テラーノベル
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※この作品はフィクションです。実際の人物・団体出来事・場所などには一切関係ありません
※以下の内容が含まれます
・ひよジュン
・凪茨
・モブ
・(一応)ニューフェイス
※あまりストーリーを読めていないので、解釈違いが起きる事が予想されます
それでも大丈夫な方はgo!
期間限定のいちごフェアで賑わう店内。
だが奥の席は少しだけ人目が少なくて、お忍びにはうってつけだ。
「……急にどうしたんっすか?おひいさんがこういう所行きたいって言うなんて珍しいっすね?」
「ジュンくんはいちごがだ~いすきだからね!頑張ってるジュンくんへのご褒美だね!」
そう言って、日和が楽しそうに笑う。
運ばれてきたいちごパフェは、これでもかってくらい赤くて甘そうで。
ジュンの視線がほんの少しだけ釘付けになる。
「……まぁ、悪くないですねぇ」
「素直じゃないね。ほら、こっちを向くといいね」
日和がスプーンですくったいちごを、そのまま差し出す。
「……は? 何してるんですか」
「“あーん”だね!恋人同士なら普通だね!」
「……普通じゃないですよねぇ、こういう場所でやるのは」
そう言いながらも、少しだけ周りを気にして――
結局、観念したように口を開ける。
「……っ、甘……」
「ふふ、だろうね!」
ほんの少しだけ、耳が赤い。
――そのまま、日和が満足そうにスプーンを置いて。
「このぼくが食べさせてあげたんだから、ジュンくんもぼくにあーんするべきだね!」
「……はい?ここでっすかぁ?」
「そう言ってるね!早くあーんするね!」
「はぁ……今回だけですよぉ……」
ため息をつきながらも、パフェにスプーンを入れて。
少しだけ手元が慎重になる。
(……なんでオレ が緊張してるんですかねぇ)
そう思いながら、差し出す。
「……ほら」
ぱくっと嬉しそうにそれを食べる日和 。
「うんうん!美味しいね!良い日和!」
「……あんた、ほんと楽しそうっすねぇ」
少し離れた席。
「ねぇ……今のって……」
「え、あれ……Eve の2人じゃない?」
「本当じゃん!やば!顔ちっちゃ!脚長!」
「声掛けちゃう?」
「掛けよ掛けよ!写真撮りたい!」
盛り上がりかけたその時。
視線の先では――
幸せそうに微笑みながら、“あーん”をする2人。
「……え、ちょっと待って……あれって……」
「なんか……雰囲気やばくない?」
声は潜めたまま、でも目は離せない。
日和が少し身を乗り出して。
不意に、ジュンの顎を軽く持ち上げる。
からかうように、妖艶に笑う 日和 。
「――っ、ちょ……こんな所で何するんですかぁ!」
一気に顔を赤くするジュン 。
くすくすと、楽しそうに笑いながら体勢を戻す日和。
「……え、今の見た?」
「Eveって……もしかしてマジ?」
「いつも距離近いと思ってたけど、あれ営業じゃないってこと!?」
「絶対付き合ってるじゃん……!」
「無理無理無理……尊いんだけど……」
結局、誰も声はかけないまま、ただ静かに見守ってる。
店を出たあと。
「ほら、ぼくが手を引いてあげるから帰ろうね!」
楽しそうに手を取る日和 。
「……別に引っ張らなくても歩けますよぉ?」
言いながらも、その手は振りほどかない。
指が絡む、控えめな恋人繋ぎ。
ESの近く、人通りのない場所。
日和がふと足を止める。
「……誰もいないね」
「急に立ち止まってどうしたんすかぁ?」
軽く周りを見て、問題ないと判断したその瞬間。
「――っ」
不意に引き寄せられて、短く触れるだけのキス。
「っなにしてるんすか」
少し低い声。でも、拒む気配はない。
「恋人らしいことをしているだけだね」
「……ほんと、勝手ですよねぇ」
そう言いながらも、少しだけ距離は近いまま。
その少し離れた茂みの中。
「……え……?」
たまたま“冒険”していたエスが、完全に固まる。
(え、今の……え……?)
