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午前5時16分
頭がズキズキと蝕まれるように痛む。
起きたときからずっと。
イッヒは察した。
風邪を引いてしまった。
ドイツ「はあ…」
元々風邪は引きにくい体質なので、薬やその他諸々は何もない。だけど、買う気力もなかった。あと会社の時間が近づいているし。
ドイツ「頭痛い…ケホケホッ」
ガチャ
ロシア「?」
ロシア「ドイツ、どうした?」
ドイツ「何がだ…?」
しくじった。何時もよりずっと声が小さくなってしまった。風邪で力が入らなかったんだ。
デェェェェェェェェェン
ソ連「ロシアー」
ソ連さんは声が大きいわけでもない。さっきの音割れ爆音デーンデンデンデンデンネットミームソ連国歌は何だったんだ。
ソ連「急に家出てどうしたんだ?」
ロシア「はあ…すまんな、ドイツ」
ドイツ「大丈夫だ」
ドイツ「じゃあな」
ドイツ「まじで調子悪い…」
正直頭痛だけじゃない。倦怠感もあるし、咳も少しでる。何なら吐きそう。休みたいところだが生憎イッヒの会社はブラックだ。休めるわけがない。良くて早退。まじで死んで欲しい。
ドイツ「着替えはしとくか…」
イタリア「おはようなんね!」
会社に着いた。何時もはイタリアが遅れて来て、イッヒが一番最初だが今日は何故かいた。そして朝一番にイタリアの声が聞こえた。
ドイツ「おはよ…」
イタリア「今日会議なんね、早く行くんね」
ドイツ「あっ…忘れてた、やばい」
イタリア「もう殆ど会議室なんね」
ドイツ「すまんな…イタリア」
イタリア「全然、ドイツがいなければイオ、もっと遅れてたかもなんね」
ドイツ「そうか」
日本「で此処がーー…で、」
アメリカ「こうした方が良いんじゃないか?」
イギリス「こら、息子。最後まで聞いてください」
イタリア「ここをーしてもいいんね!」
ドイツ「…」
全く意見が頭に入らない。やばい。吐きそう。吐いたらどうしよう。頭も痛い。やばい。やばい。本当に…
フランス「ドイツ!」
ドイツ「ッは…」
フランス「ずっと呼んでたんよ」
日本「で、どれが良いと思いますか?」
ドイツ「ああ…アメリカの意見がいいと思う」
日本「分かりました」
ドイツ「じゃあー…を…」
イギリス「いいですね。でももう少しー…」
ドイツ「ッ、!」
日本「ドイツさん!?」
イッヒは限界だった。その所為で床に蹲って全力で口を押さえた。周りはすぐに気づいて心配してくれた。嗚呼、どんな顔をしているだろう。
イオ、イタリアは今日早く会社に着いた。だけど何時もこの時間には居るドイツが居なかった。数分くらい待てば来たけど明らかに様子がおかしかった。顔色も悪いし小刻みに震えているような気がした。
イタリア(ドイツ体調悪いんね?)
そう思った時だった。
ドイツが急に椅子から崩れ落ち、口を押さえた。…ってめっちゃ顔青くなってる!?震えも大きくなっている。まずい。早く連れて行かないと。
ドイツ「ごめッ…」
イタリア「大丈夫なんね」
ドイツはゴミ箱の中で嘔吐した。正直可愛かったって言うのは口が裂けても言えない。その後会議は延期となり日本の家に行き、2人で看病した。日本はドイツの寝顔を何枚も写真撮ってた。イオにも送ってと言った。送ってもらえるのが楽しみだ。