ぽつんとあるお花屋さん。僕は扉を開けた。
カランカラン
「「いらっしゃいませ。」」
日差しが差し込む店内には2人、店員さんがいた。
カウンターには100本のバラが飾ってあって、決して枯れることはないんじゃないかと疑うほどの美しさだった。
「実は好きな人に告白をしたくて…。おすすめありますか?」
僕がここに来た理由はこれだ。
店員さんは2人してぽかんとしてから目を合わして笑ってた。
そして僕の方を見た。
「バラ99本がおすすめですよ。」
バカにされるかと思った。
「じゃ、じゃあそれで。」
僕は花束を買ってお店を出た。ちょっとヒヤヒヤした。なんで笑ってたんだろう。
すると中から声が聞こえてきた。
「あの子三郎みたいだね。」
「哥哥…」
「ははは、すまない。私たちみたいに幸せになってくれるといいな。」
「そうだね。」
そうか。
あのカウンターのバラはそういう事だったのか。
僕は勇気を貰った気がした。
END
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