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御子柴聖 十七歳
楓に手を引かれながら理事長室を出て廊下を少し歩いた頃、楓は足を止めて後ろを振り返る。
「悪い、姉ちゃん。歩くの早かったよな?右脚、大丈夫か?」
「え?あぁ、大丈夫だよ。義足を付けてから十年経ってるし、走ったり知るのも平気。気を遣わせちゃって、ごめんね?」
「あぁ、そうなのか?いや気を使うとかじゃなくて、心配してんの。じゃあ、普通に歩こうぜ」
「手は繋いでくれるんだ」
あたしの言葉を聞いた楓は耳まで赤くしているのに、繋がれている手は離れようとはしなかった。
「家に居た時はこうやって、公共の前で仲良く出来なかったけどさ…。また会えた今は、仲良くしいんだよ。智也さん達には内緒な?また、おちょくられるからさ」
「ふふっ、分かった。二人だけの秘密にしておこっか。智也さんに虐められるのも可哀想だしね?」
「あ、姉ちゃんまで意地悪する気かよー」
あたしと楓は他愛のない話をしながら、校舎裏に停まっている車まで歩いた。
校舎裏に着くと、運転手さんが車の外で待っていてたので、あたし達を見て直ぐに後部座席を開けてくれる。
「お疲れ様です、聖様」
「送ってくれてありがとね、楓」
あたしは振り返り、楓にお礼を言った。
「全然良いよ、あ、そうだ。姉ちゃん、連絡交換しようぜ?いつでも連絡取れるようにさ、スマホ持ってる?」
そう言いながら、楓は制服のズボンポケットからスマホを取り出す。
「あ、良いよ。総司さんが買ってくれたんだけど、使い方が分からなくて…。申し訳ないんだけど、楓が操作してくれると助かる」
「全然良いよ、これ思ったより簡単な操作だから。アプリとかも入れとくから」
「アプリ?」
「今度、ちゃんと教えるよ」
楓にスマホを操作してもらっていると、智也さんと話を終えた蓮がこっちに向かって走ってくる。
タタタタタタタタタッ!!!
「すみません、お嬢っ。待たせましたか?」
「ううん、全然待ってないよ。楓と連絡先?をスマホの中に入れてもらってたの。あ、そうだ。蓮とも交換しとけば?何かと連絡する事もあるだろうし…」
「え」
あたしの言葉を聞いた楓は一瞬だけ嫌そうな顔をしたが、蓮とも連絡先を交換していた。
「姉ちゃんに言われたから仕方なくだからな」
「分かっていますよ、坊ちゃん」
「じゃあ、俺は任務に行ってくるから。ここまでしか送れないけど…、気を付けて帰ってな姉ちゃん。アンタ、姉ちゃん守れよ」
そう言って楓は、ジッと蓮を見つめる。
「分かっていますよ、坊ちゃん。もう、あの時のような思いはしたくありませんから」
「蓮…」
「なら良いけど、じゃあな」
楓はあたしにだけ向かって手を振り、蓮に視線を送らずに反対方向に歩いて行った。
運転手さんも楓の姿を見送り、あたしと蓮が車に乗った事を確認してから車を走らせた。
学院を出てから約十五分が過ぎた頃、あたし達を乗せた車が高級そうなマンションの前に停車する。
凄く綺麗なマンションだな、高そう…。
「あ、引越し業者が先に来ていますね。お嬢、業者の人達と話をして来ます。少し、待っていてもらっても良いですか?」
「うん、分かった」
引越し屋らしき大型トラックがマンションの下で停車しているのを見て、蓮はあたしに声をかけてから、そそくさに車を降り話をしていた。
このマンションで、蓮と二人で住むのか…。
いよいよ、東京での新生活が始まるんだと実感するなぁ…。
コンコンッ。
