誰か、助けて───
最後の言葉の次に目を覚ましたのは見覚えのない知らない部屋だった。
(どこだ、ここ?)
怪我のせいなのか、古びたソファーに長時間寝ていたせいなのか全身がとても痛く体を少し起こすのが精一杯だった。俺の体を見ると包帯が巻かれており誰かが手当してくれた形跡がある。しかし、体は汚れたままだった。次に部屋を確認しようと辺りを見回すと 乱雑に脱ぎ捨てられた服、飲み残しの飲み物、埃っぽい部屋お世辞でも綺麗と言える部屋では無い。俺は理解が追いつか無かったが一つだけ理解出来たことはある。一刻も早く部屋から出るべきだと。赤の他人を部屋に連れてくる奴はろくな奴では無いと思い、激しい痛みに襲われながら立ち上がろうとすると隣の部屋からガチャリという音がなり、一人の人が出てきた。スラリとしたスタイルに丸い眼鏡をかけボサボサの髪をした女性、、、?男性、、、?かが分かりにくい中性的な顔立ちをした若い人だ。お互いに見つめ合い少しの沈黙が続いたあと相手の人が口を開いた。
「お、おはようございます。た、体調は大丈夫ですか?」
相手の質問に答えようとすると声が出ない事に気がついた。相手の質問に答えなければ、ここはどこなのか、なぜ声が出ないのか、たくさんの疑問が浮かんでは消えてを繰り返し混乱していると相手はそれを察し紙とペンを持ってきてくれた。
「会話が難しいようでしたら、こちらの紙に書いて頂くことは可能でしょうか?」
相手の機転の利いた行動のおかげでお互いに会話ができる状態になった。
『助けて頂いてありがとうございました。何から何までありがとうございます。』
「大丈夫ですよ。部屋に上げたのも手当をしたのも私の独断の判断ですので気にしないでください。」
(ほんとに助かる。え?ちょっと待て、今私と言ったか?女性、、、なのか? )
『少しお聞きしたい事があるのですが大丈夫でしょうか?』
「どうぞ。私に答えれることなら。」
『失礼な質問で申し訳なりませんが、あなたは女性でしょうか?』
「そうですよ。このような見た目なので間違えてもしょうがありません。気にしないでください。」
(やってしまった。意識が無かったといえど、女性の部屋に上がってしまった。しかも性別を疑ってしまった。失礼な事も言ってしまった。相手は気にしないように言っていたが罪悪感が後を耐えない、、、)
(手当をしてもらっていても、体が汚れたままなのが納得できる、、、)
また沈黙が訪れようとしたら俺のお腹から空腹を知らせる音が部屋に響き渡った。彼女は笑いながら
「朝食にしましょうか。準備しますので、先にシャワーでも浴びて来てください。」
『ありがとうございます。シャワーお借りします。』
シャワールームに行くとそこには脱ぎ捨てられた彼女の洗濯ものが落ちていて俺は動揺しながらシャワーを浴び、少し焦げた食パンの上にレタスと目玉焼きが乗った朝食を食べるまでは落ち着くことが出来なかった。
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