彼はその色も乳首の味も知っている、彼女に別れを告げられてから、恋しくてしかたがなかったものだ
「ナオ?」
寝言に過ぎなかったがその声にビクッとして、紗理奈の首に手を当てた
「ここにいるよ・・・どうした?」
紗理奈は背中をのけぞらせ、けだるそうに体を伸ばした、そんな彼女に優しく上掛け布団をかぶせた
直哉の全身を血が駆け巡る、欲望を抑えることに直哉は慣れていなかった、こんなつらい思いは体験したことない
しかし今は耐えよう、禁欲の坊主集団に入っても大丈夫なぐらい、今の自分の忍耐力は優秀だ
直哉もすばやく服を脱ぎ捨てると、ボクサーショーツだけになった、窓を開け、ほのかに秋の気配を感じさせる、風でほてった体を冷やした
しかしそれもあまり効果はなった
ベッドにもぐりこむとすぐに、寝ぼけている紗理奈がぬくもりを求めて直哉に、しがみついてきた
直哉の体に脚をからめ、熱く硬くなっている所に腰を押し付けてくる
これでは拷問だ、直哉はまたもや熱くなった
「紗理奈・・・紗理奈・・・ああ・・・ずっと君にこうしたかったせめてもう一度キスだけ・・・ 」
直哉は紗理奈の顔を自分に向かせ、熱くキスをした
彼女の目は閉じたままだが、ふいに大きく口を開けた、すかさず彼は彼女の口の中に舌を差し込み、甘い感覚を味わった
しかし彼女は大きくため息をつき、枕に深々と頭を静めた
直哉は声を上げて笑った
「キスで女を眠らせたのははじめてだ」
それから紗理奈を反対に向かせ、しっかりと腕に抱き、二人はスプーンのように同じ向きで重なった
直哉の体は紗理奈を愛したくてたまらなかったが、今は抱いているだけで満足だった、彼女が自分の手の中に戻ってきた
内田和樹に取られないで良かった
本当によかった
そっと両手を紗理奈のおなかに持っていき、子宮の上でピタリと止めた
そして優しくささやいた
「・・・お父さんだよ・・・・」
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