テラーノベル
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※暴力・嘔吐表現あり
君は怒るとすぐに殴ってくるよね。何度も何度も。血が出るまでずっと。
わかる?殴られると痛いんだよ、苦しいんだよ。
でも君は気にせずずっと殴り続ける。怒りに任せて、怒りが収まるまで。
溢れて止まらない血液を見ても、君はまだ殴るのを辞めない?辞めたくない?
気持ちよくなっちゃった?自分が上だって勘違いできちゃった?
おばかさんな君。それでもぼくは君が好きだよ。
君がぼくを殺しても、永遠に。
「なーんてね、冗談だよ」
君は血だらけの拳を震えさせながらただ黙っている。
それは怒りなのか恐怖なのか、分からないけど。
「もっと甚振ってよ、君が望んだことなんだよ」
ナイフを渡そうとすれば小さく悲鳴をあげて僕の手を振り払った。
少し指が切れて血が垂れる。真っ赤な血液。君の瞳みたいで少しどきっとした。
「はやくしてよ〜」
ずっと黙って動かないままの君を見つめる。つまんないつまんない!君が始めたことなのに!
(もっと蹴ったり殴ったりしてくれると思ってたんだけどな〜)
別にそういうことが好きなわけじゃない、ただ、乱暴になって理性を失う君を見るのが好きなだけ。
ぼくを殴る時の苦しそうだけど気持ちよさそうな顔が、瞳が、全てが__ぼくを狂わせて離さない。
血で汚れたベッドで殴られたりキスしたり首締められたり、たくさんはしゃいだ。
途中君は気持ち悪さから嘔吐してぼくを拒絶した。
そんなことしても無駄なのにね、君を守る人は一人もいないよ。
はたから見たら君は「友達を血だらけになるまで殴った狂人」って認識になるんだから。
誰も君を擁護しない。されるのはぼくだけになる。
だから君は誰にも相談できない。ずーっと孤独。ずーっと悪役のまま。
ぼくみたいに明るくて人懐っこい子は、永遠に悪役になれないし、ならない。
最初から立場は決まってたんだよ。
「泣かないで、Pest」
ぐずぐずしている君をぼくは抱きしめてあげた。
いつもより小さい身体が可愛くてたまらない。
そうだよ、君にはぼくしかいない。
「ぼくが味方になってあげる。」
どうしようもない状況に君はずっと泣くだけ。
(ずっとそのままでいてね)
ぼくがいなきゃ何も出来ないPestのままで。
コメント
1件
鬼リピします。