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サファイアに沈む

サファイアに沈む

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サファイアに沈む

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2023年06月26日

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nmmn、irxsと言う単語を聞いた事が無い、苦手意識があるという方は今すぐ記憶から抹消してください。

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この作品は、実在する歌い手様の名前を借りたnmmnです。ご本人様とは一切関係ありません。

ここまで踏まえて大丈夫だよという方のみ次のページへお進み下さい。



死ネタ注意









ルビーの幼い彼は、いつも努力を欠かさなかった。

どんな壁にも怯むことなく立ち向かっていくその勇気に憧れていた。

そんな彼は、炎の中へと消え灰と化した。

その光景が悲しいはずなのに何故かとても美しくも思えた。

アクアマリンの明るい彼は、周りをいつも和ませた。

自分のもとに訪れる幸福を、見返りも求めず周りの人々に分け与えた。

そんな彼は、空へと上り二度と姿を表さなかった。

彼の明るい笑顔と声を思い出すと少し心と身体が楽になるような気がした。

パールとアメジストの笑顔の彼は、どんな時でも笑わせてくれた。

自分の大切な人たちには限りない愛情を注ぎ、心を落ち着かせてくれた。

そんな彼は、雪に迷い込みその身体を冷たくした。

大切な人を失った悲しみで涙を流し続けた。

ローズクォーツの真面目な彼は、いつもみんなをまとめてくれた。

立て続けに大切な人達を失い苦しみながらも、皆の心を癒してくれた。

そんな彼も、桜が散る頃に鼓動を止めた。

心の中に、彼の優しさが残った。

オニキスの頼れる彼は、どんな時でも皆を正しい方向へ導いてくれた。

挫けても何度でも諦めずに立ち上がり、夢を実現させた姿に尊敬していた。

そんな彼は、闇夜に溶け込み星となった。

彼が最後に残した言葉のおかげか、不安や恐怖はもうなくなった。





さて、どれだけの時がたっただろう。

長かったようにも、短かったようにも思える。

近くの森にみんなの墓がある。

誰にも気が付かれないような、静かな場所に。

俺は4つの身体を埋めて、5つの墓をつくった。墓参りをし、家に帰ろうとしてふと足を止めた。

『俺の色』が目の前にあったから。

そこにサファイアが広がっている。

少し突き出している崖。そこの柵から少し身を乗り出してみると、見えたのはゆらゆらと揺れる水面。

見とれていると、後ろに気配を感じた。

振り向いた視線の先にいたのは





よく知っている彼だった。





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海の前に佇む愛しの人。

彼がふと後ろを向いた。


目が合った。


彼は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐにいつものほほ笑みを浮かべた。


「やっぱり、───だったんやな」


優しくそして小さく、悲しい声で名前を呼ばれる。

サファイアの賢い彼は、やはり真実にたどり着いていたようだ。

少し頷いて微笑む。


そして1歩踏み出し、彼を突き落とした。


彼は青色に溶けていった。



ひらひらと目の前を桃色の花びらが通り過ぎた。

ふと花びらが来た方向を向くと日が昇っていた。

日の周りは少し明るくて水色が見える。

いつの間にか朝が来ていたらしい。

まだ反対側の空は黒いままだが。

再び海に目を向ける。美しい青色の中に一筋の緋色の筋が伸びていた。

それを見た瞬間、頭の中で何かがショートしたように目の前が真っ白になる。

そして、柵を乗り越えてサファイアに飛び込んだ。

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