テラーノベル
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桃赤♀️
だーいぶ、内容変だし、文字おかしいのは気にしないでください👉️👈️
赤・風俗嬢という設定で行きます
今回珍しく、赤視点で書きましたので、お楽しみください!(ほとんど変わらない気がしますけど)
約5700字
夜の公園は、昼間とはまるで違う顔をしている。
人の気配がなくて、風の音ばかりがやけに大きく聞こえて。
ブランコが、誰も乗っていないのに、きい、と小さく鳴った。
「……はは」
笑ったつもりだったけど、喉がうまく動かなくて、変な音になった。
りうらはベンチに座ったまま、俯いていた。
スマホの画面は真っ暗で、通知も何も来ていない。
――今日も、終わった。
そう思った瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
「……なんで、こんなことしてるんだろ」
ぽつりと零れた言葉は、誰にも届かずに夜に溶けていく。
最初は、ただお金が欲しかっただけだった。
理由なんて、言い訳みたいなものばっかりで。
でも、気づいたら、やめられなくなっていた。
誰かに必要とされる感覚。
名前じゃなくても、代わりでも、求められる瞬間。
それが、ほんの一瞬でも、空っぽの心を埋めてくれる気がして。
――でも。
「……違うよ」
ぽろっと、涙が落ちた。
全然、埋まってなんかいない。
むしろ、どんどん空っぽになっていく。
「りうら……なにやってんだろ」
自分で自分の名前を呼んで、余計に苦しくなる。
そのときだった。
「……りうら?」
聞き慣れた声が、すぐ後ろから聞こえた。
一瞬で、心臓が跳ね上がる。
振り返るのが、怖かった。
でも、その声を間違えるはずがなかった。
「……ない、くん……?」
恐る恐る顔を上げると、そこにいたのは――
昔と変わらない、でも少し大人になった、幼馴染の姿だった。
「やっぱりりうらかよ。こんな時間に何してんだ」
「……別に」
反射的に、そっけなく返してしまう。
本当は、会いたくなかった。
こんな姿、見られたくなかった。
「別にって顔じゃねえだろ」
ないくんは、ため息みたいに言って、隣に座った。
その距離が、やけに近く感じる。
「泣いてたのか」
「泣いてない」
「いや、泣いてるだろ」
「泣いてないってば!」
思わず強く言ってしまって、はっとする。
沈黙が落ちる。
でも、ないくんは何も言わなかった。
ただ、少しだけ優しい声で言った。
「……無理してんの、バレバレだぞ」
その一言で、堪えていたものが一気に崩れた。
「っ……」
視界が滲む。
「なんで、今なの……」
「え?」
「なんで、今さら来るの……!」
気づいたら、涙が止まらなくなっていた。
「りうらがどんなことしてるか、知ってるのに……!」
言ってしまった。
言いたくなかったのに。
最低だって思われるのが怖かったのに。
ないくんは、少しだけ驚いた顔をしたけど、すぐに表情を戻した。
「……ああ、聞いた」
その一言で、胸が締めつけられる。
「じゃあ……なんで」
「だから来たんだろ」
即答だった。
「放っとけるわけねえじゃん」
その言葉に、息が止まりそうになる。
優しすぎる。
だから、余計に苦しい。
「やめてよ……」
りうらは首を振った。
「そんな顔で見ないで」
「どんな顔だよ」
「……昔みたいな顔」
ないくんは、少しだけ黙った。
「……りうら」
名前を呼ばれる。
それだけで、涙がまた溢れる。
「帰ろう」
「……どこに」
「とりあえず、ここじゃねえとこ」
そう言って、ないくんは立ち上がった。
りうらは少し迷った。
でも――
一人でここにいるより、ずっとマシだと思ってしまった。
「……うん」
小さく頷く。
夜の街を、二人で歩く。
隣にいるのに、距離が遠い気がした。
部屋に入って、ソファに座る。
知らない部屋のはずなのに、不思議と落ち着くのは、隣にないくんがいるからかもしれない。
「……あのさ」
りうらは、ぽつりと呟いた。
「りうら、もう戻れないよ」
「何が」
「普通の子に」
ないくんは、少しだけ眉をひそめた。
「何言ってんだよ」
「だって……」
言葉が詰まる。
「りうら、汚れてるし」
その瞬間、空気がぴたりと止まった。
次の瞬間――
「そういうの、自分で言うな」
低い声だった。
怒っている、というより。
呆れているような、でもどこか悲しそうな声。
「……だって、事実じゃん」
「事実とかじゃねえよ」
ないくんは、真っ直ぐにりうらを見た。
その視線から、逃げられない。
「りうらは、りうらだろ」
その一言で、胸がぎゅっと痛くなる。
