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わかめごはん
これはあの人達が、まだ中学生だった時の話。
「なー、お前さ、10年後、誰に覚えててほしい?」
「え、何急に、……きも、」
「ひどいな!?まぁ、いや、何もねえ、忘れろ忘れろ」
「だからさっきからなんなの、」
「え、じゃあさ、夢とかある?」
「夢?また急だな、……ん〜、夢、かぁ、」
「そんな考えることねえって」
「例えば?」
「俺はA5ランクの和牛食う!」
「ふっ、…」
珍しく、お前は笑った。
「な、なんだよっ、!悪いか!」
「いや、お前らしいなって、」
「ん〜、だったら自分は、」
少しだけ考えて、お前は言った。
「普通に生きていたい。」
「普通ってなんだよ」
「普通は普通なの」
「なんだそりゃ、それ夢なん?」
「いいじゃんいじゃん」
「まぁ、…お前っぽいけどさ〜、」
少し、沈黙が落ちて、いつもより夕焼けが眩しかった。
「なぁ」
「ん?」
「100年後は?」
「100年後?それも急、今日ほんとどうしたの?」
「なんもねえって」
「ふ~ん、100年後かぁ、100年後って自分達いないじゃん」
「それでも!誰に覚えててほしい?」
「ん〜、別に、いなくていいや。」
「なんだよそれ」
軽く、返したはずなのに、なぜだか胸の奥が痛い。
俺は、多分、――いや、絶対、10年後も、100年後も、お前に覚えててほしいって思ってるのに。
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