難い年季の入った木製の部屋を見渡す奏斗に教えてあげれば納得したのか1つ頷いて椅子から立ち上がった。
「もう行くよ、お邪魔して悪かった」
「あっ、待って」
そう言ってスタスタと出口へ向かう奏斗に咄嗟に声をかけた。しかし次にかける言葉を考えていなかったせいで言葉につまる。すると俺の言葉を待つように奏斗は体をこちらに向けてくれた。
「なんだ?用がないなら帰るぞ」
「…あのさ…また来てくれる?」
伺うようにそれだけ告げると奏斗は考えるように顎に手を添えた。そしてその白い手袋を着けた手をズボンのポケットへ入れ直せば初めて口角を上げてくれた。
「いいよ、来週また同じ時間に来よう」
その言葉に視界が晴れやかになる。間接照明だけの薄暗い部屋で俺を見る奏斗の瞳は宝石のように輝いて見えた。
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「んっ…ふぅ♡あ”っ、んぅ…♡」
ソファがギシギシと軋む音が響く。脱力した奏斗の手を握り込み道具みたいに好き勝手動かして自分の竿を擦り付けた。
自分が思うままに快感を高めれば先走りが漏れぐちゃぐちゃと粘ついた音が鳴る。視界の端で映ったそこが白濁に泡立ち奏斗の手を汚しているのを見て更に興奮が高まった。
「う”っ、はぁ…♡ヤバっ…い♡イグ…♡」
奏斗の親指を鈴口に這わせて押し込めば俺の体は呆気なく達する。勢いよく吐き出した欲は奏斗の手に全て受け止められていた。
絶頂感に暫く背を丸めていると奏斗は備え付けのチェストからテッシュを取り出して俺の吐き出したものを綺麗に拭き取っていた。
その姿を息を荒くして見つめる。さっきまで一つも動いてくれなかった指が今は自由自在に動いている。まるで見せつけるように滑らかに動く太い指先に後ろがヒクつくのが自分でも分かった。
あの指で触られたら…
そう思うのと体が動いたのは同時でチャイナ服のスリットから後ろの孔に自分の指を添えていた。
入口を引っ掻くように爪をたてる。縁をなぞるだけのその動きでまたしても俺の竿は緩く持ち上がり出した。
「一人でも十分そうだな」
一人で楽しむ俺を澄ました顔で見る奏斗にドキリと胸が跳ねる。
奏斗に見られている。
中指と薬指を口の中に入れて遊ばせ、唾液をたっぷり纏わせれば自身の唾液で揺れぼそった2本の指を、ヒクつくそこに突っ込んだ。
そして孔の周りを解すように浅い所を動かせば無意識に甘い声が漏れる。
「ん……あっ♡ふ、ぅ…♡はぁ……お”ッ♡」
奏斗に開発されたそこはあっという間に柔らかくなりどんどん指を飲み込んでいく。指の付け根まで入り込んだ時前立腺に指先が掠めた感覚にビクビクと体が震えた。
「んぉっ♡きもちぃっ…♡あっ♡ここッ…ん”ぅ♡ボスっ、見てぇ♡」
俺は奏斗に後孔が見えるよう足を広げ恥部を手で引っ張る。冷たい空気が入り込んでくる感覚に肩を震わせていると奏斗が俺の手をそこから引き抜き掴んだ俺の指ごと一緒に後ろへ突っ込んだ。
「そんなんじゃイけないだろ、もっとココ押せ」
「あ”ぁぁっ!♡♡やっ、そごっぉ♡まっで!♡ほお”っイク…♡イグゥっ!♡」
容赦なく曲げられた指が前立腺を抉る。そこを覚え込ませるように俺の指ごと揺すられればビクビクと腰が震えて足先が丸まる。それでも快感に耐えられない体に激しい電流が走り視界がパチパチと点滅した。
「はぁ、はぁ………んぉッ!?♡」
「ほら何休んでんの?押せっつってんだろ」
喉を晒して絶頂に浸っているとまたしても中をかき混ぜられる。
躾のような乱暴なそれでもイった後の体は気持ちよくてカクカクと腰が揺れるのを止められない。
すると奏斗は俺の指を置いて自分の手を後ろから抜いてしまった。
「そのまま続けろ。雲雀ならできるよな?」
「うんっ♡できるぅ♡はぁ、できるからぁ、ん”っ!見てて♡」
奏斗に教えられた通り気持ちいいところで指を曲げて腹側へ押し込む。潰したりトントンと叩いたりして刺激し続ければ奏斗は満足そうな顔をしていた。
「はぁ♡んん”っ!きもちぃ♡あっ、んぅ…♡ふぅ〜♡おっ♡イク…♡イグ、イグぅっ!…♡い”っっ〜〜♡」
「いいよ、雲雀、イけ」
奏斗の低くて心地よい声が耳元で聞こえる。その声に反応して浮いた腹に奏斗の大きくて厚い掌が添えられる。そして俺が内側から押すタイミングに合わせて奏斗も手を押し付けた。外と内側から前立腺を押されて強い電撃が走り伏せていた目が見開く。溢れ出た涙が頬を伝う感覚すら気持ちよかった。
そのまま絶頂を迎えた俺の体はもう言うことを聞かないほどに脱力してソファから落ちないように横たわるので精一杯だった。
「雲雀、頭上げて」
その言葉に反射で体が従う。するとカチャカチャと金属がぶつかる音が首元で鳴っていた。
朦朧とした意識の中、睡魔に体を委ねそうになる。するとぐいっと首に強い力が加わって体が引っ張られる。
「似合ってる」
奏斗は首に巻かれたレザーの首輪を指先で撫で付ける。それを泥のように濁った瞳で眺めながら俺の首輪と繋がった鎖を引いていた。
そうやって彼の手に握られたその鎖が不気味な音を奏でながら俺の首を絞める首輪に腹の奥がジクジクと熱を持った。
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「ファミリーってどんぐらいいんの?」
奏斗が俺の店に訪れた回数が両手の指の数を超えた頃すっかり仲良くなった俺たちはいつものように会話に花を咲かせていた。
「僕は少数派だから100人くらいだよ」
「めっちゃ居るやん、じゃあそのファミリーってホントの家族なん?」
「まさか、全員他人だよ。皆僕と契約して仲間になってるだけ」
奏斗は気まづそうに目線を逸らしてそう言った。あまり聞いてはいけないところをつついてしまったようで申し訳なくなる。
