…結局家の中まで引っ張られた…。
ってか何でアイツ運んだら家族になる判定されたんだ?意味わからん…。
聞くしかないよなぁ…メンド。
「あのさぁ…」
「何?」
「何でお前を連れてっただけで家族判定されんの??」
「え,だってそー書いてあったよ?」
ん?書いてあった?
「どこに?」
「だからー俺がいたすぐ側に!」
「…そんなん見てない。」
「え?!じゃあ何も知らずにオレのこと連れてきてくれた訳?!優しいな,お前!
「いや目の前にボロボロの人間が倒れてたら誰だって助けるだろ」
しかも怪我人だし。家じゃなくても病院には連れてかね??
それこそ目の前で死なれたら後味悪いし。
「今時そんな優しいヤツいないよ〜。」
「そーか?少なくとも此処にはいるぞ。」
「確かに」
っていうかコイツの名前知らないな。
「お前名前なんて言うの?俺は雅」
「ん〜?俺は多喜!多いに喜ぶで【たき】!」
「名字は?」
どーせ強制的に家族になるんだから知っておかないとダメだろ。
「んーっとね〜小鳥遊〜」
「あー,小鳥に遊ぶってヤツか」
「何?!兄弟になってくれんの?!」
「もう家まで連れ込まれたんだし今更引き返せねーだろ」
「まーそーだよねー」
ここで,はい帰りますって言うやついたらそれこそ神経疑うわ。←初対面のヤツにキレて暴言滅茶苦茶いってた人w
「まぁ名前はわかった。で,多喜。」
「何〜?」
「何でそーなったのかは聞かないけど,手当てするからこっち来い」
「….わかった。ありがと 」
「ん」
ちょっと返事が遅いってことはそれなりのヤバい案件だったそう。
でも俺には詮索する権利も手伝う権利もない。
黙って手当てするだけ。
「あのさぁ,雅…兄ちゃん?」
「気色悪いから雅でいーわ。で,何」
「反社やる?! 」
「…..は?」
コイツなんて言った?
はんしゃ?反社??!あの犯罪組織?!!
無理すぎだろ!やったら俺が終わる…。
「無理」
「でも兄弟になってくれんだろ?」
「それとこれとは別だろ。俺はその道は進まない」
「それは,『もう』って話?」
「….」
コイツ,俺のこと知ってる。
知ってて,あれか。
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俺の家は元々は貧乏だった。
だから金を稼ぐため,俺の親は反社となった。もちろん,息子の俺も。
だから殺しなんて日常茶飯事だったし,怪我の手当てなんて毎日のことだった。
だから最初見たときのコイツの怪我もすぐわかった。
….皮肉なことに,まだ俺の中の”それ”は生きているらしい。
コイツの話を聞いて,戻りたくないとは思った。それは事実。
それと同様に,またあの快感を感じたい。できるなら,以前よりもっと。
今の俺の親は足を洗って普通の大手企業をしている。それがつまらない。面倒くさい。
社会のルールになんざ,ハマりたくない。
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「もう全部,わかってるんだな」
「もちろん!」
「….前言撤回。ヤル」
「ホント!」
「でもその前に訓練ってか性能?確かめたい」
もう4年もやってない。感覚も忘れてるかもしれない。
さすがにその状態でぶっつけ本番は無理。
「わかった!訓練所あけとくね!」
「おー」
もう決めたからには仕方ない。どんなにキツくても,どんなに死にそうになっても…。
俺はこの,スリル満点の裏社会を,
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友に呆れ,教師に呆れ,親にも呆れた。
誰も俺の本性を,本心を知らない。
でも今,コイツが見つけてくれた。
なら,やってやろうじゃないか。もう一度,人を信じてみようじゃないか。
どれだけ死にそうになっても,俺が守ってやるよ。その必要はないかもだけどなw
“反社会的人間”
その言葉がきちんと似合うようになるまで,いや,似合うようになっても,俺はこの生涯を裏社会に捧げてやる。
いつか,お前らを潰すその日まで。
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「訓練所あけたよー」
「おー今行くわー」
こっから,俺らの時代の幕開けだ!!
コメント
1件
すげぇ 面白い!続き楽しみ〜