テラーノベル
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美沙 ⚠️停止中⚠️
ついに朝が来てしまった
装備を整える手が、わずかに震える
順番は守っている、配置も変えない
それでいい
そのままでいい
きっと大丈夫
視線を落とす
絶対上げない
絶対顔を見ない
そう決めて前線に立つ
戦闘は淡々と進んでいく
被害は最小限、判断も正確
副隊長として、問題はない
だが、足音が近づくたび
意識が引きずられる
見るな
見るな
無意識に顔を追っている
塗りつぶしは、ほとんど残っていなかった
輪郭は明確で、配置も整っている
歪みは消え、代わりに表情がある
感情が、見える
それが怖い
恐怖、後悔、怒り
それらが混ざった表情
知っている
知っているはずだ
視界がグラグラとブレだす
思い出すな、という本能的な拒絶だろうか
名前が、喉まで来ている
呼べば、きっと壊れる
そう分かっている
撤収中、爆音がした
炎が視界をかすめる
一瞬だけ、あの日が重なった
燃える基地
逃げ場のない夜
熱と煙
その中心で、誰かが振り返る
「にげろッ」
顔が、溶ける直前
はっきりとした輪郭
呼吸が止まる
違う
今じゃない
必死に目を逸らした
、、、夜になっても眠れない
目を閉じるたび、同じ顔が現れる
もう、他の顔は出てこない
あの顔一つだけ
塗りつぶしは、完全に消えている
感情が先に来る
言葉はまだ思いつかない
だが分かっている
次に目を覚ましたら
思い出す
思い出してしまう
次できっと終わりだ
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