「でも皆僕に忠誠を誓ってくれる。血の繋がった家族より信頼できるよ」
「そっか」
当たり前のように話す奏斗が痛々しくて上手い返しが浮かばない。何を言っても彼の為にはならないような気がしてならなかった。
微妙な空気感に耐えきれなくなった俺は手に持った湯呑みの茶に何度も口付けて飲んだ。
すると軽やかな鈴の音が来客を告げる。
そういえば店の看板を下ろすのを忘れていたなと思いつつ来てしまった来客の相手をしようと立ち上がった。
「ごめんねー今実は閉店中で〜」
半透明の暖簾を潜り入口へ顔を出すと目の前の客は俺を見るなり足に縋り付くように床に這いつくばった。
「頼む!アレを!いつものアレをくれ!!」
飛び散った唾が俺の足元を汚す。情けなく泣き叫ぶ男を冷めた目で見るが薬切れで頭がおかしくなったそいつにはなんの効果もなかった。
仕方なくそいつの肩を叩き俺は優しく慰める。
「可哀想に、辛かったなぁ。ほらこれやるから落ち着きな」
ポケットから取り出した桃色をした飴玉を1つ差し出せば男はそれを奪い取る。そして破いた包装紙を床に投げ捨て口に放り込めば満足したように顔をふやかした。
「金はまた今度でいいから、これ持って帰りな」
いつも渡している飴より二回り小さい飴が数個詰まった袋をそいつに持たせて出口へと背中を押す。すると彼はやってきた時とは別人のように晴れやかな顔をして外へ出て行った。
「大変そうだな」
「まぁ、あそこまでなるのはそんなにいないんだけどな」
ため息を零しながら椅子に座り直す俺を奏斗は励ましているのかいつもより優しい声でそう言った。
感情に起伏の少ない奏斗が俺を気遣ってくれるのが少し擽ったくて俺はサングラスのフレームを指でつついて気を紛らわす。
「手伝ってやろうか?」
「えぇ?」
「僕のファミリーに入ったらお困り事はその日に解決するし金にも変えれる。雲雀が僕に飼われてもいいならいつでも助けてやるよ」
背もたれに深く体を倒した奏斗はそんな提案をしてきた。その甘いお誘いに心が揺らぐが煩悩を消し去るように頭を振り先程の男のポケットから抜き取った財布を机の上に放り投げた。
「生憎俺は犬じゃないんでね。それに困り事は自分で解決する主義ですから」
財布から数枚のお札を取り出し残りをゴミ箱に投げ捨てれば奏斗は楽しくないといった顔をしていた。
「残念。雲雀が居たら楽しくなると思ったんだけど、まぁいいよ」
奏斗の言葉に胸が早鐘を打った。いつも見せない心の内側を聞かせてくれた気がして困惑と嬉しさが胸でぐるぐると混ざりあって不思議な暖かさを持ってた。
そんな俺を知ってか知らずか奏斗は席を立ち出口へと手をかける。
「飼われたくなったら僕はいつでも歓迎するよ」
別れの挨拶代わりにそう言い残した奏斗は静かに俺の店を後にした。
一人取り残された部屋の中。秒針が時を刻む音だけが響いている。
「奏斗に飼われる、か…」
首の詰まったチャイナ服の襟ごと自分の首を撫でる。変に熱を持ったそこはしっとりと汗をかいていた。
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首にかかる力に逆らえないまま滑り落ちるようにソファから落ちた俺は奏斗の足の間に座らされる。
目の前に広がる奏斗のズボンを押し上げる膨らみから目が離せない。
「咥えて」
カチャリと首元の留め具が鳴り体が前へ動く。頬に当たる質のいいスーツの生地が俺の湿った吐息で重くなっていくのを感じた。
そこへ何度かキスを落とし舌でなぞっていけば膨らみが増していく。窮屈そうなそこを解放してあげようとズボンのファスナーに歯を立てる。顔を下に動かすとジーとファスナーの噛み合わせが外れていく音と共に先走りで濃くなった下着が覗いた。
ふと目線を上げる。すると深海のような暗い眼と目が合った。俺を飲み込んでしまうようなその眼差しに頭が沸騰して何も考えられなくなる。
すると地につけていた臀が持ち上がるほど首が引っ張られる。その勢いに俺は小さく唸り声をあげた。
「早く」
「うっ……はい…」
いつまでも咥えない俺に痺れを切らした奏斗は怒りを露にした。その地を這うような声に反射で返事をし奏斗の下着のゴムに手をかけた。
ゴムを少し浮かせて下へ下ろす。現れた硬いそれに俺の荒い息が触れると更に硬さが増した。
指で輪っかを作り竿に這わせて上下に擦る。滑りの悪いそこに口で溜めた唾液を垂らせばぐちゃぐちゃといやらしい音が鳴り出した。
「はぁ、はぁ…へぁ♡、んぅっ♡…ん、ぶ…ぢゅっ」
伸ばした舌を先端に這わせてそのまま咥える。火傷しそうなほど熱くて硬いそれを必死にしゃぶった。
「ん”、んグっ……♡ふっ、んぅ♡」
頭を上下に激しく動かす度に俺の首から奏斗の手に繋がる鎖が甲高い音を奏でる。じゅぷじゅぽと口の中で厭らしく響く水音を誇張しながらその金属が擦れる音を聞くとまるで誰かに体を乗っ取られたように動きが止められなくなる。
支配されているようなそんな感覚に理性は溶かされ空いた手が自分の後ろの孔に伸びていく。既に柔らかくなったそこは簡単に指を飲み込み何度も収縮を繰り返していた。
「ふっ、へぁ…♡きおちぃ?ここ♡ふくらんでる♡」
奏斗に見せつけるように赤い舌を出して裏筋を舐める。そのまま鈴口をちゅ♡と吸い上げれば先走りが溢れさらに硬度を増した。
奏斗が俺で気持ちよくなってる。
それが嬉しくてピクピクと揺れる竿を指で不規則に擽りながら上目遣いに見上げる。すると奏斗は俺を食い殺すような目で見ていた。
その視線にこっそり虐めていた後が強くうねる。曲げてもいないのにその指先が気持ちいいところを圧迫して臀が上下に揺れ始めた。
「ん、ふぅ…..♡ぉ”…♡んくっ……、ん”ん”っ!ぅ”っぐっ♡」
