hrfw
付き合ってる
同棲済
本人様方に関係ないです
本編に伏字ありません
hr『』
fw「」
kid side
ある休日の昼頃。
2人でソファーに並んで座っていると一匹の猫が近づいてくる。
「…お、なんやお前撫でられたいんか~?」
「可愛いやつやな〜」
そう言って不破さんは膝に乗ってきた猫の頭を優しく撫でる。
それを僕はじっと見つめる。
「はぁ、、、猫ってやっぱ癒しんなるわ…」
僕にとっては貴方が癒しですけどね?
なんて考えながら不破さんに撫でてもらっている猫を嫉妬の意を込めてじーっと見つめる。
『僕が頼んでも絶対断られるのに…』
「お前撫でても可愛くない」
『…それって癒しにはなるってことですか!?』
「なわけ」
『……』
思わず口からこぼれた言葉にすごい辛辣な返答がきてへこむ。
がしかし頑張ってポジティブに捉えてみても、またもや返答は辛辣で余計にへこむ。
一応恋人のはずなのにおかしくない??
『猫が羨ましい…恨めしい…』
『僕も撫でられたい…』
「きもー」
僕が何を言っても返ってくる言葉は辛辣で、これ以上ダメージを受けるのは勘弁なのでもう何も言わずにがっくりと項垂れる。
すると、僕の足の間に不破さんに撫でられてる猫とは別の猫が顔を覗かせた。
その猫は僕の足に飛び乗り、鼻を舐めてくる。
『え、なに…』
『僕のこと慰めてくれてるの、?』
僕がそう言うと猫は舐めるのをやめて見つめてくる。
それが異様に可愛く思えて僕はその猫を優しく抱きしめた。
『かわいぃ…』
「……」
「おいで」
抱きしめながら猫吸いをしていると、ふいに不破さんがそう言った。
その瞬間猫は僕の腕をするりと抜けて不破さんの元へ。
『あ、僕の癒しが…』
『…お前…お前も不破さんのとこに行くのか…!?』
『僕は行けないのに!!僕だって行きたいのに!!』
「だーめ、こいつは俺のよー?」
僕を裏切った猫の鼻をつんつんと触りながら不破さんは言う。
『僕たちで飼ってるのに俺のもくそもあるかよぉ…』
悔しいけど、そりゃ不破さん選ぶよなとか、僕も 猫と不破さんだったらそりゃ不破さん選ぶわ とか
さっきの だーめ ってのなんか色気あったな…とか。
色んな感情がせめぎ合ってるうちに、僕は天才的なことを思いついた。
僕も猫になれば撫でてもらえるんじゃないか、と。
なぜか部屋の棚にしまってあった猫耳をつけて、早速思いつきを実行する。
記憶には無いが僕のことだ。不破さんに着けてもらおうと思って買ったんだろう。
「…きっつ」
「てかなんでそんなん持ってんの?」
ダメだった。
なんなら折れた心が砕け散った。
『……………………』
もういよいよ立ち直れなくなってしまった僕はソファの隅っこで体育座りをする。
「ん~、にゃんちゃんかわええなぁ」
「んは笑 くすぐったいてw」
いかにも落ち込んでいる僕には見向きもせず猫と戯れる不破さんを見つめる。
猫に夢中なのは納得いかないが、そんなことよりも猫と戯れる不破さんが可愛くて もう不破さんに撫でられたい、なんて考えはどうでもよくなった。
ていうか今思えばあれはバカすぎる。
『かわい…』
不破さんの頭を撫で、それから耳を触る。
突然でびっくりしたのか、不破さんの体がビクッと跳ねた。
そこで、僕はこんどこそ天才的なことを思いつく。
猫を愛でてる不破さんを愛でればいいんだ。
それに気づいてからの僕の動きは迅速だった。
不破さんを自分の足の間に座らせ、猫耳を頭につける。
後ろ姿ですらバカ可愛い。写真撮りたい。
「え、…何これ。」
『待ってまだ外さないで』
『そこのスマホ取ってくれません?』
「…ん」
『ありがとうございます』
机の上に置いてたスマホを手渡してもらい、カメラを開く。
そして不破さんにバックハグする体勢で腕を伸ばし、内カメにして写真を撮れば…
『あ”~可愛い…ッ!!』
猫耳不破さんの写真ゲット。
もちろん永久保存だ。
「!?、今撮ったやつ消せ!」
『嫌ですよこんな可愛いのに』
『それに不破さんお願いしてもつけてくれないじゃないですか』
「恥ずいやん当たり前やろ!!」
不破さんの抗議の声で猫たちは一斉にどこかへ逃げていく。
猫と戯れる不破さんも撮りたかったけど…それはまた今度にしよう。
『ふん、僕をほっといた罰ですよ』
「…猫の方がかわええもん」
『それは否定しませんけど。恋人にあの仕打ちはないんじゃないですか?』
「……ごめん…」
『僕のとこに来た猫もとっちゃうし…』
もう不破さんを愛でればいいと納得したはずのことを掘り返して文句を言ってしまう。
こういう所がダメなんだよな…と自分のめんどくさい性格を心の中で反省した。
「あれは、…だって、俺のやし」
『だから2人で飼ってるのに俺のとかないって…』
「ちがう。晴が俺の」
『………。えッ』
「猫にも渡さん」
『えっ、…え?』
『俺のってそういうこと!!??』
顔を真っ赤にしながら頷く不破さん。(猫耳は写真撮った後すぐに投げ捨てられた)
もうその破壊力ときたら。僕は頭を抱えた。
『いつか僕不破さんの可愛さに殺される…』
「俺まだ晴と一緒にいたい」
『!、不破さぁん…』
「だから死んだら殺す」
『エッ、…矛盾してない?』
「それだけ好きってこと」
不破さんが僕に抱きついてくる。
この日、僕は不破さんの可愛さにあてられながら一体いつまで生きられるんだろう…と自分の将来が大分不安になった。
コメント
1件
かわ……