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あや
#🍃☁️
暇な時、彼女は『もしも』を想像し、それを劇にする。
今日はサスペンスドラマの被害者を演じるつもりだ。
風船を膨らまし、裁縫用の針を一本姫子から借りる。
そして彼女は、深呼吸を一回し、口を開いた、しかし、うるさくすると怒られてしまうからか、声は控えめだった。
星「……今、今琥珀紀最大のショーが始まる!この醜く脆く脂っこい、その前菜を主食で洗い流す時が来た!」
続けて
星「きっと、いや、絶対におもしろくなるショーだろう!」
星「私はこの醜い舞踏会を終わらせに来たんだ!盛大な拍手を求めよう!」
星「さぁ、みなさん、盛大な拍手と歓声が響き渡ったところでショーの始まりです!さぁ、どうぞご覧あれ!」
……パーン!
風船の割れる音だ。発砲音にも近いだろう。
星「っ…!…見たか諸君ら!…今、今琥珀紀最大の、ショーの始まりを…!」
彼女の演技は確かに本物だ。いつも一緒にいる友人らを騙せるほどだろう。
そして運悪く彼女が咳き込んだとき、誰かの忙しい足音が聞こえた。
「うーん、やっぱり、パムのお手伝いをしてた方がマシかも……」
そう呟いた瞬間、誰かがドアを開ける音が聞こえた。
星「ん?誰?」
そういいながら振り替えると、そこには豆鉄砲食らった鳩のような表情をした丹恒がいた
丹恒「……いたのか」
星「うん、いるよ?どうかしたの?」
彼女はそう答えた。
丹恒「……お前という者は」
彼はそう言い、自身の額に手を当てた
星「何?もしかして、私の事心配してくれたの?ありがとう。でも、残念ながらこれは劇。というかドラマの真似。」
彼女は『それが何?』とでも言いたげな表情で割れた風船を片付けた。
丹恒「……ああ。」
彼は一本取られた。という顔をし、こう言った
丹恒「あまり人を誤解させるような事はするな。……迷惑だ。」と
─『迷惑』─彼は焦ってその言葉しか出なかったのだろう。
星「なんか、この劇やり過ぎてつまんなくなっちゃったかも。……ふわぁあ」
丹恒「はぁ……なぜそうも、途中で放棄するんだ……」
丹恒が深い溜息をつき、散らかった片付けを手伝おうと腰をかがめたとき、星はすでに別のことに意識を奪われていた。
「んー、やっぱりもういいや。お腹空いたし、今日はおしまい!」
先ほどまでの深刻そうなサスペンスの主人公はどこへやら、星はケロッとした顔で伸びをした。
結局、その日は姫子特製の特製コーヒーを(星がこっそり避けて)夕食代わりにみんなで囲み、賑やかな夜が過ぎ去っていった。
星穹列車の車内は静まり返り、それぞれの自室の灯りが消えていく。深夜二時。宇宙の闇が最も深く、冷たくなる時間帯だった。そして、その時
コツ、コツ、と。
静寂に包まれた列車の通路に、控えめな足音が響く。
丹恒の部屋の扉の前に立っていたのは、パジャマの裾を揺らした星だった。彼女は何度も自身のこめかみを押さえ、気まずそうにうろうろと歩き回っている。
(うう……なんか、変な劇やったせいか、頭が冴えちゃって全然眠れない……。それに……さっきの丹恒の顔が、なんか頭から離れないし……)
天井を見上げ、何度も羊を数えてみたが、一匹も現れない。むしろ、昼間に見た丹恒の「一本取られた顔」と、その直後の冷ややかな「迷惑だ」という声がリフレインして、心臓が変なリズムで跳ねる。
一人で暗い天井を見つめていると、妙に心細くなってきた。
コン、コン。
思い切って、星は丹恒の部屋のドアを小さく叩いた。
返事はない。だが、鍵はかかっていなかったらしい。ガチャリと音がして、ドアがわずかに開く。
「……こんな時間に誰だ」
そこには、寝間着姿のまま、低い声で眉をひそめた丹恒が立っていた。しかし、その視線の先に星の姿を認めた瞬間、彼の動きがピタリと止まる。
「……星? こんな夜中に何の用だ」
「んーっとね、丹恒。あのさ……」
星は両手をモジモジさせながら、気まずそうに視線を逸らした。
「眠れないの」
「……は?」
「眠れないの! だからさ、ちょっとだけ、入れて?」
そう言うが早いか、星は丹恒の返事も待たずに、するりと彼の部屋の隙間へと滑り込み、勝手を知った様子で部屋の奥へと進んでしまった。