自分のペースで気持ちよくなろうとしていたのがバレたのか奏斗は鎖を引くと同時に俺の頭を掴み喉奥目掛けて勢いよく押さえつけた。
口腔を埋める奏斗の竿と首を絞める首輪の圧迫感に呼吸がままならず意識が遠退く。もう自分で体を動かしている感覚は無かった。頭を包む奏斗の手に体を委ねて喉奥を叩かれる息苦しさを全身で受け止めれば勢いよく精液が吐き出される。
奥で吐き出されたそれは少し喉を動かしただけで勝手に胃へと落ちていった。
クラクラする精液の香りが広がるとずるりと陰茎が口から抜かれる。
「口、見せて」
流しきれなかった精液をひとつ残さずごくん♡と飲み込んで口を開き赤い舌を出した。
何も無いのを確認した奏斗は満足気に目元で弧を描き俺の頭を掴んでいた手を優しく添えるように置き直した。
「全部飲めてる、いい子♡」
「あ、あっ……♡んっ♡」
奏斗に褒められた、嬉しい♡
ドロドロに煮詰めた砂糖のような甘い言葉に体がピクリと揺れる。頭を撫でられる感覚が気持ちよくて後ろに入れたままだった指を強く咥え込んだ。
一人で気持ちよくなっていると鎖が引かれ俺はおぼつかない足取りで立ち上がる。崩れそうになる膝をどうにかソファに立たせ奏斗の膝に柔い臀を乗せた。
「あっ♡ボスぅ…♡キス、キスして?♡」
見下ろした先にある薄くて綺麗な唇に吸い寄せられるように自分のを近づける。ちゅっ♡と軽やかな音をだしそこに吸い付けばすぐに熱い舌が出迎えてくれる。
「ちゅっ♡ぢゅ…はぁ、んぅ♡ふっ……♡んちゅ」
何度も角度を変え互いの舌を合わせることに夢中になる。ジワジワと広がる小さな快感が次第に大きくなり唾液や先走りで濡れた後ろを無意識に奏斗の竿に擦り付けていた。
ヒクつくそこに奏斗の先端が触れると俺の体は大袈裟に跳ねる。
挿れたい、奏斗ので気持ちよくなりたい。
「挿れたい♡これ欲しい♡」
「ダメ」
てっきりいいよって言ってくれると思っていた俺は奏斗の竿に手を当てて先端を後ろに埋めようとしていた。しかし奏斗はそれを阻止するように手に持った手網を引き竿から俺の体を引き剥がした。
「褒美が欲しいならちゃんとお強請りしろ」
引き寄せられた拍子に顎を掴まれ無理やり目を合わせられる。向けられた鋭い視線には優しさの欠片も無かった。俺を従えようとする奏斗に答えようと俺は鎖の先端にある奏斗の手に指を這わせ鎖諸共握りこんだ。
「俺のわがままなおまんこ、ボスのチンコでいっぱい虐めて、いい子にして…♡んぉ”っ!?♡」
俺のお強請りを言い切ると同時に下から中を埋められる圧迫感に脳天を突き抜ける快楽が襲いかかる。
緩やかに始まった挿入に合わせて自分も腰を振るのに夢中になった。
上下に揺れる度にチャラチャラと鎖が揺れる。奏斗の太腿が俺の臀にぱちゅ♡と合わさると竿が奥を小突く感覚に俺は舌を出して息を荒らげた。
「ははっ、犬みてぇだな」
「くぅっ…♡へぇぁ♡わ、わん♡わん♡……ん”ぉ♡い”ッ…!♡」
理性なんてものは遠に崩れきった俺は奏斗の犬っという言葉に反応して鳴き真似を口走ってしまう。犬にしてはふやけきったその鳴き真似は口に出すと本当に自分が犬になってしまったような気がして腰を振るスピードがぐんと上がる。
「はぁ、エロ…」
「う”っ、あ”っ、ぁっ!♡いくぅっ♡も、〜〜イっぢゃう……♡あ”ぁ!〜〜〜〜ッ!♡」
往復を止められなくなった腰がより一層深く沈み奥の壁を強く突かれる。すると押し出されるようにびゅっ♡と自分の陰茎から白濁が飛び出した。視界に火花が飛び散り手先がガクガクと震える。体制を保てなくなった俺は奏斗の体に覆い被さるように脱力した。
すると繋いでいた手が離され奏斗の両手が俺の背中と腰に回ってくる。
「……う”お”!?♡♡」
ごちゅ♡とイったばかりの体に振動が伝わる。
「まっでっ!♡や!、いまイった♡…ばっか!ちょっ、ん”ぁ♡やだ!うごけない”っ…♡お”ッ〜〜♡はな、してっ!♡♡や”っ、んぁ”♡♡」
イった後のビクビクと揺れる体を抑え込むように奏斗の両手が俺の背中を押す。抱き込む奏斗と俺の間に挟まれた陰茎が奏斗のシャツに擦れて更に快感が助長される。
「逃げちゃダーメ♡ちゃんと惨めに腰振れ」
「お”ぁ〜〜♡ん”っ、ん”っ♡にげれにゃい”♡〜〜!♡があとぉ♡ あっ、あっ♡こじっ、はや”っぃ”♡」
奏斗の息が耳にかかる。生暖かいそれが鼓膜を震わせると神経がビリビリと痺れ上へ逃がそうとしていた腰が奏斗の方へと押し付けるように向きを変えた。
「あ”っあ”っ♡むり……これっ、やっば〜〜♡お”ぉ♡ふっ、ふがいぃ”!♡イグっ♡また…♡あぁあ”♡も”ぉ♡いっぢゃう〜〜っ!!♡♡」
ぷしゃ♡と自分の陰茎から勢いよく潮が吹き出る。断続的に繰り返されるそれが奏斗の腹を濡らしシャツを湿らせ水溜まりを作り床へと滴り落ちていった。
くねる背中に跳ね上がる腰を奏斗の手で無理やり押さえつけられたせいで逃げるはずだった快感が全て体の中で停滞しいつまでも中を刺激する。
「あっ、あっ♡…お”っ、イクっ…♡ん”ぅ!……はぁ…♡」
何もされていないのに勝手に収縮する中が奏斗の竿を締め付け圧迫される前立腺にまたしてもイってしまう。不規則に繰り返される中イキに視界は真っ白だった。涙や唾液でぐずぐずになった顔を拭うこともできないまま抜かれる陰茎と共に自分の体はソファへと転がった。
未だに後を引く快感に体を支配されていると首が痛いくらいに強く引かれドサリとソファから体が落っこちる。
受身を取ろうと手を付いたカーペットが湿りを帯びていた。そこが見渡した周りの色に比べて暗く変色しているのを見て自分の痴態がここに残ってしまったような気がして顔が熱くなる。
「ベッド行こっか」
「ッ…うん♡」
ソファから立ち上がった奏斗はベッドへと移動していく。腰が抜けてまともに立ち上がれない俺はその手に握られた鎖に引きずられるように奏斗の後ろを這うしか無かった。
