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「も……挿れ……て」
百子が掠れた声で、情欲に潤んだ瞳で訴える。腰をいくら跳ねさせようが嬌声を喉から迸らせようが、一向に甘い疼きはどこかに行ってくれないのだ。自分の欠けている所を陽翔に埋めて欲しい思いだけが百子の身体を、脳を支配していた。
「百子? 何を挿れて欲しい?」
だから陽翔の悪魔のような質問にも、百子はするすると答えてしまう。そこまで百子は陽翔に甘く追い詰められていた。
「東雲、くんの……が、欲しい」
そう言って百子は手を伸ばし、彼の熱杭へと触れさせようと、疼く身体を奮い立たせて起き上がる。そっと彼の昂りを撫でた百子だったが、陽翔に再び抱きしめられて押し倒された。
「そんなに俺のが欲しいのか。まだ慣らしてないから、まずは指で解そうな」
陽翔は百子が見せた仕草と、そこまで言うとは思わずに驚いていたが、潤んだ瞳で見つめる百子の唇を食みながら、彼女の秘花に小さな水音をさせて指をするりと入れ、彼女の好きな入り口付近のざらりとした所に触れて抽送を始めた。
「あっ……そこ……気持ち、い……!」
唇を離すと百子の甘い声が陽翔の耳を叩き、先程よりも彼女の腰が揺れる。少しだけ指の出し入れを速くすると、水音が大きくなって百子の体が跳ねた。彼女の反応が可愛らしいと思った陽翔は指の数を二本に増やし、さらに責め立てる。襞が指を包み込み、時折蠢くので百子の反応が分かりやすい。なので襞がさらに陽翔の指に纏わりついたタイミングを見計らい、彼は再び百子の花芽に唇を寄せる。
「っ……きゃあああっ!」
突如彼の舌に触れられた花芽から白い稲妻がもたらされ、百子は陸に揚がった魚のように身体を断続的に跳ねさせて白い喉をそらせる。それでも陽翔は舌を、指を動かすのを止めない。複雑にうねる襞は百子が喜んでいる証拠だからだ。
「し、のの、め、くん! イッ、てる! からぁ!」
「そうか、それならもっとイかせてやる」
百子の掠れた声に彼は指を三本に増やして応える。百子は幾度となく白い稲妻に打たれ、奔流に勢い良く煽られ、体を包む浮遊感にひたすら体を震わせていた。
(気持ちいい……)
陽翔が手を握ってくれているがそれも頼りなく感じられる頃には、陽翔のキスが唇に降ってきた。頭がふわふわとして、荒く息を吐いているだけの百子を陽翔は抱き締め、僅かに震える舌を絡ませて彼女の頭を撫でた。
「も……う。しの、のめ、くん、の、いじ、わる……」
その拗ねるような声ですら、甘い吐息となって陽翔の耳朶をくすぐった。自分の手で百子の体を解して開き、その結果ぐったりとしている様子を見ると、筆舌しがたい喜びが心の底から湧き上がってくるのだ。
「すまん……ちょっとやりすぎたか?」
陽翔は指を名残惜しそうに水音を立てながら百子から引き抜き、手のひらに蜜が垂れているのに気づいてそう告げる。
「……ううん……きも、ち、よ、かった……」
百子はふにゃりと笑顔を浮かべ、陽翔の頭を引き寄せて、彼の唇をついばむように何度も食む。彼女から感謝をそのままぶつけられ、陽翔は心臓が甘く締め付けられる心地がして彼女の柔らかくしっとりした感触を味わった。
「そうか。それじゃあ一緒に気持ちよくなろうな」
そう言って陽翔は自身の熱杭を百子の腹に押し当てた。何かを破る音が小さく聞こえたかと思うと、陽翔は素早く避妊具を装着していたのだった。眼鏡は外されており、陽翔の情欲の炎が灯る裸眼が直接百子を射抜く。
「うん……来て」
そう言って百子が両手を陽翔の方に伸ばしたので、彼はぐったりとした百子を抱き上げて膝に座らせると、彼女の蜜口にピタリと猛りの先端を触れさせる。彼女の蜜口を先端で弄うと、百子は早く陽翔の昂りを迎え入れたかったのか、そのまま腰を落として根本まで一気に蜜壺に飲み込ませた。