どうしてそんなこと、言えるの。
どうして、そんな目で見るの。
「……やめて」
気づいたら、ないくんの服を掴んでいた。
「そんな優しくしないで」
声が震える。
「期待、しちゃうから」
ないくんは何も言わなかった。
ただ、静かにそこにいた。
それだけで、りうらの中の何かが壊れた。
「こんな私でも――」
言葉が、溢れる。
止まらない。
「こんな私でも、好きになってよっ……!」
叫ぶように言った。
涙でぐちゃぐちゃの顔のまま。
本当は、言うつもりなんてなかったのに。
でも、もう止められなかった。
静寂が落ちる。
時計の音だけがやけに響く。
ないくんは、すぐには答えなかった。
その沈黙が、怖くて、逃げたくなる。
でも、目を逸らせなかった。
「……りうら」
やっと、名前を呼ばれる。
その声は、さっきよりも少しだけ優しかった。
「その言い方、ずるい」
「……え」
「“こんな私でも”って、先に自分で下げてるだろ」
りうらは、何も言えなかった。
「そうやって、自分で自分の価値決めんなよ」
その言葉は、まっすぐすぎて、痛かった。
「……わかんないよ」
小さく呟く。
「もう、どうしたらいいか、わかんない」
ないくんは、少しだけ息を吐いた。
そして、ぽつりと――
「じゃあ、これから考えればいいだろ」
そう言った。
「一人じゃなくて」
その一言が、胸に残る。
「……ずるい」
りうらは、泣きながら笑った。
「ほんと、ずるいよ……」
でも、少しだけ。
ほんの少しだけ。
空っぽだったはずの場所に、何かが戻ってきた気がした。
朝が来るのが、こんなに怖いなんて思わなかった。
カーテンの隙間から差し込む光が、やけに眩しい。
りうらは目を閉じたまま、ソファの上で小さく丸くなっていた。
眠れたのか、眠れていないのかも分からない。
ただ、隣に誰かの気配があることだけは、はっきりと分かっていた。
「……起きてるだろ」
低い声がして、びくっと肩が揺れる。
「……起きてない」
「嘘つけ」
少しだけ間があって、隣に座る気配がした。
ないくん。
それだけで、胸の奥がざわつく。
昨日のことが、一気に蘇る。
――こんな私でも、好きになってよ。
言ってしまった。全部。
一番見せたくなかった部分まで。
「……帰る」
りうらは、ぽつりと呟いた。
このままここにいたら、きっとダメになる。
そんな予感がした。
「帰さねえよ」
即答だった。
「……なんで」
「昨日のこと、覚えてるだろ」
「覚えてるよ」
忘れられるわけがない。
「じゃあ、そのまま帰すわけねえだろ」
その言葉に、少しだけ苛立ちが混じる。
「なにそれ……」
顔を上げる。
ないくんは、まっすぐこっちを見ていた。
「責任、とるって言ったら?」
「……は?」
思考が止まる。
「りうらが言ったんだろ。“好きになってよ”って」
「……だからって」
「だから、逃げんなよ」
静かな声だった。
でも、その奥にあるものが、少し怖かった。
「逃げてるのは、どっちだよ」
りうらは思わず言い返す。
「りうらのこと、分かった気になってるだけじゃん」
「分かろうとしてるだけマシだろ」
言葉がぶつかる。
空気が張り詰める。
でも、どちらも引かなかった。
「……なんでそんなに必死なの」
りうらは、小さく呟いた。
「昔のままでいたいだけじゃないの」
「違う」
即答だった。
「今のりうらも含めてだよ」
その言葉に、息が詰まる。
優しいのに、重い。
逃げ場がない。
「……やだ」
思わず、後ずさる。
「そんなの、無理」
「何が」
「りうら、自分でも無理だもん」
声が震える。
「普通に戻るとか、無理だし」
「戻れなんて言ってねえよ」
ないくんは、少しだけ眉をひそめた。
「今のままでいいって言ってんだろ」
「よくないよ!」
思わず叫ぶ。
「こんなの、よくないに決まってるじゃん!」
沈黙。
息が荒くなる。
涙が滲む。
「りうら、自分のこと嫌いだもん……」
ぽつりと零れる。
「こんな自分、誰にも見せたくないし」
「もう見てるけどな」
「そういう問題じゃない!」
思わず、声を荒げる。
でも、ないくんは動じなかった。
ただ、じっと見てくる。
「……じゃあさ」
しばらくして、ないくんが口を開いた。
「どうしたらいい」
「え……」
「りうらが壊れない方法、教えろよ」
その言葉に、言葉を失う。
そんなの――
「……わかんない」
本音だった。
「わかんないよ……」
「じゃあ、一個ずつ潰してくしかねえだろ」
淡々とした口調。
「まず、仕事やめろ」
心臓が跳ねる。
「……それは」
「無理とか言うなよ」
遮られる。
「理由、金だろ」
「……」
否定できない。
「だったら、俺がどうにかする」
「やめてよ」
即座に否定した。
