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⚠ 青黄
⚠ 主の妄想
⚠ ご本人様とは何の関係も御座いません。
シチュエーション的に、酔っ払った青さんとシラフな黄さんです。
メンバー4人とも出てきますが、桃赤要素と橙紫要素があります。
⋆꙳✮
「ななもりさあああん」
そう言ってお酒を飲んでいるのは同じすとぷりのメンバーのころん。
今日は久々にすとぷりのメンバーみんなで居酒屋に来ているのだ。酒を飲んだころんがこうやって酔っ払うのはいつものこと。
「もー、ころちゃんお水飲みな?」
そう優しく声をかけても机を加減しつつ叩くころんに苦笑する。なんかあったのかな?
「どしたのころちゃん、なんか悩み?」
「いや、違うんすけど……なんかぁ……」
そう言って彼は爆弾発言をした。
「るぅとくんのこと好きなんすよ」
そう言ったころんに思わずななもりは飲んでるコーラを吹き出しそうになった。慌てて周りを見渡すが、るぅとは居なくて、さとみとトイレに行っているようだった。その事実にホッとするが、じぇりーぬには聞かれていたようでこちらを驚いたげに見ていた。
そしてジェルが2人のところにやってきて、こう言った。
「お前らまだ付き合ってなかったん?」
そういったジェルにななもりは頭を抱えた。
このころんの発言を聞いて、思う気持ちは2パターンに別れるだろう。
まだ付き合ってなかったの?
ころんってるぅとのこと好きだったの?
って。でも、正直言うとななもりもジェルと同じ気持ちであった。
昔は半同棲していたぐらいに一緒に居た彼ら。今でもお互いは特別かのような雰囲気を醸し出す彼らに何度疑問を抱いたことか。
そして、ころんがるぅとを特別に見ていたことも知っているし、るぅとがころんにだけ許しているスペースや距離感も知っている。
正直、付き合ってないと言われる方が難しいぐらいに彼らはずっと一緒に居たし仲良しの次元が違うほどに距離が近い場面もあった。
「ころちゃん。その気持ちはわかるんだけど、活動はどうするの?」
お酒の入ってないおかげで冷静に判断できるななもりは落ち着いてころんにそう問いた。
でも、ころんは酔っている。いや、酔っていないとそんな爆弾発言をころんがするわけない。
「だってるぅちゃんのことが好きなんすよぉ!!まじで好きぃ」
そう言ってデレデレ笑うころんに3人は苦笑した。どうしたものか。
そんな中、ドアがガラガラと開く音がした。3人はその音がする方向をむくと、さとみが顔を出していたが この個室の空気感に何かを察したのか「るぅと、もっかいトイレ行こ」とドアを閉めた。
そんなさとみに「待って!」と声をかけたのはななもりだった。
「俺も行く」
そう言ってななもりは立ち上がり、さとみの後ろを追うようにドアを閉めた。ドアを閉める時、置いてかないで!とでも言うように眉毛を下げたジェルと莉犬に手を振った。
なんだかんだ、ころんとるぅとには結ばれて欲しい。そんな想いがななもりにはあった。
活動のこととか、そんなことはまた後で。
酔っぱらいのころんと、ジェル莉犬。
ジェルと莉犬はお酒は飲んでいるものの、二人ともお酒に強いため沈着冷静だ。
なんならジェルはさっきまであんなに困った顔をしていたのに、今にでもころんに るぅちゃんのこと好きやったん!? 付き合っちゃえよ〜 って冷やかしを始めそうなほど今はにこやかに笑っている。そんなことを言うのは莉犬が許さなかった。
「ころちゃ……」
そうやって莉犬がころんに声をかけようとした時、莉犬ははっと息を飲んだ。
さっきまであんなベロベロに酔ってるぅとのことでデレデレだったころんは、不機嫌オーラ丸出しでイラついたように頬杖を付いている。
何がころんにそうさせたのか分からない莉犬に、ジェルは勘づいたみたいだった。ジェルが莉犬にこそこそと2人に聞こえる声で話す。
「莉犬、多分ころんは…さとみとるぅとが一緒にいるのが気に食わんのやと思う」
そう言われ、莉犬はまるでヘドバンをしているかのように深く頷いた。
(なるほどねえ。やっぱころちゃん独占欲強いわ。)
そんなことを思う莉犬と、
(ころるぅとええなぁ……)
そう思うジェルだった。
⋆꙳✮
ななもりはさとみとるぅとに着いていく。すると、るぅとが何故か廊下にある金魚の水槽を楽しげに見出したので、今がチャンス!と、ななもりはさとみに声をかけた。
でも、るぅとに聞こえるとまずいので少しるぅとから距離を話して、小声で。
「さとちゃん、さっきはありがとね」
ななもりは 何かを察してくれてるぅとの身を引いたさとみにお礼を伝えた。
「ああ、なんか入っちゃいけなそうな空気だったからさ。なに、ころんがなんかした?」
そう言うさとみに、ななもりは驚いた。
この男はどこまで察しがいいのだろうか…。
「実はね…… ころんが、るぅとくんが好き好きってうるさくて。それを本人に聞かれちゃまずそうだからさ」
ななもりはそう言った。するとさとみはグッと親指を立てると、ななもりから離れ 金魚の水槽を眺めているるぅとの方へ行った。
「なあるぅと」
「んー?」
「るぅとってころんのこと好き?」
どストレートなさとみの発言に、ななもりは床から崩れ落ちそうになった。
そしてるぅとは、「えっ!?」と言い顔を赤く染めている。
ちょっと待ってよさとちゃん……!
