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うわ最高!💓めっちゃ続き気になります!🫣ナムギュも生意気なのかわいいな笑
教室の窓から見える午後の空は、じっとしているのにやけに騒がしかった。
ミョンギは溜息を一つついた。スマホに届いた通知が目に入る。
“そーいや、サノスのやつ、2年の後輩と付き合ったらしいぞ〜笑”
「……は? 」
思わず声が漏れた。…
サノス。
あの横暴でわがままで、いつも人をからかってばかりの男。
俺のことも例外じゃなかった。
「おーいクソミョンギw彼女はどーしたんだ?振られたのか?ww」
そんな言葉を聞き流すのが日常だったはずだった。…なのに、心が妙にざわついていた。
夕方の6時頃。今日のことが忘れられずぼーっと空を見ていた。
放課後、人気のない中庭のベンチに見覚えのある人が現れた。
嗚呼あれがサノスの恋人か、ナムギュとか言ったっけ。綺麗な面してる。
「兄貴と仲良くしてくれてありがとうございます。ミョンギ先輩?笑」
「…はァ?」
「でも、もう遠慮しなくていいですよ。兄貴は俺が守るんで」
あいつに似た生意気な喋り方。年下のくせに…。でもその目はまっすぐで、本気のように見えた。
「勝負、しましょうよ。先輩もどうせ好きなんでしょ?兄貴のこと」
そう言い残して、ナムギュは帰っていった。
俺は、心が音を立てて揺れるのを感じた。
サノスとナムギュが付き合ってる、と言う噂を聞いた日の夜。
ミョンギはひとり、スマホを握りしめたまま布団の中で目を閉じていた。
サノスの声が耳の奥でこだまする。
“ミョンギ〜wまた勉強してんのか?w”
“お前がこのサノス様に、勝てると思ってんのか?w”
ムカつく。うるさい。
…でも、その言葉の裏には何かがある気がして、ずっと引っかかっていた。
あいつの笑い方。人には見せない、ふとした横顔。いつの間にかサノスのことばかり頭を埋め尽くしていた。
どうしてこんなに心がざわつくのか、
どうしてあいつの笑顔を他の誰かに見せたくないと思うのか。
それが恋だと、ようやく気づいた。
「ぁッミョンギじゃ〜んw」
いつものように教室に響き渡るあいつの声
聞き慣れているはずなのに、
「お前さ、俺のこと嫌いなくせに何で構ってくるんだよ」
昨夜から気が収まらず冷淡な口調で問いた。
サノスは眉間にしわを寄せて、俺の自由だなんて言っていたが、その目は確かに揺れていた