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fk side
あまりの眩しさに目が覚めた。見覚えの無い天井だ。体を起こし、目を擦りながら周りを見れば辺り一面真っ白な空間に俺は居た。
「…は?」
思わず声が漏れた。どういうことだ。なぜ俺はこんなとこにいる?頭を抱えて考えていると、「…んぅ」とすぐ側から声が聞こえた。ベッドに目を向けると、隣ですやすや眠っている同じメンバーである康二がいた。
「…マジかよ」
とりあえず、康二を起こすことにした。
「おい、おい、康二。起きろ」
体を揺さぶりながら言う。康二はすぐに目が覚め、俺の顔を見上げる。そして、康二は慌てて起きた。
「な、なんで、ふっかさんがおるん」
「てか、ここどこやねん…!?」
「…ま、まさかふっかさんが」
いや、違ぇって!疑う康二に間髪入れず否定した。困惑している康二に、今の状況をとりあえず説明したが、あまりよく分かってないのか阿呆みたいな顔をしていた。
「っぐふ…」
そんな康二の顔を見て笑う俺を、康二は「なんで、笑うんよ!」と突っ込む。いや、こんなことしてる場合じゃない。この部屋をもっとしっかり調べないと。康二と手分けして調べることにした。ドアノブに手をかけるが開くことはなかった。仕方なく探索し部屋の角にあった棚の引き出しを見ると、ひとつの白い紙が入っていた。内容を見ると、
「…え」
思わず立ちすくんだ。俺の声に反応して、康二が「どしたん?」と近寄ってきた。固まったままの俺を不思議に思いながら、てち持っている手紙を見た康二も俺と同じ反応をした。そこに書かれていた内容は、
「セックスしないと出られない部屋」
二人で顔を見合せた。ドン引きしている。康二は「…セックスって、あ、あれやんな…」と少し恥ずかしそうに目を逸らした。誰かの悪ふざけだろうと、俺は「…康二、もう1回じっくり調べるぞ」と言い、康二も慌てて何度も頷いた。
…何もねぇ。いや、何も無いわけじゃないのだか、あるのはしっかり準備されてるローションとゴムだけだった。鍵なんて見つからなかった。二人でベッドに腰掛け沈黙が続く。俺は覚悟を決め康二に言った。
「…康二、ヤるぞ」
俺の言葉に康二は目を見開いていた。
「え、ほ、ほんまにヤるん!?」
「だって、それしか方法がねぇだろ」
「そ、そうやけど…」
康二の声はどんどん小さくなっていった。長い沈黙が続いたあと、
「…分かった、」
と火照った顔でこちらを真剣に見ていた。
…よし、じゃあこいつも腹を括ったことだしと、こいつを康二を抱く覚悟をした瞬間、
「ふ、ふっかさん!おれ、ふっかさんに気持ちよくなってもらえるように頑張る!」
「…ん?」
「ま、まあそう言ってくれるのは嬉しいんだけど、お前はそんな頑張らなくてもいいよ」
「へっ?」
「で、でもっ!痛いのはふっかさんやろ?やから…」
「はぁ?逆だろ、お前が痛い思いするんだろ?お前、ちゃんと男同士での分かってんの?」
「分かっとるよ!ドラマでもそういうシーンあったし!」
「…ドラマでベッドシーンあったのかよ。」
なんか、ちょっと残念。あと、ネタバレすんなよ。
「…それなら、尚更分かるだろ。お前下だったろ?」
「…確かにドラマでは俺下やったけど、この状況は上やろ!」
「えっ、俺ふっかさんのことめちゃくちゃ抱く気やったんやけど…」
「えぇ?…いや、まぁどうしてもって言うならいいけどさぁ」
「…康二には痛い思いさせたくねえし」
俺の言葉に反応して康二は「え、えっと…」と言葉があやふやになってしまった。きっと康二も俺に痛い思いはさせたくないんだろう。これで、康二が諦めて上を譲ってもらえれば良いのだが…
「…やっ、やっぱ俺が下になる!!」
心の中でガッツポーズした。計画通りだ。これで康二を抱くことができる。
…正直なこと言うと、俺は康二が加入してからずっと思いを寄せている。でも、この感情はきっとこれからの活動にも影響する。だから、この思いには蓋をしていた。
自分がとてつもなく気持ち悪いことを言っているのは重々承知しているが、康二で何度か抜いたことがある。だから、康二を抱けるこの状況に異常に興奮している。
「…康二、優しくするから」
絶対に無理だけはさせない。ちゃんとお互いが気持ちよくなれるようにすると誓う。そして、そのまま康二をベッドに押し倒した。
――
「あ”、ぅッ…!ふっか…さんッ!!や、めぇ、んッ!!――」
優しくするつもりだった。それなのに、こいつがエロすぎて、抑えられなくなった俺は康二を欲望のままに食らう。でも、決して無理やりという訳では無い。ちゃんと、お互い気持ちいい…はず。不安になった俺はシーツを強く握りしめて、顔を枕に押し付けている康二に話しかけた。
「はっ、康二っ、痛くねぇか…?」
一度動きを止めて聞く。
「ん、んッ!、ぁ”ぅ」
返って来たのは苦しそうな喘ぎ声だけだった。
俺は、心配になり、康二の体をこちらに向けさせた。
「あっ、んっ!ふ、ふっか…さんっ?」
こちらを向いた顔は真っ赤で生理的な涙でぐしゃぐしゃになっていた。それを見ただけでまた、俺のものが康二のナカで熱を持ち出した。
「へっ、な、なんで大きくなって…」
「…っ、!ごめん、康二もうちょい付き合ってもらうわ」
「えっ、んッ!やぁっ…あ、あ”っ、――――!!」
康二の身体が一際多く跳ねた所でぴんぽん、なんて軽快な音がどこかで鳴った。
きっとここが康二の一番気持ちいとこなのだろうと集中的に攻める。
「ッッ 、だ、め、…ぁ、め…!」
「イっちゃ …… ぅあ゛ッ…… アッ、 ィっ…グ 、」
「マジっ、たまんねぇなッ…」
「ふっ…ふっか、さん…すきっ…!」
「…っ!」
そのまま2人で果てた。と同時にドアの方からガチャっと音がした。きっと開いたのだろう。でも、今の2人に出口に向かうほどの力は残ってなかった。康二はぐしゃぐしゃになったシーツの上にぐったりしている。俺も疲れてそのままベッドに倒れ込んだ。
――
後日あの日の部屋はラウールが仕込んでいることが判明した。ラウールは、「だっ、だってぇ…ふっかさんに勇気出してもらいたくてぇ」と俺の気持ちがバレていた。流石にこれに対しては説教をしたが、一応感謝だけ伝えておいた。その瞬間ラウールの顔が笑顔になった。ラウールは説教をしたというのに笑顔でルンルン状態で楽屋を出ていった。1人取り残された楽屋で俺はため息をつく。
「…っ、勇気出してみっかぁ」