⚠VTA描写アリ⚠
『、え…?なん、で、?』
「理由は後で話すから、さ。良いから連れてってよ、ライ」
ライが、僕にちゃんと言ってくれるのはきっとこの旅の中で、そうしたらきっと、”シアワセ”の四文字を見つけられて。きっと、きっと”シアワセなままの僕等”で居られる。そんな、根拠を持たない、無責任で最低な我儘に、ライを巻き込んでいるんだ。
でも、それでも”シアワセ”が見つかれば、僕等二人で笑って、生きていける気がするんだ。
鞄に財布を入れて、ナイフを入れて。
いつだって二人で心中できるように。
ライが好きだった携帯ゲームも一緒に、鞄に詰めて。
此処に最低最悪なエゴイストの痕跡を残していたくなくて、
僕の《ここに、この家に僕がいた》という事実から、現実から逃れたくて、我武者羅に要らないものを全部全部、投げ出して、壊して。
家族の思い出の写真も、ライと僕とで遊んだことを綴った日記も、今となっちゃもう何も要らない。
もう、この家に帰ることなんてないから。
「…嬉しいよ」
清々するでしょ?こんな穢れた僕が、この家から出ていって、良かったでしょ?
ねえ、違うの?
[違いますよ、そりゃ]
どうして?
[だって、貴方くらいしか俺のこと見えてないし]
[それに、穢れてなんていないでしょ?
少なくとも、俺にはそう見えました。]
やっぱり、晶くんは馬鹿だよ。悪魔だ。
[馬鹿でも悪魔でもありません。あと、俺はショウですよ]
「……知ってるよ、そんなこと。」
[晶じゃなくても、ショウが…俺がずっといるから。それで良いでしょ?
それとも、俺じゃ、駄目なんですか。]
「星導晶と星導ショウは別人だ。」
[…晶は愛していたのに、俺は、触れることすら許されないんですか]
「……分かったよ。だから、僕等のこと、ヨロシクね。カミサマ」
[……貴方が、そう望むのなら。]
〚俺も、護りはするけど
…流石に加護にも限度がある。そこは把握しておけよ。〛
「分かってるよ。ありがとう。カミサマ」
加護なんて、意味ないよ。
だってこれは、
出来損ないで、僕無しじゃ生きられない人殺しと
エゴイストで利己的で、我儘なダメ人間の
君と_ライと僕の旅なんだから。
.。.:*☆PROFILE
星導晶/ほしるべ しょう
幼馴染。
数年前、飲酒運転をしていたトラックに撥ねられる交通事故により死亡。
生きていれば西でヒーローをしていたかもしれない。
星導ショウ/星導晶
数年前から家に現れては”お呪い”といって加護を掛けてくれる。
本人によると宇宙から来ていて、星導晶の体を借りて生活しているそう。
カミサマ…とはいうが、何のカミサマなのかは教えてくれない。
ナゾの生き物と口喧嘩しているのをよく見る。
小柳ロウ/こやなぎ ろう
星導ショウと同時期に現れるようになった。
加護は緊急、危険だと判断した時のみにしか掛けない。
此方もカミサマらしいが何のカミサマかは不明。
刀の手入れをする姿と白猫?と一緒に寝る姿をよく見かける。
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