「何でだ?!何がダメなんだ?!」
五条は、傑の離反を防ぐ為に、傑が離反する原因になりそうな出来事は、思い当たる事、全てを何とかした筈だった。
天内は死んでない!黒井さんも生きてる。灰原だって生きてる!何がダメなんだ?!
「盤星教の件か?!僕は何か見逃したのか?!」
「何か—————。」
日に日に表情が沈み、窶れて行く傑を、五条は見逃さなかった。
「……傑!久しぶりに、一緒の任務だな。」
(傑)「そうだな。」
「傑、やっぱり痩せてきてるよな?本当にちゃんと食べてるのか?」
(傑)「…嗚呼。」
「…そっか。」
「なんかあったら、何時でも言えよ。」
(傑)「ありがとう。」
五条は、久しぶりに、傑と一緒の任務に行ける事になったが、終始ぎこちない雰囲気になってしまった。
「じゃあ、帰るか。傑。」
(傑)「嗚呼。」
「ん。」
(傑)「如何した?」
「呪霊の気配がする。」
(傑)「そうだな。」
傑は、何でも無い事の様に、表情一つ変えずに平然と肯定した。
只の杞憂では無く、着実に、傑の離反が近づいて来ている事を、五条は確信した。