「そういうの、一番やだ」
「なんで」
「重いから」
本音だった。
「そんなの、絶対あとで苦しくなる」
「もう苦しいだろ」
一瞬、言葉が詰まる。
「……それは」
「じゃあ同じだ」
その言い方が、少し強引で。
でも、どこか納得してしまう自分もいた。
「……ずるい」
ぽつりと呟く。
「ほんと、ずるい」
ないくんは、少しだけ肩をすくめた。
「知ってる」
その軽さが、逆に怖い。
逃げ道を塞がれていく感じがする。
「……りうらさ」
名前を呼ばれる。
「一人で壊れるくらいなら、巻き込めよ」
その言葉に、ぞくっとした。
「どういう意味……」
「そのままの意味」
ないくんは、少しだけ笑った。
優しい笑い方じゃなかった。
どこか、歪んだ笑い方。
「一緒に落ちりゃいいだろ」
心臓が、大きく鳴る。
「……おかしいよ」
「知ってる」
即答だった。
「でも、それでいい」
その目は、本気だった。
冗談じゃない。
逃げ場がない。
「りうらが一人で壊れるのは、見てられねえ」
静かな声。
でも、重かった。
「だったら、俺も一緒に壊れる」
その言葉に、頭が真っ白になる。
「……なに、それ」
「嫌か?」
問いかけ。
答えられない。
嫌だと言えば、きっと離れていく。
でも、受け入れたら――
戻れない気がする。
「……りうら」
また、名前を呼ばれる。
「選べよ」
低い声。
「一人で沈むか、俺と沈むか」
極端すぎる選択。
でも、どこかで分かっていた。
もう、普通の選択肢なんてないこと。
「……っ」
唇を噛む。
涙が溢れる。
怖い。
でも――
一人は、もっと怖い。
「……ずるいよ」
かすれた声で言う。
「そんなの、選べるわけないじゃん」
「じゃあ決まりだな」
ないくんは、あっさり言った。
「え……」
「選べないなら、こっちで決める」
その瞬間、腕を掴まれる。
びくっと体が跳ねる。
「逃げんな」
強くはないのに、離せなかった。
「りうらは、俺が引きずる」
その言葉は、優しさと危うさが混ざっていた。
「……ほんとに、いいの」
震える声で聞く。
「りうら、めんどくさいよ」
「知ってる」
「重いよ」
「知ってる」
「たぶん、最低だよ」
少しだけ間があって――
「それも知ってる」
全部、受け止めるみたいに言う。
そのせいで、余計に逃げられなくなる。
「……じゃあ」
小さく息を吸う。
「後悔しても、知らないから」
「しねえよ」
即答だった。
その迷いのなさが、怖くて。
でも、少しだけ――
安心した。
「……ばか」
涙が零れる。
でも、昨日みたいな絶望の涙じゃなかった。
もっと、ぐちゃぐちゃで。
でも、どこか温かい。
「……りうら」
「なに」
「もう一回言えよ」
「なにを」
ないくんは、少しだけ笑った。
さっきよりも、ほんの少しだけ柔らかい笑い方で。
「昨日のやつ」
心臓が跳ねる。
「……やだ」
「言えよ」
「やだって」
少しの沈黙。
でも、逃げられないのは分かっていた。
「……こんな、りうらでも」
声が震える。
「……好きになってよ」
やっと言えた。
顔を上げられない。
そのまま、時間が止まったみたいになる。
そして――
「……ああ」
短い返事。
でも、それだけで十分だった。
「とっくに好きだよ」
その一言が、胸の奥に落ちる。
じわじわと広がっていく。
嬉しいはずなのに。
どうしようもなく、不安で。
でも、離したくなくて。
「……ねえ」
りうらは、小さく呟いた。
「ほんとに、一緒に沈むの?」
「しつこいな」
「だって……」
怖いから。
「……ああ」
ないくんは、少しだけ笑った。
今度は、はっきりと。
どこか危うい、でも覚悟のある笑みで。
「やっと、捕まえた」
その言葉に、背筋がぞくっとする。
「……なにそれ」
「そのまんまだよ」
軽く言う。
でも、その目は全然軽くなかった。
逃がす気なんて、最初からないみたいに。
「……あーあ」
ないくんは、小さく息を吐いた。
「やっとだ」
その声は、どこか満足そうで。
そして、少しだけ――
狂っていた。
りうらは、何も言えなかった。
ただ、その場にいることしかできなかった。
これが正しいのかなんて、分からない。
でも、
もう、一人じゃない。
それだけで、十分だと思ってしまった。
「……ばかだなあ、りうら」
自分で呟く。
でも、その声はどこか穏やかで。
少しだけ、壊れていた。
「「あーあ、」」
「「俺に/りうらに」」
「「堕ちてくれた/愛してくれた」」
end
終わり方にちょっと不満なんですが、完結です!
ゲスト様の作品大好きすぎるんで、これからも楽しみにしています😘
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