去っていく2人の背中を見ながら、
(……え? え? え???)
頭の中が追いつかないまま、しばらく動けない。
(……Eveの先輩方って……そういう……???)
少し名残惜しそうに繋いでいた手を離して、
2人はそのままESの中へと入っていく。
Edenの部屋。
今日は珍しく、他のメンバーはいない。
「……はぁ」
軽く息をつきながら、ベッドに腰掛けるジュン 。
「今日は楽しかったっすよぉ。ありがとうございます、おひいさん」
「ふふ、ぼくもジュンくんとお出掛け出来て楽しかったね!」
日和が嬉しそうに笑う。
一瞬の静けさ。
そのまま日和が、ゆっくりと距離を詰める。
「……おひいさん?」
言い終わるより先に、引き寄せられる。
「――っ」
さっきまでの軽いものとは違う、深く触れるキス。
逃がさないみたいに距離を詰められて、思考が一瞬止まる。
(……ちょ、待っ……)
抵抗する隙もなく、呼吸まで奪われるような感覚。
やっと離れた頃には――
「……っ、は……」
少し息が乱れて、頬が熱い。
視線もどこか定まらない。
「――ただいま戻りました」
ドアが開く音。
「……ハッハッハ!Eveのお二人はとても仲がよろしいようで!出来れば他所でやって頂きたい!」
入ってくるなり状況を察した茨が高らかに言う。
「どうしたの?私も見たいな」
その後ろから覗き込もうとする凪砂 。
「閣下!見てはいけませんよ!」
すかさず茨が前に出て遮る。
「ッ……おひいさん……やりすぎっすよぉ……」
涙目で睨みつけるジュン。
まだ少し呼吸が乱れてるのが隠せない。
「ジュンくんが可愛すぎるのが悪いね!そんな顔をしても全然怖くないね!」
まったく悪びれずに笑う日和 。
部屋の空気は一気に騒がしくなったけど、
さっきまでの余韻だけは、しっかり残ったままだった。
翌日、ES。
レッスンの合間、いつものように集まる
Eden の4人。
どこか落ち着かない様子のジュン と、 いつも通り余裕な日和 。
静かに凪砂が口を開く。
「昨日のことだけど」
「……っ」
一瞬で固まるジュン。
「君たちが仲睦まじいのは、以前から知っていたけれど」
少し間を置いて、
「“ああいうこと”もするんだね」
「……は?」
固まるジュン。
ぴくっと反応する茨 。
「閣下、それは――」
「私もやってみたいな」
「……は?」
今度は茨が止まる。
「え?」
「……え?」
ジュンと茨は、ほぼ同時に固まる。
「興味深いからね。昨日見たあれは、とても親密な行為だった」
真面目な顔の凪砂。
「閣下!?」
一気に慌てる茨。
「そ、そのようなことは軽々しく行うものでは――」
必死に宥めようとする。
「そうなのかな?」
少し首を傾げてから、
「では、試してみよう」
「ですから閣下――」
言い切る前に。
「――っ」
不意打ちで距離を詰められる。
一瞬、言葉が止まる茨。
「……っ、か……閣下……?」
何が起きたか理解するまで、ほんの数秒。
そのあと、じわじわと顔が熱を持っていく。
「……っ、これは、その……」
完全に言葉を失う茨。
少し離れたところで、その様子を見ていたジュンが
「……あー……」
視線を逸らしながら、ぼそっと。
「……大変っすねぇ」
同情の色が滲む声。
「……ええ、本当に」
小さく返す茨。どこか遠い目。
その横では、
「ふふ、面白いね!流石凪砂くんだね!」
楽しそうに笑う日和 。
「面白くないっすよぉ……」
「どこがですか…」
ほぼ同時にため息をつく、ジュンと茨。
“振り回される側”同士の、静かな共感が生まれていた。
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