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宿屋の暖炉の炎がゆらりと揺れる夜も深くなった頃。
書斎で構成員からの報告書に目を通すマリアの姿があった。
横で紅茶を淹れていたミカにマリアは尋ねた。
「 …ファルゼからの報告は? 」
「 面白い時計店を見つけたとしか…本当に彼に任せて良かったのですか? 」
「 …そうだな。俺のミスかもな。 」
ファルゼ。
ローズマフィアの構成員の一人のファルゼ・シェルファイム。
能天気で気分屋。そして胡散臭い占いが得意だが仕事はする人間のはずだ。
彼の仕事は梶本ヒズの動向を報告するという簡単なものだが…
「 彼奴の気分屋には付き合っていられないな 」
「 ですね… 」
するとコンコンと書斎にノックの音が響いた。
「 夜分に失礼します。ボス、第三部隊からお手紙です。 」
ドアの外からアロンの声がする。
「 あぁ、入れ 」
するとアロンがただ手紙を渡して足早に帰って行った。
「 ご苦労様だった。……そんな足早にどうした。 」
「 深夜ラジオの続きを… 」
アロンは少し振り返り小さく呟いた。
「 …そうか。早く行ってこい。 」
深夜。もう夜の1時28分だった。
「 マリア様、そろそろお休みになられた方がよろしいのでは…?お体に障ります。 」
「 そうだな…もう寝る。ミカもご苦労だったな。 」
「 いえ、これが私の仕事なので 」