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「うぁー!また負けたぁ」
机に並べられた麻雀牌を両手で薙ぎ倒し負けを誤魔化す。しかしきっちりと自分の牌を守りきった奏斗は勝ち誇った顔で卓に伸びる俺を見ていた。
「麻雀は自分の役も大事だけど相手の役を邪魔する事も必要だからね」
そう言った奏斗の持ち手には俺が欲しかった牌が並んでいる。ここまで見抜かれていたのなら初めから勝ち目などなかったのだろう。俺は諦めて机の上に一丁のリボルバーを置いた。
「ロシアンルーレットにしよ、弾に当たったら負けね」
「却下だ。運以前にお前イカサマするだろ。僕が死ぬ確率が高すぎる」
五発装弾されているリボルバーから一発だけ弾丸を取り出しシリンダーを閉じて回転させる。
適当な位置で回転を止めてその銃先を奏斗に向けた。
「撃つ?」
「お前が撃つのかよ」
てっきり自分で引き金を引くと思っていた奏斗は呆れたように俺を見ていた。
それを無視して俺は銃のセーフティを下げる。
「止めないの?死んじゃうかもよ?」
挑発をもろともせずに椅子にゆったり座っている奏斗が不思議だった。装弾はは五発、その内空砲はたったの一発だ。当たって死ぬ確率の方が何倍も高いのに奏斗は全く慌てていなかった。それがマフィア故の経験値からなるものなら彼はきっともう壊れている。誰もが逃げ出そうとする死を奏斗は何故か前向きに受け入れているようだった。
すると奏斗は銃口に向けて額を押し付け銃を握る俺の手に触れてきた。
「死ぬのはちょと面倒だけど……」
触れた奏斗の指先に導かれるまま俺の人差し指がトリガーへと添えられる。
「雲雀になら、いいよ」
銃口の先で俺を見つめる奏斗と目が合う。いつも濁った雨水のようでなんの熱も感じない瞳の奥が僅かに燃えているのがはっきりと見えた。
渇望や懇願に近いその眼差しに初めて奏斗の人らしき姿を見た俺は息を飲むような感動を覚えた。
人に優しくされた時や感謝される時のような暖まる感動ではない。稲妻のように体を駆け巡る瞬間的な何かに彼を抱きとめたい一心に駆られる。
この気持ちは何だろう。守りたい、そばに居てあげたい、そんな加護欲が沸き立つような。
「撃たないんだ」
気が付いたら俺は銃を下ろしていた。
「奏斗はさ、何でマフィアになったの?」
無謀な質問だと自分でも分かっていた。それでも聞けば彼の気持ちが少しでも分かる気がした。
奏斗は俺の言葉になんの動揺もせず足を組み直して話を始めた。
「なりたくはなかったよ、でもそうするのが一番手っ取り早かったんだ」
「それはお前にとって?それともファミリーにとって?」
息を飲む音が聞こえる。俺達の間に一瞬緊張が走り会話が途切れてしまう。マフィアにこんな事を聞くなんて自殺も同然だ。本能的にそれを危険と判断した俺の体はみるみる冷えていく。寒気に肩を震わした時奏斗は机に頬杖をついてにっこり笑った。
「もちろん僕のためだよ。嫌々なった部分もあるけど良いこともあるんだ……例えば今日みたいな日とかね」
奏斗は俯き気味だった俺の頭を持ち上げるように頬に手を当てて前を向かせる。親指がサングラスの内側に潜り込み目尻を撫でる感覚が擽ったいのに暖かくて気持ちよかった。
「雲雀と居ると嫌なこと忘れられる」
愛でるような奏斗の仕草に顔が熱くなる。それを悟られないようにそっぽを向いて俺は立ち上がった。
「もうすぐ夜だから……」
開店準備を始めながら呟く俺の言葉に奏斗も腰を上げる。そのまま出口へ向かっていくのを見送ろうと出口まで付いて歩く。玄関のポールハンガーにかけてあったコートを羽織った奏斗は振り返りいつもの無表情を見せた。
「また来る」
「明日でもいいよ」
俺のちょとしたわがままを鼻で笑った奏斗は「それもいいね」と言い残し去って行った。
*
まだ日が高い頃合い。軽食でも買いに行こうと外に出ていた俺は紙袋に大量の饅頭を入れて帰路についていた。お得意様だからとおまけしてくれるのは有難いが到底1人では食べきれないそれをどうするか頭を悩ませる。
「奏斗今日来てくんねぇかなぁ……あっ」
願った直後に俺の視界には目を引く金色が映った。
奏斗だ!
建物に囲われた狭い裏路地をゆらゆらと歩くその後ろ姿は一瞬見落としてしまいそうなほど見切れていたが運良く発見できた俺は駆け足で彼の元へ向かう。
「奏斗今日来てたんだ!良かったら店寄ってって、よ…」
奏斗の背後まで近づいた瞬間鼻を掠める血の匂いに言葉が尻すぼみになる。
「…雲雀か、ごめん今日は遠慮しとく」
そのまま俺の元を立ち去ろうとする奏斗の腕を掴んで俺は引き止める。すると奏斗は小さく呻き声をあげた。
手に伝わる生暖かい液体に俺は手を離す。
「あっ、ごめん」
「っ、いいよ。ただの擦り傷だから」
痛みに顔を歪ました奏斗に今度は極力触れないよう近づいた。
「手当するから、行こう」
その言葉に小さく頷いたのを見て俺は奏斗の肩を支えながら店へと急いだ。
*
奏斗からコートを貰い椅子に座らせる。棚に常備してある救急箱を抱え血が滲む右腕をそっと持ち上げ服を脱がせた。
顕になったそこは肉が抉れ痛々しく腫れていた。
「痛いと思うけど我慢してな」
「う”っ……」
そこへ消毒液を贅沢にかける。その刺激に耐えるように奏斗は目をつぶっていた。できるだけ刺激しないように処置をし包帯を巻けば瞬く間に手当が終わる。
「ありがとう」
「どういたしまして」
微妙な空気が流れる。何があったか聞くべきかそれとも何事も無かったようにいつもの雰囲気に戻すべきか。
悩んでいる間にどんどんと時間は過ぎていく。俺はまともに奏斗の顔を見れなかった。
「何があったか聞かないの?」
