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2話目!いくよー!!
第二話:影の中で踊る刃
「今宵お届けするのは、特別な物語だ。」
マスターが映写機の準備を進めながら、静かな声で語り始める。
「3人の勇敢な人生…だが、無惨な運命に彩られたその物語を覗き見ることで、あなた自身が問いを見つけるかもしれない。」
彼の手が映写機を静かに動かし始めると、スクリーンが柔らかな光を放ち、やがてその中に影が浮かび上がる。
始まりは夜の廃工場。重々しい鉄骨と錆びついた機械が並ぶその場所で、3つの影が静かに動きだす。
影の先頭に立つのはナチス。
彼の目は冷静で鋭く、状況を一瞬で分析する。
「配置を確認しろ。目標はもうすぐ出口を封鎖するだろう。」
低い声が静まり返る廃工場に響く。
その指示は簡潔で明瞭だが、彼の言葉には命令権を持つ者としての重みがあった。
日帝は無言でその場を離れ、影の中に滑り込む。
彼の日本刀が月光を受けて幽かに輝いていた。
動きは驚くほど静かで、その姿はまるで夜の一部そのもののようだ。
彼は敵の背後に忍び寄り、無駄のない一振りで仕留める。
その刃が描く軌跡は、暗闇の中で流れるような光を放つ。
一方、イタ王は軽快な足取りで廃工場の高所へと躍り上がる。
「ioの出番だね!」
軽快な声が響く中、彼はリボルバーを指の間でくるくると回して見せる。
彼が引き金を引くと、一発の弾丸が静寂を裂き、正確に標的に命中する。
「おっと、命中だよ!これでioはまたヒーローだねぇ!」
冗談交じりの声が響き渡り、場の緊張を打ち消すような陽気さを漂わせる。
敵が動きを察知し始め、銃声と叫び声が廃工場内に響き渡る。
だが、3人はまったく動じない。
ナチスが冷徹に状況を指示する。
「次だ、角を制圧しろ。騒ぎを外に漏れさせるな。」
「了解。」
日帝が短く答え、鋭い動きで次のターゲットへと向かう。
敵が銃口を向ける間もなく、日本刀が空を切り裂き、一瞬でその場を沈黙させた。
イタ王は手すりに腰掛け、遠くから標的を見下ろしながらニヤリと笑う。
「ほらほら、ioが見てるよ~。隠れても無駄だって!」
そして軽やかにリボルバーを構え、再び一発を放つ。
ターゲットは逃げ場を失い、倒れ込む。
最後にナチスが冷静に仕留める。
「終わりだ。」
彼のピストルが最後の標的を確実に撃ち抜く音が、廃工場内に響き渡る。
そして静寂が訪れた。
3人は任務を終え、朽ちた建物の隠れ家へと戻る。
ランプの薄暗い光が揺れ、疲労と達成感が微妙に入り混じった空気が漂う。
ナチスが冷静に口を開く。
「次の任務に備える必要がある。無駄を省け。」
その言葉に、日帝は無言で刀の手入れを始める。
イタ王は壁にもたれ、陽気な笑顔を浮かべながら軽快に言う。
「ほら、リーダー!ioは疲れてないけど、ちょっとは楽しみたいよね?」
ナチスは冷たい視線を向ける。
「ふざけるな。俺たちにはやるべきことがある。」
「はいはい。」
イタ王は肩をすくめて笑い、リボルバーを再び回しながら続ける。
「でもさ、ioだって復讐のためにやってるってこと、忘れないでよ。」
今まで口を閉じていた日帝が静かに呟く。
「俺たちは皆、理由がある。それだけだ。」
その言葉に、部屋の空気が一瞬重くなる。
ナチスが低い声で締めくくる。
「だからこそ、次への準備が必要だ。」
「”この3人で”だ。必ず復讐をやりとげてやる」
3人はそれぞれの思いを胸に秘め、次なる任務のために立ち上がる。
その影が夜の闇へと溶け込む中、隠れ家のランプがかすかに揺れたのだった。