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病院の受付「この人に会うんですか?」
「はい…」
病院の受付「話せないと思いますが…」
「構いません。顔を少し…」
病院の受付「わかりました。部屋まで案内いたします。」
病院の受付「ここの病室になります。あまり長い時間顔を合わせることはできませんが..」
「はい。」
きてしまった。
病院の人も少し遠慮していたのは感じていたが、こんなに病室のドアを重く感じたことはない。
ガララ、と病室のドアがあく。
そこにいたのは、点滴をつけたまま寝ていためめんともりだった。
グッと唇を噛み締める。
あの時…もっと早くあいつらに気づいていれば..
私だけが飲み物を買いに行っていれば…
後悔だけが残っていた。
いつ目を覚ますかわからない。
もう一生目を開けてくれないかも知れない。
「やっぱり…」
「わかってても…辛いや」
病室から出ようとしたところだった。
謎の声「また…きてね」
バッと振り向く。
めめんともりの声が聞こえた。
「…うん」
病室から出る。
病院の受付「では、エントランスにお戻りください。」
病院の受付「用事が済んだのであれば速やかにお帰りください。」
「…はい」
結局進展はなかった。
話は聞いてた。全て受け入れられると思っていた。
人間とは..弱く脆い生き物なんだって。
実感した。
それは家に帰る最中のことだった。
こんな事件が起こるなんて思いもしなかった。
おじさん「火事だぁーーー!」
おじさん「逃げろぉーーーー!」
交差点で大型トラックとスポーツカーが激突し、爆発したのだ。
爆発に巻き込まれたのはトラックの運転手とスポーツカーに乗っていた男女だった。
近くの家に火が燃え移り、小さい子供が取り残されているといっていた。
「火事です、〜〜のTELLER交差点で大型トラックとスポーツカーが激突し、近くの家に引火しました。家の中には小さい子供が取り残されているとのことです。トラックの運転手とスポーツカーに乗っていた男女は生存が確認できる状況にありません」
やるしかない。
中から5歳あたりの子供の泣いている声が聞こえる。
私が死んでも子供が生き残れればいい。
強引にドアを破って中に入った。
そこまで燃えてはいないようだ。
子供は2階にいるようだ
おじさん「子供は2階だー!」
階段を駆け上る。
2階の方が煙がひどかった。
部屋のドアを開ける。
そこには部屋の端っこに追いやられ火傷をしている女の子を確認できた。
が、入ってきたドアが開かなくなり、逃げ道がなくなった。
窓を割って出るか?いや、そんな危険なことはしない。
着地地点に火があったら?子供もろとも火だるまになってしまう。
おじさん「消防車はまだかーーー!」
おじさん「勇気ある高校生が助けに行ってくれてんだよーーー!」
「せめてこの女の子だけでも…」
窓を割って飛び降りる…生きる保証なんてない。命が助かる確証もない。でも、こうするのが最善だった。
「頼む…!」
背中に強い衝撃を覚えた。
「う”っ!」
そこで私は気を失っていた。