そんな事を考えていると、窓ガラスが叩かれる音が耳に響き視線を向けると、蓮が手招きをしている姿が見えた。
蓮の姿を見た運転手さんは車から降り、後部座席のドアを開けてくれたので、あたしは車から降りて蓮に駆け寄る。
「どうしたの?蓮」
「お嬢、このマンションが僕達の住処です。セキュリティーも頑丈ですから、人間相手はまず大丈夫ですよ」
「そうなんだ…、見るからに高そうなマンションだね」
「智也さんと坊ちゃんが住んでるマンションはあっちです」
「え、あ、あれ?」
蓮が指差した方向に視線を向けると、テレビで見た事がある高級マンションだった。
あたし達が住むマンションよりも階数が多く、遠目から見ても高級さが漂っている。
「さ、部屋に行きますか。部屋の中探検しませんか?部屋広いみたいなので」
そんな事を言われると、早く部屋を見てみたいと言う気持ちが昂った。
蓮と二人暮らしするのはドキドキするが、どんな感じの部屋なのか見てみたい気持ちもある。
「え!!!見たいっ、早く行こうよ蓮!!!」
「ふふ、分かりました。早速、行きましょうか」
あたしと蓮はマンションのエントランスを通り、エレベーターに乗り込んで自分達が住む部屋の階に向かう。
マンションは二十階建てで、あたし達の部屋は最上階の二十階の角部屋に住む事になる。
チーンッ。
二十階でエレベーターが止まり、開かれたドアから廊下に出る。
角部屋の2013号室の扉の前で止まり、蓮は持っていた鍵で扉の鍵穴に刺し、解除された部屋のドアを開けた。
ガチャッ。
まず目に入ったのは、ホワイトとグレーを基調としたモダンデザインの廊下で、それぞれの部屋に繋がる扉は大理石があしらわれているシンプルなデザイン。
廊下を進んでリビングに繋がるであろう扉を開けると、4LDKの広さの同じくモダンデザインのリビングが広がる。
大きなグレー色のソファー、二人で食事をするには十分なガラスのテーブル、おしゃれなデザインのシャンデリア、部屋の隅には観葉植物が飾られていた。
あたし達が住むマンションも、世間では高級マンションと言うのでは…?
「す、すごいね。思った以上に広くて驚いちゃったっ」
「家具の手配を智也さんに頼んで正解でした。僕は内見と契約の時の二回しか来てなかったんですけど、家具を置くと部屋の
雰囲気が変わりますね」
「智也さん、センス良過ぎない?今度、ちゃんと御礼しないといけないね」
そう言いながら、見るからにふかふかそうなソファーに腰を下ろす。
見た目よりも座り心地が良く、ここから動きたくなくなる程の良さだった。
「お嬢、こっちに来て下さい。見せたい部屋があるんですよ」
少し興奮気味の蓮に手招きされたので、あたしはソファーから腰を上げて蓮に近寄る。
「何々?どの部屋なの??」
「ここですよ、お嬢の寝室です」
ガチャッ。
そう言いながら蓮が扉を開くと、真っ先に目に入ったのはカーテン付きのプリンセスベットにだった。
部屋全体がホワイト一色に統一されていて、可愛いデザインのドレッサー、にフカフカの絨毯がひかれ、天井には花の形のシャンデリアが部屋の中を照らし、ベットの横には大きなテディベアも置かれている。
お姫様が使っていそうな部屋で、あたしには不釣り合いなんじゃないかって思ってしまう。
「お、おおお…、可愛い…」
「お嬢の部屋の家具は僕が選びました、お嬢のイメージ通りい仕上がりました」
あたしの部屋は蓮の好みで出来上がっているのか…。
それにしても…。
「蓮からあたしのイメージって、こんな感じなの?」
真っ白で可愛らしい、蓮はあたしの事をそう思っているの?
