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来世の俺へ
家族に恵まれて楽しい日が続いたな。
ご飯は美味しいし帰る家もある。
今は少し違うけどな。
あの頃は幸せだったな。
でも足りなかったんだ。
だからもっと幸せを手に入れたくて、見えるものが良くて、すぐにでも欲しかった。
ちょっとした幸せだったけど、それはすごく大きいもので、心がポカポカした。嫌なことがあってもそれさえあれば、人生なんてどうでも良くなるくらい幸せになる。その時が1番幸せだった。
でも長くは続かなかった。長く続けたかったんだ。
ずっとずっと続けて、ついに壊れてしまった。体は灰色で、目の前が見えなくなって、死にたくなるような記憶もよみがえってきた。それさえあれば幸せになれる、それさえあれば、逆に言えばそれがないと生きていけない。
大切なものを奪われて、激怒してしまった。
大切なものを大切なものに取られてどういう気持ちだった?その大切なものが最も害のあるものだと気づいた時はどう思った?最悪の気分だ。一瞬の幸せを手に入れるために人生を捨てた。自分だけじゃなく、幸せのために大切なものまで壊した。
笑いたくなるよな?明日死ぬっていうのに笑ってるんだもんな。頭もバカになって全てがどうでも良くなって、生きたいより死にたいだった。
人生は長いと思ってたけど短いんだな。
いや、自分で短くしてしまったのか。
来世は普通でいてくれ。