TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「まあ、僕は要らなかったって知れただけ良かったよ。」

少年はそう言うと、窓を開けて星を指差しました。

「あれ、冥王星って言うんだって。僕みたいな星なんだよ。」

あいにく星に疎かったので曖昧に頷くと、彼はより悲しそうな顔をしました。

何か取り返しのつかないことをしてしまった気がしましたが、気の所為だと思うことにしました。

外に目をやりますと、灰色の鳥の大群が目の前を通り過ぎていきました。

少年は鳥が入ってこないよう、そっと窓を閉めました。

もう一度見ましたが、冥王星とやらがどれなのか分からなくなってしまいました。


「じゃあ僕、そろそろ降りるね。」

「降りるって、駅までもう少し在るはずだろう。」

「うん。でも、僕はここじゃなきゃ駄目なんだ。」

その声はまるで、我儘を言う子供に聞かせるような口ぶりで、とても少年のものとは思えませんでした。

「そうか。ひとつ聞いてもいいかい。」

「勿論だよ。」

「この汽車は何処へ行くのか、君は知っているかい。」

すると彼はとても驚いてみせました。

知っていて当然ではないか、と言わんばかりの顔に、疑問が募っていきます。

「私は無知なものでね。教えてくれないか。」

「……本当に幸せな人だ。」

それだけ言うと、彼はくるりと背を向け走り出しました。

「ちょっと。」

機嫌を損ねたかと不安になり着いていきますと、丁度少年が扉を開けたところでした。

彼は此方に背を向けたまま、静かに言いました。

「まだ引き返せるかも知れない。よく考えてね。」

そう言うと、彼は飛び降りました。


冥王星は、当初は太陽系だったものの、惑星の条件を満たせず太陽系から除外された星なのだそうです。

相乗り夜汽車は何処へ行く

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

6

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