彼らの城に着いてから、私は1週間ほど地下牢に入れられていた。
ある日のことだ。
慧「ほら、出て。陛下がお呼びだよ。」
16番(雨凛)「陛下が?」
慧「そう。」
私は言われるがままについていった。
宏太「俺らのこと、覚えてるかな?」
16番(雨凛)「すみません、覚えてません。」
宏太「どこまでの記憶がある?」
16番(雨凛)「奴隷として売られたのが、1番古い記憶です。」
宏太「そうか。自分の名前は分かるか?」
16番(雨凛)「いいえ…」
宏太「お前の名前は、雨凛だ。」
雨凛「雨凛…」
宏太「雨凛、俺と結婚してください。」
雨凛「そんな…、私は奴隷の身分ですよ?」
宏太「いいや違う。雨凛は、J王国第1王女で、俺らの大事な妹だ。」
雨凛「えぇ?」
宏太「俺たちは、雨凛を守りたい。だから、俺と結婚してくれ。」
雨凛「でも、私なんかが陛下と…」
宏太「大丈夫。俺たちが雨凛を立派な妃にしてあげる。だから安心してくれ。雨凛と結婚するのが、俺たちの願いだ。」
雨凛「分かりました。そこまでおっしゃるなら…」
宏太「ありがとう、雨凛。」
村人A「ねぇ聞いた?国王陛下がご結婚なさるんですって!」
村人B「ええ。お相手はどんな方なんでしょうか?」
村人C「きっと素敵な方なんでしょうね!」
結婚式の日。
侑李「雨凛、緊張してる?」
雨凛「はい…」
裕翔「大丈夫だよ。素敵になってるから。」
雨凛「でも、私を受け入れてくださいますかね?」
侑李「それは、心配しなくてもいいんじゃないかな?だって雨凛は、この国の第1王女だよ?」
雨凛「そうですね…。」
涼介「綺麗だよ、おめでとう。じゃあ、行ってらっしゃい。」
雨凛「はい!」
宏太「本日、私は雨凛と結婚したことを宣言いたします。彼女は、私にとって妹であり、運命の人もあります。これから、彼女を守り抜くとここに誓います。」
村人A「まあ!結婚相手は雨凛さまだったのね!」
村人B「いつ王国にお戻りになったんでしょう?」
村人C「でもきっと、素敵な夫婦になるわね!」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!