呪術廻戦禪院真希 様の夢小説
⚠自己満夢小説
⚠暗め
⚠恋愛ではない
⚠呪術廻戦17巻ネタバレ
⚠終始真希side
⚠脳死状態で書いています
⚠雰囲気重視
それでも良い方だけお進み下さい👓
「こんにちは」
にこりと柔らかく微笑む女性。
私と真依、所謂”落ちこぼれ”に
自分から話しかけてくる家の人なんていないと、
半ば諦めていた私達の元に現れた救世主。
彼女は禪院千鶴。
禪院家当主禪院直毘人の実娘であり、
禪院家の”汚点”、落ちこぼれであり、
私達の救世主だった。
彼女には術式が無かった。
ただでさえ
「禪院家にあらずんば呪術師にあらず
呪術師にあらずんば人にあらず」
なんていう風習が未だにある禪院家では、
当たり前のようにコキを使われる立場。
そんな中、彼女は女中として働くのではなく、
呪術師を志した。
もちろん家の人間には嘲笑われ、
彼女の弟の直哉には特に暴力も受けていた。
それでも彼女は諦めず、地道にコツコツ鍛練を積んだ。
そして彼女は、高専卒業後すぐに
一級呪術師へと成り上がったのだ。
「私達に話しかけて良いの?」
「怒られちゃうよ?」
そう当時の私達は声をかけてきた彼女に返した。
彼女は眉を下げて「大丈夫よ」と笑う。
そんな彼女に私達はすぐに懐き、慕った。
彼女は毎日のように私達の部屋に会いに来た。
ある日はお手玉を、ある日はおはじきを、
色々な玩具を手に構ってくれていた。
そして数年後、彼女は禪院家を追放された。
「最近千鶴さん見ねぇな」
「えぇ、どうしてるのかしら」
「あの溝鼠なら家から追い出されたで。
今頃そこら辺で野垂れ死にしてるんとちゃう?」
そう笑う屑男に殴りかかりそうになったのを、
真依に抑えられたのが中学一年の冬。
その日に家の周辺を探し回ったが、
彼女は見つからなかった。
三年後、私が東京の、 真依が京都の高専に入学した。
その初日、彼女と再会した。
「千鶴さん!?」
「真希!」
担任のバカ目隠しと同じ上着を着た彼女は、
家にいる時より幾分もキラキラしていた。
「そう、真依は京都に。二人共立派になったのね」
「千鶴さんのおかげですよ」
「またまたぁ 笑」
いつか私が禪院家の当主になって、屑共を見返す。
そして千鶴さんがもっと生きやすい家にして、
また彼女が帰って来られるように。
「……は?」
「やから、彼奴は死んだって。耳悪いんか?」
そして私が高専二年生に上がった頃、
彼女は死んだ。
否、”殺された”。
禪院家を追い出され、死に損なった彼女は、
禪院家の呪霊溜りに放り込まれ、其の儘───
「別に親や兄弟達を見返したいわけじゃないの」
昔、子供だった私達が放った素直な疑問に、
彼女は儚げな表情で語った。
「でも、禪院家では私は認められない。
男を立てられない女なんて存在してはいけない」
「それを覆したかった。
私は存在してもいいって、証明したかったの」
「真希、真依、貴方達は───」
「始めるよ、真依」
「貴方達は、私の救世主よ」
原作 150話 葦を啣むへ続く