「おい、勝手に入るな。ここは俺の――」
「わぁ、丹恒の布団、なんかひんやりしてて気持ちよさそう……」
丹恒が制止する間もなく、星はすでに彼の布団にダイブしていた。
綺麗に整えられていたシーツと掛布団が、星の乱暴な侵入によって一瞬でぐちゃぐちゃになる。星はそのまま横向きになり、丹恒の枕をギュッと両腕で抱きしめた。かすかに彼の匂い――消毒液と、古い本の紙の匂いがして、胸の奥がキュッと締め付けられる。
「こら、俺のを勝手に使うな。自分の部屋に戻れ」
「やだ。戻ってもどうせ眠れないもん。それに、丹恒の部屋は落ち着くの。ほら、ここ、まだ少しスペースあるよ?」
星は布団の端をめくり、ぽんぽんと自分の隣を叩いた。
丹恒は頭痛を抑えるように、片手で自分のこめかみを押さえる。深夜の静けさの中、招かれざる客が持ち込んだ圧倒的な生活音と甘い気配が、彼の理性の境界線をじわじわと侵食していく。
「……本当に、お前という奴は……」
呆れたような、しかしどこか諦めを含んだ低い呟きとともに、丹恒は電気を完全に消し、布団へと歩み寄った。
星は目をぱちくりさせながら、横たわってきた丹恒を見上げる。
月明かりだけが窓から差し込み、彼の整った横顔の輪郭をぼんやりと浮かび上がらせていた。
「ねえ、丹恒。怒ってる?」
「……怒ってはいない。ただ、呆れているだけでな」
「よかったぁ。じゃあさ、少しだけお話してよ。今日やった劇の続きとかさぁ……ふわぁあ。やっぱ明日にしよ」
その言葉が、最後の引き金だった。
「劇」という単語を聞いた瞬間、丹恒の中で何かがプツリと音を立てて切れた。
昼間のふざけた芝居、勝手に死を匂わせる不吉な台詞、そして今夜、こうして無防備に自分のテリトリーに踏み込んできた彼女の存在。すべてが、彼の隠していた独占欲の蓋を吹き飛ばすには十分すぎた。
しかし、もう彼女は寝ていた。
さっきまで寝れない寝れないと騒いでいたのに。
だが、寝ているから何だ、という話だ。
起こせばいいだけだ。
「っんむ……!?」
不意に塞がれた唇。
寝起きの弛緩した脳が一瞬で覚醒し、星の視界に、至近距離にある丹恒の切迫した瞳が飛び込んでくる。
――15秒。
最初は、驚いて硬直する星の唇を抉るような、激しい貪りだった。
背中に回された丹恒の腕に万力のような力がこもり、ベッドのマットレスへと深く沈められる。鼻から抜ける星のくぐもった悲鳴ごと、丹恒はその呼吸をすべて吸い上げていく。
――30秒。
「ん、んぅ……っ、あ……」
隙を突いて侵入してきた舌が、口内の天井を、歯列を、裏側を、執拗になぞりあげる。
容赦のない蹂躙。息をさせてくれない。
星はたまらず丹恒の胸元を掴み、押し返そうと拳に力を込めるが、びくともしない。それどころか、抵抗した隙間にさらに深く、容赦なく舌を差し込まれ、組み敷く体勢はより強固なものになる。
――45秒。
「ふ、く、ぅ……ん、む……」
つなぎ目から溢れた銀糸が、星の顎を伝ってシーツを汚していく。
もう抵抗する力は残っていない。
酸素が足りない。頭の芯がじわじわと熱くなり、思考が強制的にシャットダウンされていく。
掴んでいた丹恒の服の手が、ずるずると解けてベッドに落ちた。
――60秒。
1分が経過しても、丹恒の猛進は止まらない。
むしろ、星が完全に脱力し、自分にすべてを委ね、溺れるしかなくなったことに、ひどく歪んだ悦びを感じているかのように、キスの角度を変えてさらに深く、深く、吸い上げていく。
舌を噛んだって、何をしたって、もう聞かないのかもしれない。
「は……む、うぅ……ひっ、く…」
星の視界の端に、じわりと涙が浮かぶ。
苦しい。熱い。だけど、頭が溶けていく感覚の中で、丹恒のこの狂おしいほどの執着が、不思議と心地よくすらなり始めていた。
――80秒。
限界だった。星の身体が、酸欠でピクピクと小さく震え始める。
限界だ。
少し、スカートが濡れ、胸が苦しげに上下し、酸素を求めて喉が鳴る。
そこまで来てようやく、丹恒の瞳に僅かな「理性」の光が戻った。
――90秒。
「……ぁ、は」
ちゅぷっ、と、濡れた嫌らしい音が静かな部屋に響き、1分半に及ぶ監禁のような接吻が、ようやく解かれる。
