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度重なる桜魔の研究やろふまおの収録。ほぼパワハラ上司に売り切れてたエナドリ。
足りない睡眠時間とストレスが爆発して、やけ酒に近い飲み会を開いた。
正直愚痴りたくて、でも同期に愚痴るのは流石にあれだしろふまおは…と考えていた。
そんな時手を差し伸べてくれた叶さん…と一応葛葉。掴まない訳もなく居酒屋へ足を運んだ。
「叶さん、ありがとうございます…」
『いやいや、全然大丈夫だよ』
『ちょっと〜、オレは?』
「葛葉は…まぁ、うん、ありがと」
『はい〜??』
座敷に座って、生3つ。
冷えきったビールを喉が通り、爽快感と麦の香りが舌に残る。
最近はどうとか、くろなんで何やってるとか。他愛もない話をして。
気づけばもう2時間が経とうとしていた。
葛葉はもともと酒が弱く、30分程度で潰れてしまっていた。
弱いのにこういう飲みには来てくれるのは彼なりの優しさなのだろう。
そして僕は、というと。
「かなえさぁ〜ん(泣」
『わ、何wどしたの?』
完全に出来上がっていた。
「ぼくぅ、ろふまお塾っていう番組のれぎゅらーなんですけどぉ、」
『知ってるよ?w』
「あにき達によくいじられるんですよ!」
『でも甲斐田はいじられキャラじゃないの?』
またごくり、と本日n回目のビールを飲み干す。
時間が経っていたからか、少し苦かった。
「いじられるのは好きなんですけどぉ〜…なんていうか、」
「きらわれてるんじゃないかなぁ、って思っちゃうんですよ…」
溜め込んだ感情がぼろぼろ溢れてきて、情緒がぐわんと揺さぶられる。
言いたかった事、でも聞き流してほしかった事。
自分が求めていた事を全てやってくれる叶さんにはやっぱり敵わないな、と思う。
『…ふーん(飲』
「ちょっと、はなし聞いてます〜?」
『聞いてるよwただ… 』
『甲斐田でもそーゆーの考えんだね』
「なんだと思ってるんすか…?」
『犬』
「犬…」
3時間が経過して、そろそろお開きにしようと話がまとまった頃。
あ、と思い出したかのように叶さんが口を開いた。
『甲斐田、その調子じゃ家帰れないでしょ?』
『だから呼んどいたよ』
「…だれすか?」
『ひみつ〜』
『じゃ、僕は葛葉持って帰るから。ちゃんとお迎え待つんだよ〜』
「うぇ、ちょ、かなえさん?」
「…まじかぁ」
酔った脳に夜風が障って、心地よいというか吐きそうというか。
30歳超えてアラサーになってしまったというのに少し飲みすぎたか、なんて冷めた考えが過ぎる。
『見つけた。酔っ払いめ』
聞き馴染みのある、木曜日の10時ごろに聴きたくなる声が飛んで耳に入る。
振り返ると制服…ではなく珍しい私服を着たもちさんが立っていた。
「あれ、もちすぁん!」
『はぁー、もう。ほら帰るよ 』
服を引っ張られ、タクシーに半ば強制的に押し込まれる。
窓を覗くと夜景が広がっていて桜魔と全然違う夜に改めて驚かされる。
それと同時に未成年に保護されている事実に自分が情けなくなる。
でももちさんにコレ言ったらいつもでしょ、って言われるんだろうな。
少しの沈黙が落ちた後、破ったのはもちさんだった。
『ああ、そう。叶くんに聞いたんだけどさ』
『…僕、嫌いじゃないからね 』
「…!」
「もちさぁん…!」
普段はクソガキなくせに、こういう所では年相応というかなんというか…。
媚びとかなんだとか言って可愛らしい一面もあるものだ。
『甲斐田くんの歌の話ね。勘違いしないでよね』
前言撤回、やっぱりクソガキかもしれん。
でも僕は知ってる。彼が不器用な事も、優しいところも。これが彼なりのフォローな事も。
上がった口角を定位置に戻さず、笑顔で言ってやった。
「でも僕はすきですけどね!」
『はいはい』
もちさんの耳が若干赤いのは、冬の寒さのせいにしてやるか。