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SUBの短編集

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SUBの短編集

第7話 - 前世は大統領、現世は無職

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2025年01月27日

#短編集

#SUBくん

SUB（フォロバ）

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ジョン・スミスは毎日寝坊し、昼食は冷凍ピザで済ませる30代の無職男だった。ある日、ふとした瞬間に前世の記憶が蘇る。その前世、ジョンはアメリカの大統領だったのだ。

「アメリカ合衆国を率いた私が、今じゃ冷凍ピザと引き換えか…。」

ジョンはひとりごちた。その日は奇妙な日だった。前世の記憶を持ったジョンは、周りの人々にアメリカ合衆国の大統領だった頃の自分を語り始めた。

「みんな、前世で私は大統領だったんだ。だから、ちょっと特別扱いしてくれよ。」

周囲の人々は無視。無理もない、ジョンは今、アメリカ大統領のような風格など持っていない。だが、ジョンは気にしなかった。

昼間、スーパーで買い物をしていたときも、彼は店員にこう言った。

「前世では、お前たちの親父を叱ったこともあるんだぞ。」

店員は無表情で言った。「じゃあ、次回は大統領らしく割引券でも持ってきてください。」

ジョンはそのままレジを通り、商品を手に取った。

その夜、ジョンはベッドで寝転びながら考えた。「もし、大統領なら、活躍していたのだろうか。でも現実は、冷凍ピザだ。」

ふと、前世での記憶がまた鮮明に浮かび上がる。ジョンは、かつて国のために何千人もの命を守った決断を下し、国を導いていた。しかし、今、目の前にあるのは、賞味期限の近いピザと冷蔵庫の中身だけ。

「もしも、前世の私がここにいたら…」とジョンはつぶやく。

突然、ピザの箱が開き、彼はその中に潜んでいた青カビを見つけた。

「カビが…私の政治家としての栄光を奪ったんだ。」ジョンはブラックジョークをつぶやきながら、ピザを一口食べた。

その瞬間、彼の部屋の中に現れた神。神は静かに言った。「ジョン、あなたがかつて大統領だったとしても、今はただの男だ。」

ジョンはふっと笑い、言った。「いや、今の方が面白いだろ？」

神はにっこりと微笑んだ。「それも、前世のあなたにとっては、笑えるジョークの一部だ。」

そして、ジョンはその日もまた冷凍ピザを食べながら、世界の重みを背負った気分になった。