重い足枷。
苦しい首輪。
そんなもの外れる事はないのだろう。
そう、思っていた
馬車の中_
「なぁ、少年。
名前は何だ?」
『ない。』
「そうか、じゃあ私が名付けよう。」
「フィリーチェ、フィリーチェでどうだ?」
『わかった、』
『ねぇ、おじさん、何で僕を買ったの?』
どうせ帰ってくるのは奴隷にするためだ。
それだけだと思っていた
「お、おじさん!?
あぁ、そうか、自己紹介してなかったからか、私の名前はサナ・ユーラシア」
『じゃあ、サナさん、何で僕を買ったの、?
奴隷にするため?』
「何を言っている。」
さっきまで穏やかな顔だったサナさんの顔が真剣な顔になる。
「私はな、奴隷を買ったのではない、
フィリーチェ。お前はあそこで諦めた目をしていただろう?」
「そんな者を救うのが私の母から与えられた使命なのだ。」
そうしてサナさんは淡々と話し始めた。
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