「…聞いてもいいなら」
沈黙を破ったのは奏斗だった。俺は迷いに迷ってそれだけ返すと奏斗は静かに話し始めた。
「裏切り者がいたんだ」
その言葉に俺の体は固まる。
「僕をいつも護衛してた2人だった。2人とも優秀だったから警戒が怠ってたのもあるけど視察に来た先で仕掛けて来るとは思っていなかった、僕の落ち度だ」
奏斗は俺が手当した腕を反対の手で撫でていた。
「皆初めは僕を慕ってくれる。最高のボスだってね。でもいつだって心の底では僕に怯えてるんだ。それが逃げに出るか殺害に出るかは人それぞれだが…」
俺は俯いたままだった顔を上げる。見上げた奏斗は俺をずっと見つめていた。
「お前も俺が怖いんだろ?」
「っ………!」
矢で射抜かれたような感覚に体の自由が無くなる。輝きを失った真っ黒な目に捉えられた俺の膝は小さく震えていた。
奏斗の傷ついた右腕が俺の方へ伸びてくる。その指先が胸に触れ首にかかるチェーンを避けながら喉仏へと這わされる。そのまま大きく開いた5本の指が俺の首を囲えばキリキリと血管が締まっていく。
「雲雀のこと大好きなんだ。僕のものになればいいのにって毎日考えてる。無理やりにでも閉じ込めてもいいかなって、でもそれじゃあ雲雀は僕のこと好きにならないでしょ?」
爪が皮膚に食い込む。気道が潰れ酸素が回らなくなった頭はどんどんと意識を手放していく。
「かっ…はぁっ!か、なとっ!…ひゅっ……!」
「ねぇ、怖がらないで。僕のこと好きになってよ。俺のものになるって、言えよ」
5本だった指が10本に増える。強く締め付けられる気道の隙間から必死に息を吸い俺の首に伸びる右腕にそっと手を重ねた。
「きず、広がっちゃう……」
包帯の白から滲む赤黒い血を止めようと必死に吸った息でそれだけを零す。力無く添えた手でその傷口をなぞれば首を絞める力が弱まり俺から離れていった。
「ほんと、雲雀って馬鹿だよね…」
先程までの勢いを失った奏斗の腕が力無く垂れ下がる。
そして開放された俺は何度か咳き込んで体を落ち着かせると奏斗の目を見て話し始める。
「俺はお前のもんじゃないしお前が望むようなものにもなれない。でも一緒にいると楽しいしこんな汚い商売もやっててよかったって思えるよ」
俺は奏斗の手を拾い上げカサついた小指に1つキスを落とした。
「…それどう言う意味か分かってる?」
奏斗の手に指を絡める。関節の大きさを確かめるように1本1本堪能しながら恋人のように愛おしく握りこんだらその手の甲を自分の頬に擦り付けた。
「貴方のペットにしてください、だろ?」
「ハハッ、最高だな、それ」
乾いた笑い声をあげた奏斗に冗談交じりで笑って見せれば熱い視線を俺に向けてくれた。
=====================
「全部脱いで」
言われた通り胸元のベルトやアクセサリーを外し服を脱いだ俺は奏斗に繋がれた首輪だけと言うなんとも情けない姿でベッドに座った。全てを脱ぐ間奏斗はずっと俺の事を見ていた。それが恥ずかしくて俺は濡れぼそった恥部を隠すように膝を擦り合わせる。
ゆっくりと近づいてくる奏斗が俺の胸に手をかける。優しく撫で付ける動きに甘い吐息が漏れた。その手が立ち上がった乳首に添えられる。爪先で軽く遊ばれると開発されきったそこは真っ赤に腫れ上がりジクジクと快感が体を蝕んでいく。
「ぅん♡…あっ、乳首きもちぃ♡ふぅ……、んい”っ♡」
優しい手つきにデレていると急に先端が摘まれ痛いくらいに引っ張られる。その衝撃に閉じていた足は開きつま先がピンと伸びて空をかいた。
「はぁ、きもちぃ♡もっと…♡もっとぉ♡」
俺は腫れた胸を押し付けるように奏斗に差し出す。しかしそれ以上奏斗は触ってこなかった。代わりに俺の腰を掴んで引き寄せた奏斗は俺を四つん這いにさせた。
「そんなに好きなら自分で触ってな」
そう言って俺の手を赤くなった乳首に添えさせた奏斗はずっと疼いて仕方ない後孔へ竿を埋めた。
「はぁ”っ♡んぅ…♡なか、あ、ついのぉ♡きてう……♡」
手で乳首を弄るのに必死な俺は腰だけを高く上げ奏斗の竿を受け入れる。硬くて太いそれがグリグリと前立腺を押し潰しながら奥の壁を突ついてくる。
「中あっつ、ふっ…」
「ん”ッ♡ん”ッ♡はぁっ…♡おっ♡…っ!そごっ♡ついて♡う”んッ!♡や、や”ばぁ、い♡んぉ”♡」
パンパン♡と乾いた音が段々と速くなる。そのリズムに合わせて俺の喉からは勝手に汚い喘ぎ声が溢れてくる。
「ふっ、雲雀きもちい?後からされるの好きだもんね?」
「うんっ!♡すき!♡うしろから、トン♡トン♡される、の”っ♡…きもぢっい”っ♡あ”っ♡すき♡すきぃ…♡かあと♡」
チャリ、と冷たい金属音が鳴る。
強く引かれた手綱が俺の首を絞めながらベッドから起き上がらされる。反った背中を奏斗の指がなぞると支えていた腕の力が無くなり体重が首に全て乗ってしまう。息ができない苦しさの中止まらない衝撃に目がぐるりと上を向いた。
「う”っ、ぐるしぃ♡か、ハッ……お”ぉ♡まっで…♡とまっ、て”ぇ……♡」
息苦しさに腕を奏斗の太腿に伸ばし指先でその逞しい筋肉を掻く。すると鎖が離される代わりに奏斗の手が伸びてきた。顎を支えるように回された手に前を向かされる。喘ぎ声の合間に息を吸えば真っ直ぐになった気道に冷たい空気が通って気持ちよかった。
「ひば、さっきすっごい中締まってたよ。苦しくなって感じちゃった?」
「ん”っ!ちがっ…♡かんじて、ない”っ、もんっ…♡ぁ”っ〜〜♡」
「嘘はダメだよ。悪い子には躾しなおさないとね♡」
奏斗は首に巻き付けた手を首輪ごと握り絞めつけてくる。
「あ”、っ…♡ぅぐっ、ごぇ、ごぇん、なさ…い”♡」
「苦しいねぇ?雲雀。このままイッちゃったらどうなっちゃうんだろうね?」