あたしはこんな真っ白な存在なんかじゃない、寧ろあたしの事を知っている人は白のイメージを持たないだろう。
血肉色の赤、妖怪達の青や緑色の血を浴びている所しか想像出来ない筈。
綺麗じゃないよ、妖怪の血を浴び続けていきたあたしは。
そう思っていると、蓮はあたしが考えている事を察している様子で言葉を放つ。
「僕はお嬢の事を初めて会った時から、綺麗で可愛らしいお姫様だと思ってます。昔と今とか変わらず、お嬢は僕にとって大事なお姫様ですよ」
蓮の言葉を聞き、心臓が強く締め付けられる。
どうして、蓮はあたしが喜ぶような言葉を言ってくれるんだろう。
あたしが欲しい言葉、胸がときめく言葉を蓮はいつだって言ってくれる。
「他の女の子にそんな事言ったら、勘違いしちゃうよー」
照れ隠しのつもりで可愛くない返事をしちゃった。
他の子に言わないでって意味も含めての言葉を聞いても、蓮は優しい眼差しを向けながら答える。
「お嬢以外に言いませんよ、こんな事」
「へ?」
ドキドキと心臓の鼓動が速くなり、自分の中で都合の良いように解釈してしまう。
そ、それって…、あたし以外の女の子に言わないって事?
「荷物は代々業者の方がやってくれたみたいなので、僕は、食材の買い出しをして来ますね。お嬢はテレビでも観て、休んでいて下さい」
せっかくなら、一緒に買い出しに行きたいな…。
「あっ、あのさ…、蓮」
「ん?どうしました?」
緊張を抑える為に蓮のスーツの袖を掴みながら、素直に気持ちを伝えた。
「あたしも一緒に行ってもいい?蓮と行ってみたいなって…。あっ、ダメだったら言って!!!あたし、買い出しとか行った事ないからっ…、役に立てないかも」
慌てて弁解しながら掴んでいたスーツの袖を離そうとしたが、蓮があたしの手首を優しく掴む。
「そんな事ないです、一緒に行きましょう。スーパーで食材を見ながら、今日の晩御飯の献立を決めましょうか」
「うん!!!」
あたし達はマンションを出て、徒歩数分の所にある大型スーパーに向かった。
お値打ち食材を次々とカゴの中に入れて行き、蓮が脳内で考えた献立を何種類か提案してくれる。
「今日は鮭が安いので、塩焼きかバターのホイル焼きどっちが良いですか?」
「え、迷う!!!んー、でもバターのホイル焼きが良いな。あと、蓮の作る出汁巻き卵!!!」
「じゃあ、ホイル焼きと出汁巻き卵にしましょうか。あと、副菜を何品か作りたいですね…」
「あ、さっきね?ほうれん草が安売りしてたから、一応持ってきておいたよ」
「ありがとうございます、お嬢。じゃあ…、ほうれん草のお浸しを作るかな」
蓮と献立の話をしながら、ゆっくりカートを押しながら店内を見て行く。
通りすがる女の人達が蓮の事を振り返って見てくるけど、本人は全く気にしてないし興味がなさそう。
蓮は他の女の人には目もくれずに、あたしにだけに視線を注いでくれる。
あたしがさっき言った言葉を気にしているのかな?
