コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第18話「選定の儀」
旧市街の中心に、突如として現れた巨大な塔。
それは《Magica Order》によって召喚された、“契約の塔”。
塔の最上階には、椅子がひとつ。
そこに座る者が、「最終契約者」となる。
寿カレン(通信)「選定はこれより始まります。この塔を登りきり、最後に“椅子”へとたどり着いた者が、新たな力を手に入れるでしょう」
カレン「ただし……塔の中には、それぞれの“心の弱さ”が試される」
カレン「逃げれば、そこで終わり。進めば、心がえぐられる」
塔の前に、みこ・とき・ふぶき・海が集まる。
4人は、互いの目を見て頷いた。
とき「こういうの、ゲームの最終章みたいね……燃えるじゃない」
ふぶき「怖くない、と言えば嘘になりますけれど……皆さまと一緒なら」
海「選ばれたらどうする? 力を使うことに迷いはあるかもな……」
みこ「でも……私たちが、前に進むためには、誰かが“選ばれなきゃ”いけないんだよ」
塔の中、第一層。
そこには、それぞれに対応した“心の影”が現れる。
みこの影「あなたは何もできない。人を救いたいとか、守りたいなんて、ただの思い上がり」
みこ「それでも……私は、助けを待ってる人のために、動きたい。たとえ無力でも!」
―
海の影「お前は“選ばれない”側の人間だ。ヒーローの隣で終わるだけ」
海「……それでも、俺は“あいつら”と並んで立ちたい。見てるだけなんて、もう嫌なんだ」
—
ときの影「みんなを信じてる? 本当に? 裏切られた過去を忘れたの?」
とき「信じたい。怖くても、それが“今の私”だから」
—
ふぶきの影「優しさで何が守れる? 本当は誰にも必要とされてない」
ふぶき「それでも、わたくしは“優しく在りたい”。それが、わたくしの選んだ強さですの」
—
各層を突破していく4人。
それぞれの傷と向き合いながら、心の闇を超えていく。
—
最終階——
4人は、ついに椅子の前に立つ。
カレン「全員、よくここまで来ました」
カレン「今から、“最終契約者”を決定します」
椅子の上に、白い光が舞い降りる。
それは、4人の中から1人だけを選ぶ光。
ゆっくりと、その光は——
桜田みこの頭上に降り注いだ。
みこ「……私が、選ばれた……?」
カレン「あなたの“願い”が、最も強く、純粋だった。だからこそ、選ばれた」
とき「……やっぱりね。納得、って感じ」
ふぶき「本当に……おめでとうございます、みこさん」
海「これからが本当の戦い、だな」
みこの手の中に、新たなステッキが出現する。
赤黒い紋章と、静かに燃えるような魔力。
カレン「これが、“真の魔法少女”の力」
カレン「けれど、その力を持つ者には、ある“代償”が課される」
みこが選ばれたことで、すべてが変わっていく。
その代償とは一体——?
そして、魔法少女たちに迫る“最後の敵”とは——?