奏斗が厭らしく笑っているのが耳に伝わる声のトーンだけで分かる。奏斗に遊ばれている。そう分かっているのに体は気持ちいいことに素直で激しく動く奏斗の陰茎を離さないよう深く咥え込んだ。
「お”っお”っ…♡〜〜♡あ”がっ♡イグっ〜♡からだっ、おかじ、ぃ♡やっ…イ”グっぅ〜〜♡………っ!♡」
酸欠の頭に稲妻が走る。足先から頭の先までビリビリと駆け巡る電撃に目が回り視界が真っ暗になる。
空いた口から垂れる唾液をシーツが吸っていく。それをどうすることも出来ないままカクカクと動く体をベッドへと沈ませた。
倒れた拍子に奏斗の陰茎が抜ける。すっかり緩くなってしまったそこは自分では閉じることができなくなってしまっていた。
うつ伏せで寝そべる俺の上に奏斗がのしかかる。厚い胸板に背中が押され体がベッドに埋もれていく。そのまま奏斗の硬い竿がまた俺の中に入ってくる。
「っっ〜〜!?♡あ”っ、もっ、ゆるじで…♡♡あ”あ”〜っ♡もぉ”!いげない”っ♡お”ぁ…♡」
いやいやと首を振る俺を無視して奏斗はずんずん♡と腰を進めてくる。奏斗とベッドにプレスされた俺は身動きが取れないままその拷問を受け入れるしか無かった。
「はぁ、んっ、ココに出すから、受け止めてっ」
そう言って奏斗はベッドと俺の腹の間に手を入れ指先で奏斗の竿が小突く奥を押し込んでくる。外からの緩やかな刺激と中を穿つ衝撃に奥が緩んでいくのが分かる。
「う”ぅん”っ♡おぐっ…♡ごちゅごちゅ♡しないれぇっ!♡イッちゃっう♡あ”っ♡イッちゃうからっ!♡」
「いっ、くっ……!」
ぐぽっっと腹の奥が突き破られる音が鳴る。奥に入り込んだ奏斗の陰茎からびゅっ♡と熱い精液が流し込まれた。
「…お”ぁ!?♡……っい、ぎっ!あ”ぉ”〜〜〜♡」
ぷしゃぁぷしゃ♡と自分の陰茎から吹き出た潮が腹とシーツを濡らしていく。ガクガクと小刻みに震える体がシーツに爪を立て掻き乱した。
「また吹いちゃったんだ、すっかり女の子だね」
そう言いながら腹に添えた手を内側へ押し込んでくる。中と外からグリグリと圧迫される奥が気持ちよくて垂れ流すような潮をまた吹いてしまう。
ぼんやりと滲む視界の中奏斗がベッドから立ち上がりどこかへ歩いて行くのが見える。糸の切れた人形のように動かなくなった体はそれを横目で見ることしか出来ない。
「かあと…かあと…」
寂しくなって何度も名前を呼ぶ。僅かに動いた指先がシーツのシワをなぞっていたら視界が急に暗転した。
「な、なに…?なんもみえない…………うわぁ!」
真っ暗な視界が俺を不安にさせる。目を覆う何か柔らかいものがきゅっと音を立てて頭の後ろをキツく締め付けると体が引かれ脇腹から腕が回ってくる。
背中に感じる人肌の温度に胸元に添えられた大好きな手が奏斗だと教えてくれる。それに安堵していると耳に柔らかいものが触れた。
「僕の声聞こえる?」
「ふぅっ♡…うんっ♡」
ダイレクトに脳へ響くその声に熱い吐息が漏れる。ビクビクしながら返事をすると奏斗の手が俺の腹を撫でた。
「ンッ♡はぁ〜♡んぁっ♡」
その手がクルクルと円を描き臍の下辺りをグッと押す。それが快感だと教えこまえた体は後孔をヒクつかせてしまう。
「脚、広げて」
無意識に擦り合わせていた膝を指摘される。そこを広げれば後孔から生暖かくドロっとした液体が溢れた。視界が塞がれたせいでその液が皮膚を伝う感覚がはっきりと分かる。いつもなら気にならないそれが今は恥ずかしくて仕方なかった。
奏斗の手が上へと上がってくる。臍をなぞり湿った皮膚を軽く押しながら胸の辺りで止まった指先は乳輪へと伸びてきた。
「あっ♡はぁ…♡ふぅ、んっぅ♡ふぅ…♡」
綺麗に整えられた爪がカリカリ♡とそこを擽る。時折つねるように親指と人差し指で捏ねられると背中が丸まった。
予測できない不規則なその絶妙な動きに落ち着いていた疼きがまた高まってくる。
シーツを強く握りしめた手に奏斗の手が触れそのまま俺の口元へと導かれる。
「僕のだと思って舐めて」
唇に乗せられた自分の指を舌で口腔へと迎え入れる。奏斗より一回り細い指を何度も出し入れして唾液を絡めていく。乳輪を擽る弱すぎる快感にイライラする感情をぶつけるように夢中で指をしゃぶればじゅぷじゅぷという水音が頭に響いてくる。
「じゅっ♡じゅる♡はぁ〜〜っ♡んちゅ♡へぁ…♡じゅっ♡」
溢れる唾液を飲み込むことなく指に纏わりつかせれば次第に指はふやけていく。それを見兼ねた奏斗は俺の指をそこから引き抜きずっと疼いて蠢く後へと持っていった。
「入れて、僕の指が入ってるって想像して?」
言う通りに唾液で濡れる指をそこに押し込んだ。それを奏斗の指だと錯覚するそこがきゅっと嬉しそうに咥え込む自分が情けない。
「雲雀が大好きな前立腺、そうそこ。トントンって叩いたらもっともっとって膨らんでくる」
「ぅ……♡は、♡……ん、ふ♡♡………ん”、ん”ぁ〜♡」
奏斗の声に合わせて指が前立腺を叩く。それに合わせて奏斗の手も同じように俺の乳首を弾いた。
「浅い所もいっぱい擦ってグリグリって内側を押し込んで」
「は、ぁ”っ♡♡ぉ”♡ぃ〜〜!♡んッ…♡あ”ぁ♡」
弄られてじんじんと痛む乳首を指で押し込まれる。いつもなら擽ったいぐらいの刺激でも今は背中をしならせるほどの快感となって体を駆け巡る。
「指でぷっくり腫れた前立腺をぐいっ♡て挟んだら」
「んぃ”♡ぁ♡ぁあ”〜〜っ♡ぃ”っ♡や、っ♡♡」
指がいい所を押さえつけて離れない。奏斗の言葉で操られ高められる興奮に足先をきゅっと丸めた。すると硬く膨れた胸の先端を勢いよくぎゅっと潰された。
「びくって腰あげてイケ♡」
「ん”ぉお”っ!?♡ぁあ”〜〜っ♡」
胸と腹でじっくりと溜めた熱が奏斗の言葉で堰を切ったように溢れ出し腰が高く突き上がる。体から切り離されたようにカクカクと足が震える。
今まで感じたことの無いずーと一定に続く絶頂と真っ暗な視界に怖くなる。
