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さいっっ悪だ。
乱歩さんの推理で犯人を見つけ、捕獲したと思えば偽犯人だと?加えて一番壊れやすいタイプの国木田を惜しげなく壊しやがった。
鏡花ちゃんに救出してもらった谷崎くんは重症だし、敦少年は国木田くんほどではないにしろダメージを受けている。
「…あーあ。マフィアとの交渉材料は潰えたか。手札を手に入れたとしてもマフィアに狙われる身じゃうまく動けない。詰んだね。」
トラックの中がしんと静まる。やべ、現実を伝えすぎた。
このままではお互いのトップの首取り合戦が始まってしまう。そうなればヨコハマは目に見えて壊滅するだろう。
あの時のフェージャの言葉、両組織のトップが争うのではなくその部下が争う形で全面戦争という意味だったのか…。ちょっと考えればわかる。首のない組織は脆い。脆い故、自己防御のため攻撃的になるのだ。
ちゃんと考えれば未然に防げたのにそれができなかった自分に苛立つ。
せめて犯人がわかればな…異能犯罪者って治は言ってたけどそんな情報、仮にも一般人である探偵社がわかるはずが無い。権力を持つ、巡査長クラスの警察でもないと…
ん?警察?権力を持つ?
頭の中で何かが光る。解決に大進歩しそうな何かが。警察…権力…けんりょく…けん、りょく…りょうけん…猟犬!
「あああああああああああ!!!!!!!!!!!ららららら乱歩さん!ちょ、私すごいこと思いついたので行ってきます!!!」
軍警、猟犬部隊なら、異能犯罪者リストを持っているはず!トラックを飛び出し異能で軍警本部までひとっ飛びで向かう。
待っててね!社長!
乱歩side
「えええええ…行ってしまいましたよ…羅紫さん…」
「大丈夫だ。それに僕たちがついていけばきっと彼らとの交渉は難しい。」
「そ、そうですか…」
羅紫は多分だけど軍警へ行ったのだろう。いつの間に軍警と関わりを持っていたんだ…取り敢えずそこで異能犯罪者リストをもらうのだろうが、僕たちには時間が残されていない。社長のためにも、社員のためにも、マフィアとぶつかるしか無いのだ。そんなところで羅紫を失ったのは大きいが、それが戦いをやめる理由にはならない。
社長はマフィアとは争うなと言っていたが僕たちだって社長を守りたいんだ。それは羅紫だって同じ。
「僕たちは僕たちが今出来ることを全力でやる。作戦を立てるよ!」
『はい!!!!』
…羅紫の交渉が上手くいくといいけど。
羅紫side
「さいぎくー!てっちょさーん!てるこさーん!!!」
「あの声は…羅紫さん?」
やっとのことで軍警に着き、思いっきり名前を叫ぶと採菊が一番乗りで出てきた。
「あ、採菊。えっとね、お願いがあるんだけど…」
かくかくしかじか…
「……異能犯罪者リストですか…」
今まで会ったことを一通り伝え、その上でリストが欲しいと頼むと難しい顔をされた。なんか機密情報っぽいし探偵社員とはいえ一般人。軽々と渡すわけには行かないのだろう。
「ほお。異能犯罪者リストか。話は聞かせてもらったぞ?羅紫。」
「あ、輝子さん。聞いていたのなら話は早いです。どうか、リストをくれませんか!?」
首がもげる勢いで思いっきり頭を下げる。然し二人は黙って動かない。不穏な空気が流れ始めたがそれを破ったのは採菊だった。
「……なら交換条件です。」
「!はい!何でもどうぞ!!」
「羅紫さん。貴方の1日をもらいますね。」
「はい!……え?」
ん?私の1日…?それだけで良いのか…?なんかもっと、拷問だとか、雑用だとかだと思ったんだけど…
「おや?不満ですか?なら是非猟犬流拷問体験でもい「いやいや!むしろありがとうございます!?」…はぁ。」
拷問なんてまっぴらごめん。痛いのは嫌いだ。…する側ならちょっと魅力的に感じるけども。
そんなことを考えているといつの間に取ってきたのやら、採菊の手には異能犯罪者一覧、と書かれたファイルがあった。
「約束のものです。コピーは取ってあるのでそちらの社で使って頂いても構いません。」
「ええ?!良いんですか…採菊神…好き…愛してる…」
「………(え?好き?愛してる?羅紫さんが?私を?)…私もでs「じゃあ有難うございました!!採菊はまたれんらくしますね!!」
急いで乱歩さんたちの元へ向かわないと…!
またもや異能で吹っ飛ばして拠点まで戻っていく。まってて、社長!!
「…………どんまいじゃ。条野。」
「…………………………(泣)」