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10年後。
K国王「そろそろ雨凛を捨ててもいい頃じゃないのか。」
従者「捨てる…と申しますと?」
K国王「奴隷として売り払う。」
従者「分かりました。もう実行しますか?」
K国王「そうだな。早いほうがいいだろう。」
従者「承知しました。」
従者「出ろ。」
雨凛「なんですか…?」
私は薄暗い部屋に通され、拘束具をつけられた。
雨凛「何をするんですか!」
その時、首元にものすごい熱さを感じた。
従者「今のは焼印だ。」
雨凛「焼印…!?」
従者「お前はこれから奴隷として売り払われる。」
雨凛「え…!?」
従者「そのために、今までの記憶も捨てさせてもらう。」
そう言って従者は部屋から出ていく。
その時、急に眠気が襲ってきた。
従者「その睡眠ガスには、記憶喪失を助長する成分が入っている。」
目覚めた時は、馬車の中だった。
従者「目覚めたか。お前、名前は?」
雨凛「名前…?」
従者「分からないか。ならば今日からお前は、16番だ。分かったな?」
雨凛「はい…」
従者「彼女をこれから商品にしてくれ。」
奴隷商人「焼印は?」
従者「ここだ。」
奴隷商人「首元か。いいだろう。」
それから3年が経った。
奴隷商人「16番、お前はもう商品としての価値がない。あと1週間以内に売れなかったら命はないと思え。」
大貴「ねぇ、本当に雨凛がこの国にいるの?」
涼介「ああ。そう聞いてる。王国の外れの地方で、奴隷として売られてるって。」
裕翔「どういうことだよ。」
光「そういうことでしょ。」
雄也「それを俺らが買いに行くってこと?」
涼介「そうだ。」
私を買ってくれる人なんて、きっといない。
そう思っていたその時だった。
周りが騒々しい。
どうやら、馬車から降りてきた人々を眺めているらしい。
涼介「ほら、雨凛だ。」
裕翔「本当だ…」
涼介「すみません、彼女をください。」
え?私?
奴隷商人「いくら出せる?」
涼介「1000万でどうだ?」
奴隷商人「1000万!?乗った。」
私は解放され、彼らの馬車に乗せられた。