従者「敵国から手紙が届きました!」
国王「なんと書いてある?」
従者「和解の条件に、雨凛さまを人質に寄越すようにと…」
国王「そうか…。雨凛をここに。」
従者「分かりました。」
私、雨凛は、J王国の王家の末っ子として生まれた。
太平洋の果てにひっそりとある、日本の半分ほどの大きさのこの島には、26個の王国がひしめき合っている。
J王国は、隣のK王国と長らく戦争をしていた。
国王「雨凛、突然呼び立ててすまない。」
雨凛「いえ、なんのご用でしょうか?」
国王「K王国は分かるだろ?」
雨凛「はい、敵国ですよね。」
国王「そうだ。今さっき、敵国から手紙が届いた。和解の条件に、雨凛を人質に寄越すように要求してきた。そこで、雨凛の意見を聞きたい。」
雨凛「分かりました。それで、王国が平和になるなら。」
国王「本当に、いいのか?」
雨凛「はい。」
国王「分かった。ありがとう。」
出発の日が来た。
侑李「雨凛。」
雨凛「お兄ちゃん…」
侑李「すごい決断をしたんだね。」
雨凛「王国のためだから…」
涼介「それでも、すごいよ。」
光「本当、俺らの自慢の妹だよね。」
裕翔「元気でね。」
雨凛「うん。」
大貴「辛かったら、いつでもSOS送って。俺たちが助けに行くから!」
宏太「どうやるんだよ」
大貴「それはもう…こう、バーンとかドカーンとか」
慧「馬鹿じゃないの?」
雄也「まあ、国のことは俺らに任せて。」
従者「雨凛さま、そろそろです。」
雨凛「じゃあ、行ってきます!お兄ちゃんたちも元気でね!」
国境線付近でK王国の使者を待った。
使者「雨凛さまですか?」
雨凛「はい。」
使者「では、こちらへ。」
乗せられたのは、囚人馬車だった。
使者「雨凛さま、申し訳ございません。陛下より、雨凛さまを囚人と同様に扱うよう言われておりまして。」
そう言うと使者は、私を縄で拘束した。
K王国の城に着くと、すぐに地下牢に入れられた。
そこで私は、長い年月を過ごすことになった。
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