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すず「……あの、ねぇ……」
(勇気を出して隣の席の子に話しかける。けれど、その子は何も聞こえないかのように顔をそむけた)
すず「……え?」
(後ろの子にプリントを渡そうとする)
すず「これ……次の人に回して……」
(相手は無言で机に視線を落としたまま。プリントは残される)
クラス中がざわついているのに――誰一人、すずにもすみれにも目を合わせない。まるで二人だけが
「存在しない」かのようだった
すみれ「……無視、されてる」
すず「っ……」
(唇を噛みしめて、俯く)
(休み時間。机を囲んで笑い合う輪の中に、すずとすみれの席だけがぽっかり空いている。誰も近づこうとしない)
すず「声をかけても、返事がない……。笑っても、目を逸らされる……。……私たち、ほんとにいないものにされてる…」
隣ですみれは表情を変えずにノートを開き、ペンを走らせていた。だが、その手が小さく震えているのをすずは見た
すず「……すみれちゃん……」
すみれ「でも私はずっとすずちゃんの味方だよ…!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー放課後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後。昇降口を出ても、誰も二人に声をかけることはなかった。
ざわざわとした笑い声の中で、すずとすみれだけが静かに並んで歩いていく
すず「……今日も、誰も目を合わせてくれなかったっ……」
(俯いて、足元を見つめながら声を漏らす)
すず「声を出したって、返ってこない……。笑っても、誰も見てくれない……。……本当に、あたし、いないみたいだよ」
(堪えきれず、ぽろりと涙がこぼれた)
(すみれは一瞬言葉を失い、でもゆっくり歩調を合わせる)
すみれ「……大丈夫だよっ。すずちゃん。私はここにいる」
(そう言って、自分の胸に手を当てる)
すみれ「ここに、ちゃんといる。私が見てるんだから」
すず「……っ……」
(その言葉に、胸の奥が熱くなって、涙が止まらなくなる)
すず「……すみれちゃんまで無視されてるのに……どうして、そんなに……優しいこと言えるの……?」
(すみれは少し笑った。けれど、その笑みはどこか痛々しかった)
すみれ「……たぶんね、私も……すずちゃんがいなきゃ耐えられないからだと思う」
(その声は小さく震えていて、まるで告白のように切実だった)
すず「……じゃあ……あたしと同じ、だね」
(涙で濡れた頬に、ようやく小さな笑みが浮かぶ)
すれ違う生徒たちは二人を見ようともしない。
けれど、世界に背を向けられても――二人だけの間には、確かに繋がるものがあった