繋がっていた銀糸がぷつりと切れた瞬間、星は少し小さく口を開けて「ひゅう、っ、げほ、ごほっ……!」と激しく咳き込んだ。
涙目で、真っ赤になった唇を震わせながら、荒い呼吸を繰り返す。
「は、あ……っ、なん、で……し、死ぬかと……っ…おもっ、ちゃ…」
ぜぃぜぃと肩を揺らす星。
その上に覆い被さったままの丹恒は、自分の親指で、星のじっとりと濡れた唇をゆっくりと拭った。
その指先はわずかに震えていて、瞳の奥には、まだドロりとした暗い熱が残っている。
「……死なせない。お前をそんな風に、簡単に死なせるわけがないだろう」
そう呟く丹恒の声は、驚くほど低く、そして酷く掠れていた。
「……ぁ、は……っ、は、あ……っ」
まだぜぃぜぃと喉を鳴らし、涙目で酸素を求める星の耳に、自身のシーツがじっとりと湿っていく微かな音が届く。
その瞬間、頭が真っ白になった。
(うそ、でしょ……っ)
下半身の、情けないほどの熱さと、じわじわと広がる不快感。
1分半の容赦ない蹂躙のせいで、限界を迎えた身体が言うことを聞かなかったのだ。
一瞬で顔面が血の気を失い、次の瞬間には耳の裏まで真っ赤に染まる。
「っ、ちが、……ちがう、丹恒、見ない、で…っ……!!」
パニックになりながら、震える手で自分の腰回りを隠そうとシーツを引っ張る。
けれど、上に覆い被さったままの万力のような身体は、微動だにしない。
それどころか、丹恒の視線は、星の真っ赤に腫れた唇から、ゆっくりと下へ――隠そうとしている、濡れたスカートの前へと向けられた。
「あ……っ、やだ、みないで……っ!!」
普段の開拓者としての凛々しさはどこへやら、完全にプライドをズタズタにされた星が、泣きそうな声で顔を背ける。
だが、丹恒の瞳に浮かんだのは、幻滅でも嫌悪でもなかった。
むしろ、瞳の奥のドロりとした暗い熱が、一気にボッと燃え上がる。
自分を煽るような人形劇をした女が。自分をあれほど焦らせた女が。
今、自分のキスだけで、こんなにも無様に、無防備に、組み敷かれている。
「なぜ隠す」
驚くほど甘く、そして酷く歪んだ声音が、星の鼓膜を震わせた。
「た、んこ…う…っ、離し、て…汚い、から……っ」
「汚くなどない」
丹恒は、シーツを掴んでいた星の手を優しく、けれど絶対に拒絶を許さない力で剥ぎ取ると、そのままベッドにピン留めした。
そして、じっとりと色を変えたズボンの上から、躊躇いもなくその大きな手のひらを重ねる。
「ひゃ、っ……ぁ!?」
ビクッと星の身体が跳ねる。
「……俺のせいで、こうなったんだろう?」
じわりと圧をかけながら、濡れた布地をなぞるように、ゆっくりと手のひらを動かす。
その指先はまだ微かに震えていて、それが恐怖ではなく、圧倒的な「加虐の悦び」によるものだと気づき、星の背筋にゾクゾクとした戦慄が走った。
もう片方の手で、星の口の中を支配する様に二本指を入れてかき混ぜるように弄る。
「っ、は……あ、ん、む……っ…ふ…」
「さっき、自分の耳に銃を放つ劇をしていたな。……そんな風に、俺の知らないところで勝手に死ぬ妄想をするくらいなら」
丹恒が顔を近づけ、今度は星の濡れた目元に、優しく、 執拗にキスを落としていく。
「俺の手で、呼吸も、排泄も、尊厳も、すべて管理させてくれ。……そうすれば、お前は二度と俺の前から消えようとしないだろう?」
独占欲でまみれた丹恒の心。まるで独占欲は固まりかけのコンクリートかアスファルト、それかレジンのようにべったりついて離れなく、纏わりつく。
「っ、なぁ……それ、は……っ」
あまりの愛の重さと歪みっぷりに、星はもう、反論する言葉すら見つけられない。
ただ、下腹部に触れる丹恒の手の熱さと、自分を全て飲み込もうとする暗い瞳に、二度目の、そして本当の「理性崩壊」を予感して、きゅっと太ももを強張らせることしかできなかった。
「……っ、や、め……離しえ、丹恒……っ」
太ももを割られ、完全に無防備な姿を晒された星は、恥ずかしさのあまり腕で顔を覆い隠してガタガタと震える。
しかし、丹恒の手はスカートを荒々しく捲るわけでもなく、じっとりと湿った布地を避けるようにして、内腿の、一番柔らかい付け根の肌へと滑り込んできた。
