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ぐへ……この世界線だいふき
え、私もこの世界で2人と飛び込もうかな
⚠️バットリibkが冷たくなったsmと一緒に海へ身を投げるお話
ずっと暗い&バットエンド(半メリバ)
捉え方によってはnot cpかもしれない
ibk side
「起きろよ、…相棒……。」
何度も、何度も何度も名前を呼んだ。
ただひたすらに、志摩の名前を呼んだ。
志摩の体は、もう体温なんて呼べるものなんて残っていなかった、まるで最初からこういうものだったように。 この船に残っているのは、胸から多量出血して死んだ久住の死体と、このクソ野郎の手で殺された志摩の死体、志摩の額に流れている真っ赤で、酷く美しくも見える、既に乾いた血。それと俺の手のひらの肌の感覚。
「だめだって…ねぇ志摩!!」
何度だって呼ぶ、志摩の名前。
10月の風でさらに冷たくなっていく俺の相棒。
ただひたすらに抱きしめた。俺の体温を分けるために。そんなこと無駄だって分かっていても、抱き締める以外何も思いつかなかった。
「……俺のせいだ。」
俺のせいで俺の相棒が、
俺のせいで俺の志摩が、
「死ぬか。」
迷う隙は一切なかった。
今の、4機捜に入ってからの俺にとって1番大切なものを、自分の手で、消してしまった。
許せない。どうしても許せないんだ、自分が。何があっても、 自分は、許さない。
身勝手だって?確かにそうかもしれないけど、別に身勝手だろうが、 いいよ、俺は。
「志摩ちゃん、怒るだろうな〜。」
ぽつり、と呟いた。
だって最後に「待て、殺すな」って言われたんだよ? そんな「待て」、俺が聞くわけないのに。
持っていた手錠の片方を冷たい志摩の手首にかける。
カチャッと錠がしまって、もう片方は俺の手首に。
手錠ってよくできてるよね〜。暴れれば暴れるほど、きつくなっていくんだよ。
「志摩、『間に合わなくて』、ごめん。」
「でも、大丈夫だよ。俺たちはきっと、来世でも相棒だ。」
一面に広がる、藍色の海。
午前2時をちょうど回る頃。
二人の男性が、海へ飛び込んだ。
息ができない、苦しい。
でも、志摩がいない未来の方がもっと苦しいから。
ここは、暗くて、寒くて、別に狭くはないけど。
でも、大丈夫。どんなにくらくて、さむくて、せまくて、くるしくて、息がつづかなくても。
俺の隣には、志摩がいるから。
テレビ「続いてのニュースです。」
テレビ「昨夜、東京湾で成人男性二人の水死体が見つかりました。」
テレビ「発見されたのは、伊吹藍(34)と志摩一未(34)で、警察の同僚同士だったそうです。」
テレビ「発見された頃には既に死後5日ほど経っておりましたが、」
テレビ「二人の手首は手錠で繋がっており、二人はそれにつながれたまま見つかったそうです。」
fin
あとがき
バットリ大好き星人が、やりたかった事やっと出来ました
めっちゃ暗い!!! あまりにも報われなさすぎるバットリEND、大好きです
これを「愛」と捉えるか、「信頼」と捉えるか、はたまたまた別の物と捉えるかは個人の自由だと思います
あと、気づいた方もいると思いますが、名前で遊んでるシーンや、本編セリフパロが2箇所くらいあるので、分からなかった人はもう一度ぜひ読んで見て下さい🙇♀️
ここまで読んで頂きありがとうございました🙇♀️