さっきまでのくだりが台無しになった様だった。
「まあ…
ころちゃんのことは……オトモダチとして……」
そこからごにょごにょ言葉を濁したるぅとに、 さとみは口角を上げた。これは両思いパターンでは無いのか。
そんな中、ななもりはテンパっていた。でも、まあ確かに、二人が両思いなことが分かれば話は早い。深呼吸して、るぅととさとみの話の輪に入りに行った。
そしてさとみがるぅとにまた何か質問をしようとしたその時。
「さとちゃあああん!!!」
「なぁくーーーーーん!!!!」
後ろからやってきた莉犬とジェル。莉犬はさとみに抱きつき、ジェルがななもりに勢い良く抱きついた。
「ちょ、莉犬!」
「ジェルくん、どしたの?!」
急にワチャワチャな雰囲気になったそんな二ペアの中に、るぅとは取り残されていた。
るぅとは、 急にころんのこと好き?と聞かれたのが疑問に思って仕方が無かった。
るぅとは、なんせ恋愛経験が全くと言っていいほどない。告白されたことはほんの少し、好きな人が出来たのも、本当に好きか分からないぐらいの程度。何より、付き合ったこともないのだ。
でも、何かころんはるぅとの中で特別だと思っていたのも、自分がよく知っている。
そんな中、「うぅ……」と後ろから唸り声が聞こえ、驚いたるぅとは瞬発にバッと後ろを振り向いた。するとそこには、 ふらふらしながら歩いてくるころんの姿があった。
「ちょ、ころちゃん!?飲みすぎじゃないですか」
「ぁ”〜……るぅとくん……」
お酒によって楽しそうと言うよりは今にも倒れそうなころんに、るぅとはすかさず手を貸す。ころんを支えようと、るぅとが手を伸ばした…………
「っ、?!」
ころんの腰に手を回そうとしたるぅと。
だが、その前に素早くころんがるぅとの腰に手を回し ぎゅっと自分の方にるぅとを抱き寄せたのだ。それにより、二人は正面から抱きついている体制になってしまった。るぅとはころんよりも背が高いのに、こんな風に抱きしめられてしまえば、ころんの方が背が高く見えるのだ。
そんな状況に、るぅとは酷く緊張していて、心臓がバクバクと鳴るばかりだった。
そんなるぅとを見つめるころん。
ころんは、顔は赤くなっているが 余裕のあるにこやかな顔をして、頭を上げようとしないるぅとを優しく見守っていた。その目は今までにないほど優しくて、メンバーはそんなころんの表情に驚いて何もできないままだ。
「……あれで付き合ってないってマジ?」
そう声を上げたのはジェル。
「はよ付き合えよ……」
呆れ気味に言ったさとみ。
「いやもう付き合ってるでしょ」
さとみの腰にずっとまとわりついている莉犬。
「あれは両思いだね……」
優しく呟いたななもり。
誰が見ようとカップルなその二人の様子に、メンバーは為す術を無くした。でも、ちゃんと聞いておかなければならない事がある。
リーダーのななもりは、二人の方へ歩み寄った。
「ころちゃん、るぅちゃん」
そう言うと、るぅとはハッとし、ころんからすかさず離れた。
「まず、ころん。ころんは本当に、るぅちゃんのことが好きなんだね?」
落ち着いた声で、でも固くなりすぎず。そんな声でななもりはころんにそう問いた。ころんがるぅとを好きだと知らないるぅとは、「えっ?」と抑えきれない声を上げていた。
「はい、ななもりさん。こんなこと、あってはいけないと分かってるんですけど…… 僕はこいつが好きみたいです、絶対離したくない」