「かなとっ!♡こ”わい”っ、!やっ、〜〜♡あぁ”♡」
後ろにいる奏斗に必死に手を伸ばしその胸に頭を擦り付ける。足がつかないような不安定な心を落ち着かせようと泣きじゃくれば頬に暖かい手が添えられ上を向かされる。
見えない不安の中唇に触れる柔らかい感触に肩の力が抜けていく。
「はぁ〜♡ちゅっ♡、んぅ、♡へ、〜っ♡んっ……♡」
「きもちぃね?雲雀♡」
涙で湿った布を解き明るくなった視界の先で不気味に笑う奏斗を見て頭がクラクラする。俺の汗を拭う手に自分から頬を擦り寄せれば奏斗はもっと喜んでくれる。
「うん……っ♡気持ちいい♡かなとぉ♡はぁ〜〜ッ♡だいすき♡」
飛び込んだ胸に抱きついていると奏斗に押し倒されて体がベッドに沈む。背中に擦れるシーツの感覚すらも気持ちよかった。
「はぁ、はぁ……かなと……」
仰向けになった俺は奏斗に両手を伸ばす。迷子のように空を掻く指先を奏斗は掴んで握りしめてくれる。その手を引き寄せ自分の首に繋がれる鎖を握らせた。
「もっと躾て♡俺を、奏斗のペットにして♡」
=====================
初めて奏斗と繋がった日からずっと何かが足りなかった。始めは奏斗を満たしてあげたい。俺を求める奏斗に答えてあげたい。対等な関係として、純粋な恋だったと思う。そのはずだったのに回数を重ねる事にそれだけでは収まらない体の疼きに何度も自称を重ねた。
愛し合っているのに、優しくしてくれてるのに何故か満足できない。俺の体はおかしくなってしまったのかもしれない。
お前が俺に怖くないのかと聞いてきた時嘘でも怖いと答えておけば良かったと今なら思う。そうすればこんな遠回りをしなくて済んだのに。
こんな俺の汚い願望に鋭く勘づいた奏斗はどんどん俺に厳しく当たるようになった。出会った時のような優しさは薄れお前が1番恐れている自分になろうとしている。それを喜んでしまう自分が醜くて仕方ない。
ねぇ奏斗。お前に服従したくなった俺を許してくれる?
もうお前を癒せるような昔の俺には戻れないかもしれないけれど代わりにこの体を全部あげるから
お前が望むようにぐちゃぐちゃにして壊して。
「あ”っ♡かなと”っ♡かなと”っ!すきっ♡すきっ〜♡もっとぉ”っおぐ♡♡ぉ”、いぃ”〜!♡」
俺が甲高い声で叫ぶ程奏斗は満足気に微笑んでくれる。涙で滲む視界の奥で捉えたその表情に後ろを締め付ければ腰に添えられた手に力が入るのが分かる。
「ずっとイってるね、ここ虐められるのそんなに好き?」
「すきっ♡トントン♡きもちぃ、の”ぉっ!♡あっ♡もっと♡いじめてっ〜〜♡」
奏斗の精液で滑りが良くなった後孔がピストンされる度に痙攣して奏斗の陰茎を搾り取るように蠢く。
すると奏斗は深く息を吐いて額に青筋を作った。
「はっあ”♡あっ♡あっ♡〜〜んッ…♡ちゅっ♡はぁ…んぅ♡ぢゅ…♡」
だらしなく空いた口に奏斗の舌が入り込んでくる。生暖かく飲み込まれるようなキスの合間に舌を甘噛みされると頭がピリピリして力が抜ける。喘ぎ声が全て奏斗の口に吸い取られ息ができない。苦しさにどうすることも出来ないまま奏斗の肩に手を添えると長い舌が俺の口から離れる。
「はぁーーーっ♡んッ…♡ふっ、ん♡はぁ〜〜♡」
「苦しかった?」
その言葉に頭を縦に振る。
「そっか、でも雲雀は苦しい方がいいんだもんね♡」
そう言って奏斗は俺の首に手をかけた。
「10秒数えてあげる」
「んッ、ぐっ!、」
そしてグッと首が圧迫され気道が隙間なく押し潰される。
「じゅう、きゅー、はーち」
奏斗が数を数え始める。そのカウントが進むほど体は酸素を求めてもがきだす。しかしその動きは奏斗が押し付ける腰によってピクピクと揺れるだけだった。
「なな、ろーく、ごー」
頭が急激に冷えていく。息を吸おうと開けた口ははくはくと開閉するだけで何も得られなかった。
「よん、さーん」
首に纏わりつく指を剥がそうと手がそこを掻きむしる。しかしビクともしない奏斗の指に目から涙が零れた。同時にグリグリと乱暴に抉られる奥が気持ちよくて頭が馬鹿になる。
「にー、いち」
もう力が入らない。耳元で囁かれる声を聞きながらぼーとする頭では奏斗の事ばかり考えていた。
苦しい、気持ちいい、奏斗、すき。もっと、もっと虐めて。俺を見て。奏斗、奏斗奏斗奏斗奏斗♡
「ぜろ♡」
「ッ〜〜〜〜!?♡♡??”♡はぁーーーーっ♡♡あ”っ、?♡……い”っ!♡おお”!♡」
血液が頭を巡る感覚がまるで絶頂を迎えたような痺れに似ていて俺の体は誤作動を起こす。ぷしゃ♡と今日何度目かの潮を撒けば奏斗は嬉しそうに俺の頭を撫でた。
「あはっ、壊れちゃった。でもまだ寝るなよ」
「あぅ♡ふっ…♡うっん…♡や”っ♡しぬ”っ、ああぁ”♡おかじぐなう”♡ぉっ……♡おぉ”♡」
ごちゅっ♡♡ごつ、ごっちゅ♡
もうイきたくないのに打ち付けられる度に体は喜んで奏斗を迎え入れる。勝手にうねる中は奏斗の精液を搾り取ろうとしている。
あぁ、もう全部気持ちいい。
浅い所を擦りながら奥を突かれる感覚も、鎖を引かれる度に首を絞める首輪も、穢れた俺を見下す視線も。全てが奏斗から与えられてると思うと胸が熱くなる。これが俺が求めていた愛なのかも。
「あぁ”っ♡♡かなと♡かなと”♡すき、すき♡♡あいして”!かな”と♡いく、♡イグっ……♡♡」
イかされ続けて何も出なくなった俺の陰茎の代わりに中で絶頂を繰り返す。酸欠と涙でぼやける視界の中で深い青色だけがはっきりと見える。そこへ手を伸ばすと力強く握り返されその指先に優しくキスを落とされる。
「雲雀、もうちょとだけ付き合って」
繋いだ手がシーツへと押し付けられ自由が利かなくなる。しかし再び始まる奏斗の動きはゆっくりで優しかった。
ぱちゅぱちゅと響く水音に自分の喘ぎが合わさり体が熱くなる。