そうだとしても…、あたしはすごく嬉しい。
スーパーでの食材調達を終え、あたし達が住むマンションまでの道を話しながら歩いた。
あっという間にマンションに着き、自分達の部屋に戻ると、蓮は買って来た食材達を次々とキッチン台の上に広げて行く。
「あたしも手伝うよ」
「今日は僕がやりますから、お嬢はゆっくりお風呂でも入って来て下さい」
「何もしないのも申し訳ないな…」
「これからは役割を分担しましょうか、今日は僕の事は気にしないで下さい」
蓮の気遣いを無碍にしない為にも、あたしは蓮に言われた通りにお風呂に入る事にした。
着替えの服を取りに自室に戻り、クローゼットを開けて見ると、何着か服が既に掛けられていた。
大きめのTシャツと言ったカジュアルな物から、フリルやレースが装飾されている可愛い系のワンピース、モード系の服がハンガーに掛けられている。
なんとなく智也さんが用意してくれたんだろうと思いながら、大きめのTシャツとショートパンツを手に取りバスルームに向かった。
ガチャッ。
バスルームのドアを開けると、既にお湯が溜まっており、いつでも湯船に浸かれる状態になってる。
蓮が家を出る前には、あたしがお風呂に入れるように準備していたのだろう。
しかも、泡風呂化している湯船からは薔薇の良い香りがする。
「あたしよりも女子力が高いんじゃない?」
カチャッ、カチャッ。
小声で呟きながらワンピースを脱ぎ、右脚に嵌めていた義足を外してからバスルームの中に入る。
片脚状態のままシャワーで体の汗を流してから、泡風呂の中に入り、体を思い切り伸ばす。
「んーっ、気持ちいい…。今日一日は色々な事があったな…」
目を閉じながら今日一日に起きた出来事を思い出し、楓に会えた事の余韻浸る。
東京に来てから、一番ゆっくり出来た時間だな…。
「東京に八岐大蛇がいるんだから、早く手掛かりを見つけないとな…。妖怪の姿じゃなくて、人間の姿になって、過ごしている可能性が高いし、特定するのは、難しそうだな…。人間に化けられたら、見分け付かないからなぁ…。向こうは完全に、妖気を消してるだろうし」
人の姿に化けて、人間社会に紛れ込んで生活している妖も居る。
どんな目的で社会に紛れ込んでいるのかは分からないが、悪意を持つ妖も居れば善意の妖もいるって聞いた事がある。
ただ、八岐大蛇だけは滅しなければならない。
「暑くなってきたな、そろそろ出よう」
ザパァァァァ…。
湯船から出てから、頭と体を綺麗に洗ってからバスルームを出た瞬間だった。
ズキンッ!!!
「っ…!?」
ズキンッ、ズキンッ。ズキンッ!!!
「な、なに…、こ、れ」
痛過ぎて息が出来ない、脈が打つ度に背中の痛みが増す。
今まで感じた事がない激痛が、背中と心臓を容赦なく襲い掛かる。
背中から激痛を放っている部分は分かっていた。
「はぁ…っ、はぁ…っ」
激痛に耐えながら何とか着替えを終わらすが、膝に力が入らなくなり、その場に倒れ込んでしまう。
ドサッ!!!
ズキンッ、ズキンッ、ズキンッ!!!
背中に残された月下美人の刺青部分から痛みが全身を駆け巡っている。
な、何で?
今まで何にもなかったのに…、まさか呪いが進行し出したって事?
あ、やばい…、視界がボヤけてきた。
「れ、ん…、蓮!!!」
意識が飛びそうになるのを堪えながら、力を振り絞って蓮の名前を呼んだ。
その瞬間、あたしの意識がブツっと糸が切れたようになくなった。
***
本城蓮 二十四歳
お嬢がお風呂に入っている間に、鮭のホイル焼きの支度を始めながら、ほうれん草のお浸しを完成させていた。
東京や地方の任務に行くようになって、ある程度の料理は作れるようになり、本城家に帰った時はお嬢に料理を振る舞っていた。
僕の作った白出汁が聞いた出汁巻き卵を一口食べ、お嬢の表情がパッと明るくなる。
その表情は今まで見た事がなく、お嬢は目をキラキラさせながら口を開く。
「っ!!!めちゃくちゃ美味しい!!!え、天才過ぎない?この出汁巻き卵、ヤバ過ぎる…」
「そんなに喜んでくれるなんて思いませんでした。いつでも作りますよ」
「本当!?じゃあ、明日も作って?」
お嬢は上目遣いで、出汁巻き卵をおねだりしてきた。
本人は無意識に、僕の心を平気で掻き乱して行く。
十七歳になって更に可愛いさが増し、スーパーに行くまでの道でもスーパーの中でも、男達の色目の入った視線がお嬢に向けれる。
雪のように白い肌に、桃色の頬、華奢な体のお嬢は人形そのもの。
僕に向けられる顔は幼く、他人に向ける時は冷酷で冷たい、そのギャップもまた堪らない。
他の男達はお嬢の内面の可愛さを知らない、僕だけに見せてくれる姿に心が踊らされる。
きっとお嬢は、僕の事を兄のようにしか思っていないんだろうな。
「はぁ、余計な事を考えずに続きをするか」
広げたアルミホイルの上に、水分を拭き取った鮭の切り身二枚をしめじとにんじんの上に置き、塩と胡椒を振り、バターを一欠片を乗せる。
「よし、次は出汁巻き卵を…」
鮭のホイル焼きを焼いて良いる間にボウルに卵を四個割り入れ、白出汁を入れ味付けして行く。
カチャカチャカチャ。
「こんなものかな?」
ボウルに入った卵液をかき混ぜていると、バスルームから何か倒れる音がした。
ドサッ!!!
