辺り一面ゴミの山の中から酷い悪臭で目が覚めた。見渡す限りボロボロになった家や冷たくなった人生きる行為に疲れた人など様々な人が私と同じようにゴミの山をベットに見立てて寝ていた。きっとここは日本ではないのだろうと気づくのには時間はかからなかった。
まずは食料調達と、自分の容姿・ここはどこなのかを調べなくてはならない。ゴミの中きらなんとか抜け出して鏡を探しに行った。
しかし鏡などこのスラム街には当たり前だがなく、途方に暮れていた時に水溜まりができていたのを見つけて急いで自分の顔を見た。そこには、超絶美少年が写っていた。
「これが私?いや俺か?」
絶対将来はモテるに違いないと他人事のように思っていた時目の前にガタイのいいお兄さんが私のことを見ていた。
「 Wo bist du hingegangen, weil du dir Sorgen gemacht hast? Herkommen.」
何語か分からない言葉を吐きながら私に近づいてくるこの人はきっといい人なのか悪い人かは分からなかったがこの体が震えていたためきっと前のこの体の持ち主は相当この男に何かしらの暴力を受けていたのだろうとなんとか貧弱な頭で考えて走って逃げた。男が何か叫んでいたが私にはその言葉は分からなかったため当然のように無視して元のゴミの山まで走った。
「なんで転生したら普通転生オプションで言語とか自動翻訳されないの?どうしよ私あんな言葉知らないしできても英語ちょっとだし。」
そう何を隠そう私は中学校定期テストの英語の点数は55点となんとも普通の点数なのだ。平均は取れたなかったが。しかし転生したがなんとも酷い環境でいち早く抜け出したいが言語がわからないということは看板の字も読めないと言うこと。
だから何もできず言ってしまえば無理ゲーだった。ゴミの山に座り今後どうするか考えているとゴミの中から汚いサッカーボールが出てきた。
「なんでサッカーボールがここに?」
なぜかは知らないが体がサッカーをしろと強く訴えており試しにボールを蹴ってみた。面白いぐらいボールが体に馴染み元々この体がサッカーをやっていたのかは知らないが初めてなわりには上手にできた。
時間も忘れてサッカーをしているともう夜になっており寒くなってきたためゴミの山(ベッド)に戻り体を震わせながらサッカーボールを大切に抱えながら寝た。
朝またゴミの悪臭で目が覚めた。
近くの店から捨てられたであろう誰かが残したご飯が私の食料となっており無理矢理胃に詰めるように朝ごはん。済ませてすぐにサッカーをした。
「28.29.30回、よっしゃ初めていった!」
前世では全く出来なかったスポーツが出来るとこの上なく気持ちがいい。またその日も日が落ちるまでサッカーを続けた。
体感で言うと約1年だろうかすっかりサッカーも上手になっておりもう今ではリフティングも100回も超えるぐらいに出来る様になっていた。この顔のおかげかは知らないが店の人が毎日余ったパンをくれてご飯にはありがたいことに困っておらず中々安定した幸せとは言えないが楽しい日々だったのに俺は女に誘拐された。
その女は何を言っているかは分からない当たり前だが。その女は私が口を少しでも開こうとすると私を叩く。毎日可愛らしい服を持ってきて私を人形のように着飾る。私は男なのに。少しでも男として精神を保っていたかったがこの女は私を
「Michael」
と呼んでいた。多分ミヒャエルだろうと呼んでいるのだろう虐待に等しい行為を何日も何日も我慢して受け入れて3年の月日が経った。サッカーなんて勿論出来ず楽しくない色のない世界を送っていた時だった、警察が家に来たのだ。
「Heben Sie Ihre Hand, es ist die Polizei!」
( 警察だ、手を上げろ
「Warum die Polizei!」
( なんで警察が!
「Ich habe aus der Nachbarschaft eine Meldung erhalten, dass Sie ein Kind einsperren würden. Kommen Sie ruhig zum Bahnhof.」
( 近所からお前が子供を監禁していると通報があった。大人しく署についてこい。
「Ich hasse es! Warum müssen ich und Michael getrennt werden? ! Hey Michael, du willst mich auch nicht verlassen, oder? Hey, du kannst heute reden, also sag es mir bitte!」
( 嫌よ!なんで私とミヒャエルが離れなくちゃいけないのよ?!ねぇミヒャエルあなたも私と離れるのは嫌でしょう?ね、今日はしゃべってもいいからお願い言って!
私に何かを語りかけてくる女の言葉は当然私には分からず何かしようかと口を開きかけた途端俺の口からは何か言葉が出てきた。
「den Mund halten」
ただ言っている意味は分からなかったがなぜか言葉が聞こえて女は絶望の顔で警察に連れて行かれた。その日から私いや、俺は女に貰った名前ミヒャエルを名乗った。
コメント
3件
この作品大好きです!気長にづづきまってます!