そう言うころんは真剣で、まるでお酒が抜けたみたいだった。でも、ころんは面と向かうと恥ずかしがり屋だから きっとお酒の力でそんなかっこいいことが言えるのだろう。
ころんの真剣さを分かったななもりは、うんと頷き、るぅとに目線を合わせた。
「るぅちゃん。るぅちゃんは、誰が好きなの?」
ななもりは、そう聞いた。
「ぼ、ぼくは……」
るぅとがそう声を出した時、それを遮るように「るぅとくん」ところんが言った。
ころんはるぅとの方に体を向けた。るぅとも、ころんの方に体を向け、向かい合っている状態だ。
「僕は……るぅとくんのことが好きです。」
僕じゃダメかな。そう言ってころんは首を傾げた。そんなころんに、るぅとは射抜かれたように頬が赤くなった。
「ぼ、ぼくも……ころちゃんが、すきです」
シラフのるぅちゃんは、お酒に酔ったころんに劣らないくらいに頬を赤く染め、ころんにそう返事をした。
「え、ま、マジ……?」
「……うん、あの、ずっとすきだった」
そう言って、照れ笑いをするるぅとは誰がどう見ても可愛いそのものだった。
そんなるぅとを、ころんはやっとの思いで抱きしめた。
「僕もす”き”ぃ”ぃ”……るぅちゃぁ”…」
相変わらずの声と、恐らく泣きながらるぅとの肩に顔を埋めたころん。そんなころんの頭を、るぅとは優しく撫でていた。
そしてるぅとは、メンバーが居ることを忘れていた。恐る恐るメンバーの方を見ると……
泣きながら拍手をするジェルと、
優しく笑っているさとみと、
さとみの腕の中で眠っている莉犬と、
にこやかに微笑むななもり。
そして…… 店員さん。
「て、店員さん!?」
るぅとは慌ててころんを突き飛ばし、店員さんにお辞儀をした。
そうだ、忘れていたけどここは廊下なのだった。迷惑に違いない。
「ほ、ほんとにすみません……!」
焦りながらもそう言うるぅと。
「いえいえ!いやぁ、カップルの誕生を見させてもらってありがとうございます」
そう言って笑うのは若い女性の方。
なんだかんだ受け入れてくれてるメンバー。
怖がっていた世間のこと。でも、周りは意外と暖かくて 怖がらなくなんていいんだって今の時代の多様性さを知ったるぅとは、ずっと泣きながらうわ言のように「おめでとうううう」って言っているジェルに抱きついた。
「るぅちゃぁぁぁんおめでどぉぉ」
「ありがと、ジェルくん!」
そんな二人の様子を見兼ねたのはころん。
さっきまで床で寝ていたのに、急に起き上がり ドスドスと足音を立ててるぅととジェルに近寄ると、るぅとをググッと引っ張りジェルから離した。
「僕のるぅとなんだけど?」
控えめに言ってキレてるころんは、ジェルにそう言うと「すいません!!!」とジェルは大声を発した。そしてころんはるぅとをどこかへ連れて行ってしまった……多分トイレの方向だったからトイレに行ったのだろう。
「ねえ、あのさ……なんでジェルくん泣いてんの?」
ななもりは今一番の疑問をぶつけた。
「いや……尊くて」
そんなジェルに、ななもりは頭を抱え込んだ。
そんなななもりを見たジェルは、体調が悪くなったと思ったのか「なーくん大丈夫!?」と言いななもりの背中を撫でた。
ジェルの天然さに泣きそうになるななもり。
さとみの腕の中で永遠に寝てる莉犬。
無事付き合えたころんとるぅと。
いつまでも、みんなが仲良しだと良いな。
⋆꙳✮
控えめに言って、青黄は入籍するべき。
見ていただきありがとうございました。