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………と、いうことでオレは母さんに進められたキャバクラに来た。
予約で母さんの友人の人を指名しといてくれたらしい。
そのキャバクラは他の店と比べてギラギラしたりはしておらずこざっぱりとしていて、かろうじて明かりの色と看板に書いてある「キャバクラです」という文字でキャバクラだとわかるような所だった。
ドアを開けると、チリンチリン とドアについているベルが鳴った。
イタ王「あ❗」
金髪で2つに分けて結び、肩に流している女性と目があった。
服装は見覚えのあるフリフリとしたワンピースだった。
イタ王「いらっしゃいませーっ❗」
にゃぽん「いらっしゃいませ」
金髪の女性の後ろから、白髪で黒服の女性が出てきた。
どうやら彼女がこの店のスタッフらしい。
アメリカ「えっと……予約してた…」
にゃぽん「あぁ、フランス様よりご予約いただきましたアメリカ様ですね?」
アメリカ「はい」
イタ王「あー、この人が❗いらっしゃいませ❗ 」
そんな会話をしていると、奥から別の女性が出てきた。
花の刺繍が入った丸い襟に、小さめのリボンが胸にあるワイシャツと、ロングスカートと密編みの髪型でネコミミが生えたおしとやかそうな女性だった。
日帝「あ………」
アメリカ「……あ、」
その服にも見に覚えがあった。
日帝「いらっしゃいませ!」
にゃぽん「あっちょーどいいところに、ご予約のお客様だよ」
日帝「あっ、この人が……」
アメリカ「えっと……今日はよろしくお願いします?」
日帝「はい、よろしくお願いします!」
……………キャバクラってこういうものなのか?
にゃぽん「えーっとそれではまずこのお店のルールを説明いたしますね」
アメリカ「あ、はい」
母さんからも聞いたとおり、ここは健全なのを大切にしており故意のボディータッチ等は厳禁、連絡先交換等のことも一切禁止、贈り物等は常識の範囲内の物で、渡す前にこの店の専用のX線持ち物検査機を通してから、 等々を色々教えてもらった。
にゃぽん「当店には以下のルールがあります。これらを厳守した上で、ごゆっくりお楽しみください」
アメリカ「……はい」
にゃぽん「ちなみに、今回ご指名いただいた日帝はお酒類に弱い体質のため、彼女にお酒を進めるのはお控えください。
もし彼女と飲むために頼まれる際は彼女本人の許可と、スタッフにお声掛けしたうえのご注文をよろしくお願いいたします」
アメリカ「はい」
そうして壁に囲まれた席に案内された。
その空間は出入り口の所に扉がなくレースが垂れ下がっており、そこからカウンターが見える。
その空間も店内と同様落ち着いた雰囲気だった。
カラオケのセットもあって壁にテレビが掛かっている。
きっと母さんが初めてのキャバクラだから個室風の部屋を頼んでおいてくれたんだろう……
何て考えながら席でぼんやりしていると、水の入ったコップとおしぼりを二つのせたおぼんを持って、片手でレースを退けながら日帝という人が入ってきた。
着物姿だと完全に旅館の女将(おかみ)さんだ………
日帝「お待たせいたしました。お水どうぞ」
アメリカ「……ありがとう…ございます」
コップを持つ手、
中の水を殆ど揺らさずコップを置く動き、
おしぼりを直接渡す時の手と静かで柔らかな「どうぞ」という一声、
所作の一つ一つが美しく、目を止めてしまった。
日帝「改めまして、日帝と申します。本日はよろしくお願いいたします」
アメリカ「あ、はい。 アメリカ……です」
こういう時、どんな挨拶が正解なのだろう。
日帝「えっと……キャバクラ、初めてなんですよね?来てくださりありがとうございます!」
アメリカ「あ、いえ……母さんに紹介されたからですし………」
日帝「それでも来てくださってとても嬉しいです。
うちはこんな感じでルールが厳しめで、他のお店と比べてお客さんが限られちゃって……どうしても少なくなっちゃうので、お試し感覚でも誰かが来てくださると嬉しいんです!」(*´▽`*)
アメリカ「そうですか……なら、よかったです」
日帝「……それにフランスさんにおすすめされたお店ってほぼ外れはありませんから、行っちゃうのもわかります」
アメリカ「まぁ……そうですね。
……………あの、その服ってもしかして……」
日帝「あ、はい!これも何ですけど、フランスさんが作ってくださった洋服です」
アメリカ「じゃあやっぱり、さっきの金髪の人の服も……」
日帝「イタ王のことですよね?はい、あの服もフランスさんお手製の物です 」
アメリカ「やっぱり…… ちょくちょく見かけてたけど、母さんのサイズじゃないっぽかったから飾る用なのかと思ってたけど………ここの人用だったんだ 」
日帝「あの人には本当にお世話になってます。私が出会った時から ~」
そんな感じでたわいもない会話が続いた。
つづく