「ああああっ!」
「……っ! ぐっ! はあーっ……はあーっ」
高く甘い嬌声と、低く抑えたような呻き声が部屋を引っ掻いてやがて溶けていく。陽翔はまさか彼女が自分から熱杭を受け入れるとは思わず、彼の疼きは一気に高みに登り詰めようとした。それを阻止するべく荒く息を吐き、百子にしがみついた。彼が荒い息を吐くのを止めなかったので、百子は苦しそうに眉間にしわを寄せている陽翔の頬にそっと触れる。
「大丈夫……? 苦しい?」
「いや、違う……。単に……百子のナカが良すぎてすぐにイきそうになっただけだ」
百子はさっと紅潮させていたが、気を遣うようにぼそぼそとつぶやく。
「別にイっていいのに」
しかし陽翔は百子の発言が気に食わなかったようでムッとして反論した。
「そんなことしたら百子のナカにいれなくなるだろうが。それに、俺は百子と一緒に気持ちよくなりたいのに、俺が先にイったら意味無えよ。何か負けた気もするしな」
そして百子が何か言いたそうにしている口を彼は唇で塞いだ。舌を絡めると百子の襞も蠢いて熱杭に絡みつくので、陽翔は百子の腰を抱き寄せる。彼女のしっとりした柔らかい肌が陽翔に収まり、肌がこすれるのが心地よい。極限まで百子と密着できるこの時間が、陽翔は一番好きなのだ。
(ああ……私……ナカが東雲くんの形に馴染んでる)
体の力が抜けた百子は、ぐったりと陽翔の肩に頭を預け、自分を貫いている陽翔の熱杭に意識を向けた。すると襞が動いたようで陽翔が小さく声を上げたので、百子は下腹に少しだけ力を入れた。
「くっ! こら、締めんな」
百子が陽翔の反応を伺っていたずらしたのがどうやらバレたらしい。だが百子は首を傾げて知らないふりを突き通す。
「え? 何もしてないよ?」
そう言いながら再び百子は、先程よりも強く下腹に力を入れた。正確には下腹とお尻を引き締めただけなのだが、陽翔の体が跳ね、心なしか彼の熱杭が膨張したような感覚を得た。百子はそんな様子を見せる彼が愛しく思えて、彼の頭をそっと撫でる。
「もう止まらねえぞ。覚悟しろ」
陽翔の頭の中で何かがプツンと切れた。陽翔は百子と向かい合ったまま腰を動かして執拗に彼女の少しだけ固い子宮の入り口を攻め立てる。
「ひっ……! あああああっ! おく……!」
百子は真っ白な浮遊感に何度も襲われながらも、陽翔にしがみつく腕は絶対に離さない。
「んんっ! ああっ! しの、のめ、く……」
「陽翔だ」
陽翔は何故百子が自分を名字で呼ぶのかがよく分からず、苛立ちを声に滲ませる。先週はベッドの上で呼んでくれたので有頂天になっていたものの、また名字呼びに戻ってしまい、ずっと心にもやもやを抱えていたのだ。しかもその理由を尋ねても、顔を赤くされてはぐらかされるだけである。
「……はる、と……」
しかし百子がその瞳に怯えを混ぜて陽翔の名前を呼んだので、彼はしまったと思い彼女をきつく抱き締めた。その時に百子の襞が熱杭を締め上げたので低く呻く。
「すまん……別に怒ってないから……でもこれからは名前で呼んでくれ。それとも呼べない理由があるのか」
百子は言葉を詰まらせてしまったが、しょげきった陽翔の声を聞いて黙っていることはできなくて渋々白状した。
「……恥ずかしくて。だって……最初に陽翔って呼んだ時はベッドで体を繋いでた時だったじゃない。だから……陽翔って呼ぶとその時を思い出しちゃって……」
(そうか……恥ずかしかっただけなのか)
陽翔は大きく息を吐いた。それなら確かに百子が恥ずかしい気持ちが理解できる。それと同時に彼女が名前を呼ぶだけで恥ずかしくなるのが何だか可愛らしく思えて、陽翔は百子の顔を引き寄せて口付けた。
「てっきり俺の名前を呼ぶのが嫌なのかとばかり……変な勘違いしてすまん」
百子はぶんぶんと首を振った。
「嫌な訳……ないじゃない。だって……私も……私も陽翔が好きだから」