9話
あれから数日間、
俺はアイツにストーカーされている
「やあ〜ツンニキくん!」
「……」
元凶の登場。
コイツ、あの時の変態マッシュ
何故か毎日、俺に構ってくる。
「ねえねえ、何してるの〜?」
こいつ…自分のした事分かってんのか?
平然と話しかけてくんなよ…
「…ついてくんな」
「あ、お散歩?一緒に行こうよ〜!」
いや、話聞けよ!?
てか最初に無視された時点で諦めろよ、
まじ怖ぇんだよ…
「…どっかいけよ変態、…」
「あ!オフィス行く〜?いいよ!」
……怒
「やっぱり、あ!別のところがいいかな!」
…流石にしつこ過ぎねぇか…!?
もう、俺は怒ったぞ?
「おいっ、お前しつこいぞ!?」
俺は勢いよく振り返った
「っ!うわっ」
その反動でコイツは1歩後ろに下がる
「急に振り返らないでよ、びっくりすなぁ…」
「…ふん、」
お前が悪いんだろうが…
何故か驚いている変態マッシュ
驚きたいのはこっちなんだけど。
無視されてんのに話しかけ続けれるそのメンタル、
なんか…1周まわって尊敬。
「…ってか!何なんだよお前!」
「ん?」
「何でそんなっ、毎日…俺につきまとうんだよ、」
「…え?」
「正直うざいんだけど…迷惑だわ。」
「どうしたの…?急に、」
すぐ飽きて居なくなるだろうと思っていたから、
なんだかんだ許していた
流石に、毎日毎日は…
「はぁ…お前見てると腹立つんだよ、」
「…っ」
俺がつい荒い口調で喋ると
マッシュは俯いたまま黙ってしまった
あ、やべ…また言い過ぎたか、も?
…また酷い事されないよな、?
「そっか。」
しばらく黙っていたマッシュが言った
それがどこか寂しそうに聞こえた
「…ごめん。もう関わるのやめるね。」
「…は、?」
急に…何言ってんだ?
コイツが?なんだって…??
「…今までごめんね。もう二度と関わらないから…」
「は…っちょ、何言って、!」
「…さようなら。」
そう吐き捨てて引き止める間もなく、
マッシュはどこかへ消えてしまった
「…っ、?」
俺はその場に崩れ落ちた
なんで?なんで急に…?
もう二度と関わらない、って…?、え?
あんなしつこく…無視しても着いてきてたのに、?
急に…なんでっ、
「…もう、会えないのか…?」
…そうだ、
これでもうしつこく追いかけられることも、
話しかけられることも…なくなる。
「…っもう、二度と…」
触れられることもない。
「……うっ、」
冷えきった手の平で顔を覆った
「っこれで、いいはずなのに…っ」
何故か涙が止まらなかった
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