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桃は「猫以外からは愛されたこともないし、愛そうと思ったことはほぼ無い子ども」 だった。
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桃青?青桃?
桃⌇ 中2
青⌇ 高2
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桃side
父「ほら、そこ。遅い」
桃「……はい、すみません。」
親の声はいつも冷たく、
興味があるのはお金のことばかり。
俺はは家の中で、使用人同然に働かされていた。
毎日毎日、使用人たちと一緒に家事をこなし、
ある日、ゴミ出しをしに少し奥まった敷地の外へ出た時だった。
桃「……?」
足元に、ふわりと柔らかい感触。
一匹の猫が、桃の足にすり、と体をこすりつけていた。
桃「猫……?」
しゃがみ込むと、猫は逃げずに喉を鳴らした。
桃「へんな子……」
それが、すべての始まりだった。
それから毎日、一匹、また一匹と猫が増えていった。
桃の後をついてきて、帰りを待つようになった。
桃「どうして、こんなに集まるのか……?」
2年も経つ頃には、周りにいる猫の数は裕に100匹を超えていた。
そこで桃は気づく。
“ 自分は猫にとってマタタビのような存在 “
『何故か引かれる。人間に例えると守りたくなるような存在』なのだと。
桃「……俺なんかが?」
猫たちは黙って、桃の周りに集まる。
その温もりだけが、桃の世界のすべてだった。
やがて、桃は親の財布からお金を盗み、
猫たちと一緒に家を飛び出した。
桃「ここも……もう嫌……」
現実は厳しくあまくない。行くあてもなく、
猫たちと路地裏で暮らすようになった。
桃「寒いよな……ごめんっ」
猫を抱きしめながら、段ボールの中で眠る夜。
そんなある日_
?「……こんなところに、猫……?」
段ボールの影から、少年の声がした。
高校生くらいの男の子が、驚いた顔でこちらを見ていた。
?「君……ここで暮らしてるの?」
桃は、反射的に猫たちをかばうように抱き寄せる。
桃「……近づかないで」
高校生は少し困ったように笑った。
?「ごめん、怖がらせたよね…笑」
? 「僕、青って言うのよろしくね?」
青 「でもその猫ちゃんたち……すごく多い」
桃「……放っておいてください。」
青は少し黙り込んでから、静かに言った。
青「……その猫ちゃんたちも一緒に、僕の家に来ない?」
桃「……え?」
青「君も」
桃は信じられず、強く首を振った。
桃「……嘘。どうせ、途中で捨てる」
青「捨てないよ」
青は、はっきりと言った。
青「僕、約束する」
桃「……どうして、そこまで」
青「放っておけないんだ。君も、この子たちも」
しばらくの沈黙のあと、
桃は小さく、震える声で聞いた。
桃「……本当に、全部?」
青「うん。全部」
青の家は、一言で言えば名家だった。
けれど青は、そのことをひた隠しにして生きていた。
温かい部屋、きれいな食事 、安心して眠る猫たち。
桃「……あったかい……」
初めて知る“普通”に、
胸がぎゅっと締めつけられる。
桃「どうして……こんなに、優しいの……?」
青「それ、理由いる?」
桃「……俺、何も持ってない」
青「じゃあさ」
青は、桃の頭をぽん、と軽く叩いた。
青「ここにいればいい。それだけで」
その瞬間、桃は気づいた。この胸の奥に生まれた感情が、
“猫たちに向けていたものと同じ” 愛情なのだと。
そして同時に、青が自分に向ける感情も、それと同じであることにも。
今まで“守られること”を知らなかった少年が、
初めて“誰かの手”を取った夜だった。