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嘘だ…これは全部俺の夢の中の出来事で……。
そうであって欲しかったのに、目の前に広がる光景は嫌でも現実を見せてくる。
深緑の木々が生い茂っていたはずのこの森は、眩しいくらい明るくて真っ赤な炎に一瞬で包まれた。
早くこの場から逃げようと、冷たい地面に倒れ込む親友の元へと駆け寄った。
けれどいくら名前を呼んでも体を揺すっても反応してくれない。ただ浅い呼吸を繰り返しているだけ。
炎で熱く感じるはずなのに彼の体温は下がっていく。
…ああ。こいつをここに置いていくくらいなら、いっその事俺もここで終わってしまおうか。
そう思った時、親友の口が小さく動いた。
息絶え絶えになった彼から紡がれた最後の言葉、
「 」