「んんっ♡♡はぁ……♡あッ♡かなと、すき♡…ッね、いっしょ♡んっ♡いこぉ……♡」
奏斗の汗が俺の胸に落ちてくる。必死に俺を求める姿が愛おしかった。
俺の言葉に反応した奏斗は少し動きを速める。前立腺をなぞりながらゆっくり抜かれ後ろがきゅぅっと締め付ける。それを突き破るように一気に挿入されれば奥がコツンと揺さぶられ力んだ体が奏斗の手に爪を立てる。
「ああ”ッ!♡かぁと!♡かぁと…っ♡すき、すきぃ…っ♡いく、イっちゃうッ……♡♡」
「はぁ、ふっ、雲雀……、いく…ッ」
中で注がれる熱い液体に腹が焼けていく。ドクドクと俺の中で脈打つ竿を締め付けながら快感に打ち震え後を引く絶頂に耐えられなくなった俺はこと切れるようにそのまま深い眠についた。
=====================
やっと手に入った。
達成感に血が沸騰し体を巡っていくのを感じる。何度も吐き出した後孔からちゅぽ♡と可愛い音を立てながら陰茎を抜くと白濁した粘液がそこから溢れる。それを零さないように指ですくい取り中へ押し込む。そのままぐちゅぐちゅと指を進めて内壁を撫でてやると雲雀は腰をびくっと跳ねさせた。
「んぅ……♡ふぅ〜……♡んぉっ、♡♡」
寝ていても快感を拾う優秀な体を褒めるよう腹側に指を曲げてやれば少量だがぴゅ♡と可愛らしく陰茎から透明な潮を吹いた。
「あ〜可愛い」
汗をかいて張り付く前髪を避けて額にキスを落とす。
初めから最後まで着けていた首輪を外してあげるとレザーが擦れて出来た傷と絞めた時に付いた手形が痣となってくっきりと痕を残していた。
可哀想。
カチャと歯車を回してチェストから取り出したライターに火をつける。その灯りに雲雀が巻いてくれた煙草を近づけて深く息を吸うと先端が赤く光って煙をあげた。その先端をちぎれそうな程赤く変色した雲雀の首に押し当てる。
「い”っ〜〜!」
じゅっと肉が焦げる音と共に火が消えた煙草を灰皿に捨てる。顔を歪めて脂汗をかきながら痛みに耐える雲雀の頬を優しく撫でた。そして煙草の焼け跡がついたそこへ唇を寄せて吸い付く。
血の味と焦げた匂いが口に広がる。それが飴玉のように甘くて舌先で何度もそこを抉るように舐めとった。
「いっぱい躾てあげるからね」
綺麗な瞳を隠す瞼を撫でてその顔を堪能する。
「愛してるよ、雲雀」
=====================
「ねぇ、行かないで。ずっとここに居てよ」
涙声で話す俺の頭を彼は小さな手で撫でる。
「ごめんな、俺もう帰らなきゃなんだ」
そう言って彼は舞い降りた屋敷の窓に足をかけ僕の元から立ち去ろとする。その背中に僕は急いで抱きついた。
「また会える?」
「もちろん、すぐ会えるよ」
「じゃあその時は…」
名残惜しく離した手を握り締める。逆光を浴びた少年は天使の羽ようにふわりと舞って消えていった。彼の残り香を取りこぼさないよう胸いっぱいに息を吸う。そして1人になってしまった部屋で僕は決意を固めるように呟く。
「絶対、逃がさないから」
*
マフィアになんてなりたくなかった。父に媚びへつらう輩を見て芽生えた嫌悪感は物心が着いたのと同時だったと思う。しかし突如僕の部屋に舞い降りた天使に僕は救われた。
お日様のような笑顔で僕と子供がするような遊びをしてくれたあの瞬間は僕にとって初めてのマフィアとしてでは無い子供としての喜びを感じた瞬間だった。
そんな至極の時間を教えてくれたあの子が欲しくて堪らない。また会いたい。あの子の為ならなんだって出来る。毎日課される辛い訓練も全てがあの子ともう一度出会う為なら苦しくも何ともなかった。
そうやって薄れていく幼少期の記憶の中あの子だけがくっきりと浮き立ちその存在に僕は執着するようになった。
座学の時間。父が大量に保管する書庫から生き物に関する本を何冊も読んだ。誕生から構造、心の作りまで。熱心に勉強する僕に父は誇らしげだった。
僕にマフィアのあとを継がせようとする父とはあまり話したくなかったがこの時だけはどうしても父から教わりたいことがあった。だから僕は紙とペンを持って父の書斎に足を運んだ。
「奏斗、そんな所に立てってどうしたんだ?」
父は優しい。僕の姿を見た瞬間に手からペンを離し俺の方を向いてくれた。
「……父さん、」
久しぶりに自分から話しかけた声は思いの外はっきりとしていて震えてはなかった。
そして大きく吸った息を吐き出し僕が今1番知りたいことを父に聞いた。
「人もペットに出来る?」
終わり
<余談>
マフィアが行う小指(小指の指輪)へのキスはボスへの忠誠や服従、犠牲を意味します。しかしマフィアでない場合は相手を守りたいやずっと一緒など愛情や敬意を示します。
今回雲雀に小指へのキスをさせたのは奏斗にとって服従の意味を込めましたがキスした雲雀は守りたいの意味を込めてしたものであり友情関係から始まったものにマフィアは関係ないから冗談としてペットだろ?と言わせたつもりです。
しかし結局は雲雀も従いたくなったというのがオチです。
2人の会話だけで伝えきれる気がしなかったのでここであとがきとして残します。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
コメント
1件
わあっ…エリーさん、こ、これ…すっごい熱量の作品だったよ…!😳💦 雲雀が最初は飄々としてたのに、どんどん奏斗に絡め取られて、自分の意志で従う道を選んでいく感じ、エモすぎて胸がきゅーってなった…💔 特に小指にキスするところ、あれが“ペットにして”って意味になるって後書きで知って、ああここでそう来たか!って震えた…。奏斗の執着も狂気じみてて、でもその裏にある幼い頃のトラウマとか“天使”への想いが切なくて…もう感情が追いつかないよ…😭 続き、奏斗が雲雀をどう“躾けて”いくのかすごく気になる…。