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楠本との戦いが終わり、山本麹は呪術本部の休憩室で肩を落としていた。
「本当に、裏切り者だったなんて…」
山本はぼんやりと天井を見つめる。五条悟がその隣に座り、気軽に話しかける。
「まぁ、裏切りなんてよくあることだよ。」
「でも、僕…あの時、救われたんですよ。彼に。」
山本がそう言うと、五条はにっこりと微笑んだ。
「そんなこと気にするなって。戦いに終わりはないし、誰だって間違いを犯すことがある。」
その時、七海建人が入ってきた。
「どうも。あ、山本くん。元気出してください。」
山本は七海に目を向ける。
「元気…か。なんだか複雑で。」
七海は真面目な表情のまま、突然立ち上がる。
「じゃあ、こんな時こそ、みんなを元気づけるために一発芸だ!」
山本と五条は一瞬、顔を見合わせた。
「え、芸…?」
七海は無表情で腕を組み、何かを考える様子。
「よし、これで決めます!」
七海は意を決したように、立ち上がり、急に派手にポーズを決めた。
「♪ボン!ボン!ボボボボ~ン!!」
…完全に無音のまま。
その後の静寂。
山本は何かを言いたそうな顔をしていたが、言葉が出ない。五条は目を白黒させながらも、思わず笑い出す。
「う、うーん…それは予想外だな。」
「うん、ちょっと…何か違う感じが。」
七海はその場で微動だにせず、真顔をキープし続けた。
「すみません、…ちょっと勇み足でした。」
その後、山本は少しだけ苦笑いし、肩をすくめて言った。
「いや、まぁ、そうだよね…。でも、なんか、ちょっと和んだよ。」
五条は大笑いしながら肩を叩く。
「七海、君の本気のギャグを見たのは初めてだよ!」
七海は少し恥ずかしそうに言う。
「でも、さ、山本くんが元気を出してくれればそれで良かったです」
山本は少し照れくさそうに言う。
「ありがとう、七海…。少しだけ、気が楽になった。」
その瞬間、五条が再び口を開く。
「まぁ、次は何か面白い芸を持ってきてね。期待してるよ!」
七海は無言で頷き、再び座った。
(……次こそは、完璧にやってみせるさ。)