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キャァァァァア!!!!
路地裏の静寂を切り裂く様な悲鳴が響き渡る。五条と傑が呪霊の気配のする方へ行くと、二人の男女が呪霊に襲われていた。
呪霊が、女性へ向かって手を振り上げた時、男性は、女性に覆い被さる様にして、女性を抱きしめた。
此の儘では、男性がやられる。
「術式反転。」
「赫。」
襲われている二人が、目を固く閉じて俯いている間に、五条は、術式で呪霊を消し飛ばした。
(傑)「さっきの男性。彼氏さんかな?」
「二人とも同じペンダントを着けてたし、多分そうなんじゃないかな?」
(傑)「彼氏さん、身を挺して彼女さんの事を守ろうとしていて、凄かったね。」
「誰にでも出来る事じゃない。」
「僕は、自分の所為で、目の前で大切な人が傷つく方が嫌だな。」
「自己犠牲が、必ずしも優しさになるとは言えないと思うよ。」
(傑)「確かに。自己犠牲が絶対に、優しさになるとは私も言えないと思う。」
「でも私は、自分の大切な人が傷つくくらいなら、自分が傷つく方がマシだな。」
「悟だって、「自分の所為で大切な人が傷つく方が嫌だ。」って、今言ってたじゃないか。」
「まぁ……。」
(傑)「私は、大切な人には笑っていて欲しい。」
そう言い。傑は、五条に優しく笑いかけた。
「……ッ。」
「だーかーらー!!自分の所為で大切な人が傷ついてたら笑えないだろ!!」
(傑)「フフッ。」
「……何だよ。」
(傑)「何でも?」
「何だよ!」
(傑)「フフッ。」
『私は、自分の大切な人が傷つくくらいなら、自分が傷つく方がマシだな。』
『私は、大切な人には笑っていて欲しい。』
そうか。お前がそう言ってくれるなら良かった。
自分のやろうとしている事に対しての肯定じゃない事くらい、五条は分かっている。
其れでも。
傑も、そう言ってくれるなら良かった。
僕も、お前には笑っていて欲しいんだよ。傑。