「お嬢?」
入浴中かもしれいないが、扉をノックして確認する必要があるな。
手に持っていたボウルと菜箸をキッチン台に置き、着ていたエプロンを外している時だった。
「蓮っ!!!」
「お嬢!!?」
バスルームからお嬢の苦痛の大声が聞こえ、声の質からして只事では無いのが分かる。
タタタタタタタタタッ!!!
エプロンを乱暴に脱ぎ捨て、足速にお風呂場に向かい、バスルームに入る確認をせずにドアを開けた。
バンッ!!!
「お嬢!!?」
ドアを開けると、床に意識を失って倒れているお嬢の姿が視界に入る。
「お嬢!?どうし…、っ!!?」
白いTシャツの上からでも分かるぐらいに、お嬢の背中にある月下美人の刺青の蕾が膨れ上がっていた。
木の根っこのように背中の血管が浮き上がっていて、月下美人の蕾がお嬢の血液を吸い上げている。
「十年間、月花美人の蕾が膨らんですらいなかったのに…、どうしていきなり…っ。お嬢、失礼します」
ガバッと床に倒れていたお嬢を抱き上げ、お嬢の表情がどんどん血の気が引いて行っているのが見て分かった。
このまま呪いが進行してしまったら…、どうしたら良いんだ。
とにかく、兄貴がいる病院に向かうしかない。
「ハク!!!」
ボンッ!!!
僕が大きく叫ぶと、式神札の中から白い煙を上げながら大きな白い狐が現れる。
「主人よ、どうされた」
「お嬢を兄貴がいる病院に連れて行く。すまないが、乗せて行ってくれ」
白狐のハクは僕の幼少期の頃から忠誠を誓ってくれていて、お嬢の事をハクはとても気に入っていた。
お嬢が隔離されていた部屋の中で、ハクは式神札から飛び出してはお嬢を背中に乗せて遊び出す。
式神の狐は本当に自分が気に入った主人しか背中に乗せない。
高貴な見た目通り、ハクは僕とお嬢以外と口を聞かないし、目も合わせない。
僕と心を通わせるのにも時間が掛かったのに、お嬢の事は一目見て背中に乗せた時は驚いたものだ。
僕の腕の中にいるお嬢の事を見たハクは、全身の毛を逆立たせながらの僕の事を叱る。
「何故、姫がこんな状態になっておるのだ!!?こうなる前に、早く妾の事を呼ばぬか!!!この馬鹿者が!!!」
「うっ、ごめんなさい…。返す言葉がないな…」
着ていた上着をお嬢に着せてから窓を開けて、怒るハクの背中に乗る。
「行くぞ!!」
ビュビュンッ!!!
僕が背中に乗った事を確認したハクは開かれた窓から飛び出し、兄貴の所に向かった。
ハクは身軽に、空の上を掛け抜けて行く。
「お嬢…」
ギュッ。
僕はお嬢の体を抱き締めた。