【特別が欲しい】
「可哀想は可愛い」という法律に基づき作成した、あまりにも可哀想な目に遭うmdくんのお話。
ちょっと、あまりにも支離滅裂なのでここに供養させていただきます。
ー ー ー ー ー
誰とも違う、特別な力が欲しい。
そう思うのは当たり前のことだと思う。
「らっだぁ!」
「きょーさんじゃん、なにー?」
「コンちゃんがお茶しよう、だって」
「外交先で買った紅茶の茶葉プレゼントしたら、レウさんが特製のチョコチップクッキー作ってくれたんだよ〜」
この、完璧な人達の輪にいれば、凡人はそう思ってしまうのだ。
「みどり、食へないならはぇふぁうぉ?」
「もう食っとるやん…」
額縁に納めたくなるような美しい光景。
穏やかな眩しい時間。
「…俺ハ、イラナイ」
そこに“汚れ”はいらない。
ー ー ー ー ー
『運営国は実に個性豊かな国である』
外国のお偉いさんが口を揃えてそう言う。
他国とは違って、人ならざる者…所謂人外によって構成されるこの国ではそれぞれの種による文化が混在しているから、どの国にもない特別な個性がある。
「…トクベツ」
あの絵画のようなキラキラした場所から離れて、薄暗い自分の部屋に一人。
ちょっと前までは、あのキラキラの輪の中に入れてもらえることがすごい嬉しかったのに、最近は少し苦手だったりする。
「イタッ…!」
その原因が自分の不甲斐なさの所為だなんて言ったら、らだおくんたちは何のこっちゃと大困惑するだろう。
それは…なんというか、申し訳ない。
自分なんかに優しくしてくれる人たちの顔を曇らせるなんて、そんなことがあっていいわけがない。
カンッ
ビクリと肩が跳ねる。
ここで気付かなかったフリをしてもいい。けど、そうしたが最後、次がどうなるかは分からないから…
「……」
窓を開けて、近くの木に飛びついてズリズリと地面に向かって降りる。
前まではこんな高さどうってことなかったのに、今は怖くてしょうがない。
「…」
無言で鋭い視線がついてくるように促す。
処刑台に連れられる罪人のような気持ちで、俯いて男の背中を追って歩いた。
やがてたどり着いた暗い路地の一角。酒の匂いと自分の血の匂いがこびりついて気持ち悪い。
…気持ち悪い。
「…ゥ、ウ……?」
気を失ってた…
固まって不快な血を他のものと一緒にこすり落として、体を起こした。
今日も相変わらず悪い日だったな。
こんな扱いを受けるのは、俺自身のせいだってわかってるけど、それでも他の人を羨まずにはいられない。
「………ヤッパリ、ダメカ」
魔法を使おうと手のひらを返していつものように念じてみても、応答は無い。
なんなら、不完全燃焼といった感じの気持ち悪さが全身を巡った。
俺の…俺だけの“特別”が消えたのは、あまりにも突然の出来事だった。
ー ー ー ー ー
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