テラーノベル
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スタートーー❗️
夜明け。
東京湾は、朝日を浴びて黄金色に輝いていた。
巨大なコンテナ船がゆっくりと港へ入り、無数のクレーンが静かに動き始める。
一方、高速道路を走る黒いワゴン車の中では、美月が窓の外を見つめていた。
手首は自由だが、車のドアは内側から開かない。
男たちは無言のまま前を向いている。
(E-3……。)
(コナン君、気づいてくれたかな。)
美月はそっと胸元に手を当てる。
ペンダントはもうない。
でも、きっとコナンが受け取ってくれたと信じていた。
⸻
毛利探偵事務所
コナンたちは美月の残した手がかりを整理していた。
机の上には工場の見取り図。
そして、「E-3」と書かれたメモ。
阿笠博士が地図を広げる。
「東京湾には”E”で始まるコンテナヤードが三つある。」
高木刑事が指を差す。
「東埠頭のE地区……。」
佐藤刑事が首を振る。
「いや、E-3はコンテナ番号かもしれない。」
コナンは静かに考え込んでいた。
(美月さんは、わざわざ”E-3”だけを残した。)
(それなら……。)
ふと、目の前に置かれていた港のパンフレットが目に入る。
そこには大きく書かれていた。
『第Eターミナル 第3バース』
「これだ!」
コナンは立ち上がる。
「E-3はコンテナじゃない!」
「船が停泊する場所だ!」
⸻
第Eターミナル
パトカーが次々と港へ集まる。
目暮警部が無線を握る。
「包囲開始!」
「逃走車両を見つけたらすぐ連絡しろ!」
その頃。
黒いワゴン車は大型貨物船の近くで停車した。
男たちは周囲を確認する。
「急げ。」
「予定より警察が早い。」
美月も車を降ろされる。
海風が頬をなでた。
遠くには巨大な貨物船。
船体には白い文字。
“BLUE ORION”
(船の名前……。)
美月は心の中で繰り返した。
(忘れない。)
⸻
美月の観察
貨物船へ向かう途中、美月は静かに周囲を見渡していた。
港の倉庫。
赤いコンテナ。
青いコンテナ。
黄色いクレーン。
そして、地面には白いチョークで番号が書かれている。
E-3
(やっぱりここ。)
その時、一人の若い男が転びそうになる。
積み荷が崩れた。
「危ない!」
美月は反射的に男を支える。
男は驚いた顔をした。
「ありがとう……。」
黒瀬はその様子を見つめ、静かにつぶやく。
「君は、こんな状況でも人を助けるのか。」
美月は答えた。
「困っている人を放っておけないだけです。」
黒瀬は目を伏せた。
その言葉が、何かを思い出させたようだった。
⸻
コナン到着
「いた!」
コナンは港へ駆け込んだ。
その瞬間、貨物船がゆっくり岸を離れ始める。
「まずい!」
蘭も叫ぶ。
「船が出ちゃう!」
高木刑事が慌てて無線を取る。
「止めろ!」
しかし、船はすでに動き始めていた。
コナンは走る。
コンテナの上。
クレーンの横。
そして岸壁の先端へ。
「博士!」
阿笠博士はクーラーボックスを開けた。
「新型伸縮サスペンダーじゃ!」
コナンは笑う。
「ありがとう!」
⸻
大ジャンプ
貨物船との距離は五メートル。
六メートル。
どんどん離れていく。
「コナン君!」
蘭が叫ぶ。
コナンはサスペンダーを伸ばし、近くのクレーンへ固定した。
勢いよく跳ぶ。
ビューン!
体が宙を舞う。
そのまま貨物船の甲板へ着地した。
「やった!」
しかし、その姿を黒瀬の部下が見つける。
「探偵だ!」
警報が鳴り響く。
⸻
貨物船の迷路
船内には数百個のコンテナ。
狭い通路。
積み重なった荷物。
コナンは身を隠しながら進む。
(美月さんはどこだ。)
一方、美月は船の奥へ案内されていた。
その途中。
足元に小さなフィルムケースが落ちていることに気づく。
拾い上げる。
中には一本の古い35ミリフィルム。
ラベルには手書きで、
『7月23日 河川敷』
と書かれていた。
「!」
(これ……私のじゃない。)
誰かが、あの日の河川敷を別の角度から撮影していたのだ。
⸻
真実の一端
その時、黒瀬が現れる。
「それを見つけたか。」
美月はフィルムを握る。
「これは何?」
黒瀬はゆっくり答えた。
「君だけが偶然撮ったわけじゃない。」
「あの日、河川敷にはもう一人カメラマンがいた。」
「その人物こそ、この事件の本当の始まりなんだ。」
美月は息をのむ。
「じゃあ……。」
「私だけが狙われたんじゃない?」
黒瀬は静かに首を振る。
「もう一人は、昨日から行方不明だ。」
⸻
ラストシーン
その頃。
コンテナの陰に身を潜めていたコナンは、偶然、船内の会話を耳にする。
「目的地は横浜じゃない。」
「外洋へ出る。」
「船を公海上で乗り換える。」
コナンの表情が変わる。
(海外へ連れ出す気だ!)
彼はすぐに腕時計型通信機を取り出した。
「灰原!」
「船は東京湾を出る!」
「海上保安庁に連絡して!」
通信の向こうで灰原が短く答える。
「分かった。」
しかし、その直後。
ガチャン!
コナンの背後でコンテナの扉が閉まる。
「しまった!」
暗闇の中、数人の足音が近づいてくる。
「見つけたぞ、名探偵。」
コナンは静かにサッカーボールを取り出した。
「そう簡単には捕まらないよ。」
甲板の上では、美月が夜明けの海を見つめながら、小さくつぶやく。
「コナン君……。」
その願いを乗せた貨物船は、ゆっくりと東京湾を離れ、水平線へ向かって進み始めた。
⸻
――第六章 終――
次回・第七章「白い貨物船の罠」
コナンは貨物船内で犯人たちに追い詰められながらも、美月が見つけた謎のフィルムの存在を知ります。一方、美月は「もう一人のカメラマン」の正体に近づき、事件の真相が誘拐事件を超えた大きな陰謀であることを知るのでした。
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コメント
3件
おお、かっこよかったなー!今回も展開が熱い🔥 美月さん、誘拐されてるのに他人を助ける優しさ忘れてないのが泣ける。そしてコナン君の新装備「伸縮サスペンダー」で船に飛び乗るシーン、めっちゃ脳内再生できたわ。最後の「見つけたぞ、名探偵」からの展開も最高の引き!このフィルムの謎、もう一人のカメラマン…気になりすぎて次回が待てない。200いいね突破おめでとうございます🎉 これからも楽しみにしてます!