ねこに走ってついていって、その裂け目とやらがある実験室に向かった。するとそこには皆が居て、僕たちを迎えに来たみたいだった。ゴマたんが説明した。「君たちは元々、キヴォトスという場所に居たんだよね。だから君たちには戻る義務がある。」そして皆悲しそうな顔や、楽しそうな顔、色々な表情をしていた。すると緋彗が近づいてきて、再生している包帯で包まった腕で押し花のしおりをくれた。そして僕たちは裂け目を見た。真っ青に光っている裂け目を見て、悲しくもなり、嬉しくもなった。先にホシノとシロコを行かせて、僕は感謝を述べる事にした。感謝を述べたあと、ゴマたんがもう一度説明した。「心配していないかもしれないが、時間は裂け目に入った時に戻っている。今は7月だから、4月に戻る。そして、君以外の生徒からは記憶が抜ける。だから向こうに戻ったら君だけしか覚えていない。」僕はその話を聞いて、ゆっくり頷き、裂け目へと入っていった。最後の景色、皆が手を振っていたり、号泣していたり、泣くのを我慢している子がいっぱい居た。ゴマたんも表情は変わってないけど、悲しそうな声のトーンをしていた。
裂け目から出てくると、ホシノとシロコ、そして僕は同時に目覚めた。見慣れた天井があり、嗅ぎ慣れた木の匂いもする。起き上がると、ホシノがゆっくり起き上がった。「うへ〜、何があったんだろう〜…」「ん、沢山寝てたのかも。」ほんとに記憶が抜けてるのを感じ見て、少し寂しくなった。僕の手には緋彗から貰ったしおりが握られていた。
忘れない内にこれをメモに残すことにした。
…年4月18日 先生
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