大きな手のひらが、熱を持った肌をゆっくりと優しく、慈しむように愛撫する。
あまりの優しさと、指先から伝わる絶対的な支配感に、星の背筋に甘い戦慄が走る。
「……こんなに硬く閉じて、何を隠そうとしていたんだ?」
耳元に、熱い吐息と共に低く、とろけるように甘い声音が吹き込まれる。顔を覆う星の腕を優しく退け、涙で濡れた瞳を覗き込みながら、丹恒は酷く歪んだ笑みを浮かべた。
「俺のキスに夢中で、我慢していたことすら忘れて漏らしてしまったんだろう?……本当に、可愛いな、星」
「っ、あ……ぅ、ちが……っ」
核心を突かれ、星の顔が一気に耳の裏まで真っ赤に染まる。否定しようと喘ぐ唇の端から、また銀の糸が垂れた。
内腿を撫でる丹恒の指先が、じわじわと上へ、一番熱くなっている場所の境界線へと圧をかけていく。
「こんなにぐっしょりと濡らして……。ほら、自分で自分の匂いが分かるか? お前が俺のせいでこうなった証拠だ」
「っ、ひゃ、あ……っ! 言わないで、もう言わないで……っ!」
「言わせろ。お前が勝手に死ぬ劇なんてくだらない真似をするからだ」
丹恒は星の腰を容赦なく掴み、自身の身体をさらに深く割り込ませながら、その濡れたスカートの上から容赦なく熱を押し付けた。
「これからは、俺が許可した時だけ出せ。溜まるのも、溢れるのも、全部俺の目の前だけでいい。……お前の全部を、俺の愛で汚して、満たしてやる」
甘く、それでいて逃げ場のない宣告に、星はもはや抗う気力もなく、ただトロトロにとろけた頭でコクコクと小さく頷くしかなかった。
――それから、どれほどの時間が経っただろう。
あれほど荒々しかった熱気も少しずつ冷めていき、静まり返った部屋には、遠い星々の光だけがぼんやりと差し込んでいた。ぐちゃぐちゃになったシーツの上で、星はもう動かない身体を持て余したように、すっかり落ち着いた丹恒の腕の中にすっぽりと収まっている。
「……っ、ふぅ……」
荒かった息がようやく整い、静寂を取り戻した部屋には、遠い星々の光だけがぼんやりと差し込んでいた。
ぐちゃぐちゃになったシーツの上で、星はもう動かない身体を持て余したように、丹恒の腕の中にすっぽりと収まっている。
あれほど激しく理性を奪い合った熱気は少しずつ冷めていき、代わりに心地よい疲労感が二人の体を包み込んでいた。丹恒は乱れた髪をそっと掻き上げ、星の背中に回した腕にわずかに力を込める。その執着を隠さない確かな体温が、妙に安心感を煽った。
「……もう、動けない……」
「自業自得だ。……少しは反省したか?」
「うー……反省は、気が向いたらする……」
ぶっきらぼうな声とは裏腹に、丹恒の手は星の肩を優しく撫でている。その過保護なまでの独占欲と優しさに当てられて、星はふわりと目を細めた。あんなに騒がしかった夜が嘘のように、今はただ、耳元で聞こえる互いの心音だけが心地いい。
「ねえ、丹恒」
「なんだ」
「明日も、こうしてここにいていい?」
問いかけた星の髪に、丹恒は少しだけためらった後、低く掠れた声で短く応じた。
「……勝手にしろ。どうせ、お前はどこにも行かないだろう」
その少し照れくさそうな、けれど絶対的な肯定を聞いて、星はくすりと笑う。彼女は満足そうに丹恒の胸元へさらに顔をうずめ、安心しきった様子で再び深い眠りへと落ちていった。
冷たい宇宙の夜のなか、星穹列車のアーカイブ室だけは、静かで甘い熱を帯びたまま、穏やかな朝の気配を待ち続けている。
コメント
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ゆめかだよ〜!🌸 読んだ読んだ『読みきり!丹星!』! 最初は星がひとりでぶっ飛んだ劇やってて「なにこの子面白すぎww」って笑ったのに、深夜の丹恒の部屋に突入した瞬間から空気変わった…!?!? あの1分半のキスシーン、描写が細かくてエモすぎて息止まるかと思ったよ…!「死なせない」って言いながらあそこまで独占欲剥き出しにする丹恒、ギャップ萌えすぎる😭💕 最後はちゃんと甘く着地してて、星が「明日もここにいていい?」って聞くところが尊すぎて昇天…!続きあるなら即拝みに行く覚悟できてるよ!!✨